それは肺炎の合併、不整脈による突然死、粘液栓の形成、チューブの接続の外れなどである。 とくにグラム陰性悍菌の感染は、致命的な粘液の形成、慢性気管支炎の合併、敗血症などを起こし、問題になった。
物理的な合併症では気管破裂、気管潰瘍、気管食道瘻、更にチューブ交換に伴う出血などが報告された。
ほかの重要な合併症として、上気道を用いた生理的な呼吸ができないために効果的な咳ができず、 声帯の癒着を生じやすく、気管の狭窄などを生じることなどがあげられる。
気管切開孔の存在は、頻回の吸引を必要とし、更に気管切開部のケアも必要となる。 また喉頭の動き1.9 も制限するために嚥下が難しくなり、 結果として誤嚥が増えてしまった。
気管内吸引は患者にストレスを与え、 また左肺の吸引が難しくなる1.10ために、 左側の肺炎を生じやすくなる、といったことも問題とされた。