うすい分泌物は、より接着性が強く粘度が低い。こうした分泌物が気道の奥に入ると、ちょうど膜を張ったように気道をふさぐ。 このため、吸気時は肺内に空気が入るが、呼気時はこれらが弁のように働き、空気を呼出できなくなる。
一方、濃度の高い分泌物は、より粘度が高く、気道に栓をつくりやすい。
一般的な教科書には、加湿が痰の排出に役立つと教えているが、大きな規模のトライアルでもこれらの意義は証明できなかった。
喀痰の吸引は直接痰を取ることができるが、この方法は侵襲的で他の危険を伴う。
NACは、もっぱらCFの患者で用いられてきたが、これらは気道の狭窄や炎症を生じることがあるため、 だんだんと用いられなくなってきている。NACの効果は、犬の実験では明らかに痰の排出効率の増加をみているため、 エアゾルの形で用いることで、もっと使用されてもよい7.2と思われる。
1000人近いCFの患者を対象としたランダマイズドトライアルで、プルモザイムは安全で、肺機能をよくすることが証明された。 FDAではこの薬の対象を、CFの患者に限定している。 この薬は、1バイアル33ドルし、1年で1人あたり1200〜2400ドルかかるからである。
理論的には、どんな炎症であれ、喀痰中には死んだ白血球のDNAが多量に含まれているが、 その一方で、同じCFの患者でも、プルモザイムの効果が全く得られてない人もいる。
これらの理由は現在、DNA中のアクチンと薬との親和性によるものと分かってきており、 アクチンに対してより作用の強い薬も開発されつつある。
プルモザイムやその改良品の使用、更には、これらと他の機械的手法の併用は、今後盛んになっていくと思われる。