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1.4 非侵襲的換気への回帰の時代

べつに気管内挿管をしなくても、口、鼻を通じて陽圧換気は行なえる。

皮肉なことに、鉄の肺に入った患者の体のケアをするときには、患者の頭のみをドームに入れ 1.11、陽圧換気を行なっていた。

図 1.8: 鉄の肺に入った患者をケアする際には、患者の頭(図の左側)をヘルメットに入れ、陽圧換気を行った

\includegraphics[width=.5\linewidth]{mazo8.eps}

1.4.0.1 最初にマウスピースが開発された

しかし非侵襲的陽圧換気は、1956年に簡単なマウスピースを用いた呼吸器が登場するまでは、普及しなかった。

図 1.9: マウスピースを用いた人工呼吸
\includegraphics[width=.4\linewidth]{mouthpiece.eps}

これができてもなお、多くの患者が気管切開を受けていたが、 ゴールドバーガー記念病院では、日中は非侵襲的陽圧換気装置を使い、 夜間のみ鉄の肺を用いることで、患者は日中車椅子で移動できるようになった。

しかしその後、患者が日中にうたた寝をした程度では、換気が維持されていることがわかり、 鉄の肺を用いていた人も、徐々に夜間もマウスーピースにより換気を行なうようになった。

1972年に夜間用のマウスピースが発売されると、ますます安全になった。 更にこの頃、充電式の携帯型呼吸器が発売されている。

1.4.0.2 鼻マスクの発売と普及

鼻を用いた換気が最初に報告されたのは、フォーリーカテーテルを鼻に二本挿入し、 換気を行なった1982年の報告が最初である。

この後鼻マスクが市販されるにつれ、1984年頃から24時間の持続の人工換気が行なわれるようになった。

漏れた空気が目にあたって痛いと、いうのが、鼻マスクの最初の合併症の報告である。

図 1.10: 代表的な鼻マスク

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admin 平成16年11月12日