これらの様々な気道浄化法のうち、どれを主に用いるべきかは、患者の病気、やる気の問題、 年齢などいくつもの要因によって変わってくる。
多くの介護者は、 いかなる方法でもそれなりに患者に効果があると信じているが、 一方で患者の協力が無いとそれらは得られないとも分かっている。
たとえ肺機能の上昇がすぐには得られなくても、大抵の場合、喀出できる痰の増加が患者のやる気に結びつく。 多くの患者は、痰が多く出ればそれだけ自分の病気が良くなると信じている。
患者の年齢もまた、どんな手技を行うべきかを決める大切な要因となる。 幼児〜3才位までは術者とのコミュニケーションが全くとれないために、全面的に術者の技量に頼った手技が必要となる。
また術者の技量も、どの手技を行っていくべきかを決定しうる。ある種の手技は覚えるのが簡単な反面、 熟練した教官のもとで学ばなくてはならない手技も存在する。
もしも、その患者に対して行える手技がいくつかあり、更に、それらが同じ位に効果的であった場合、 患者の病気により適応した手技の選択が必要となってくる。例えば、神経筋疾患の患者においては、 ある種の手技(咳など)を行うのは難しいかもしれない。
今後考えなくてはいけないのは、コストの問題である。例えば、体位ドレナージは介護者を必要とし、 もしも家族の協力が得られないのならば、莫大な費用がかかる。
また、機械的な咳を行う道具や、高頻度胸部圧迫を行う道具もまた高価である。