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: 2.15 腹痛
: 2. 症状別の対処法
: 2.13 頭が痛い
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62歳の女性。以前より散歩をすると30分ぐらいで胸が苦しくなることがあったという。
ここ1ヶ月ほど、胸痛を自覚せずに歩ける距離が短くなったということで外来初診。今は症状はない。
この人に、外来でダブルマスター負荷を行ったところ、生理検査室で胸痛が止まらなくなり、意識が消失。
全館ドクター招集の大騒ぎになってしまった。
すぐにCPRと緊急PTCAが、合併症なく行われ、無事退院。患者さんとその家族には、"危ないところでしたねー"
"運がよかったですよねー"で押し通し、家族も喜んでいた。
Vfを引き起こしたのは自分だということは、当然黙っていた。
診察上、最も大切なものは問診である。
まず大きく次の2種類に分類する。
- 持続性…重篤な疾患が多い。30分を境として区別する。
- 一過性・間欠性…狭心症がこの中に入ってくる
- 診察までにバイタルをチェックし、さらに心電図もとってもらっておく。
- もしショック状態ならば、すぐに上級医をコールする。そしてライン確保、02投与などショックの治療を行う。
- そして、まずは心エコー、胸部単純写真、心電図をオーダーし2.15、次の疾患を鑑別する。
- 具体的には呼吸音の左右差の確認、静脈怒張の有無を見、その頃にはポータブル検査の技師さんたちが集まり始めているはず。後は、自分に全く知識が無くても、彼らが診断してくれる2.16。
- ショック状態でなければ、次に解離性大動脈瘤を除外診断する。これも、病歴と単純写真所見、あるいは血液検査 2.17などから推定可能である。疑わしければCTを撮ることで、確定診断可能。
除外できたら、少し安心して気胸、肺塞栓、心膜炎、胸膜炎、肺炎がないかどうか考える。
以下の症状は、循環器コールの絶対適応である。
- 安静時の胸痛(血管攣縮が疑われる場合も含む)
- 2週間以内に発症した労作時胸痛
- 増悪してくる労作時胸痛
この3つは、不安定狭心症である。診たときの胸痛が無く、心電図が正常でも心カテの適応になる。
マスター心電図のような、運動負荷検査は禁忌である。
心筋梗塞や解離性大動脈瘤であった場合、やることは上級医が来るまでのサポーティブケアが中心となる。
- 何をおいても、酸素はつけておく(カヌラ3l程度)
- ラインをキープ。1号液や、ラクテックでかまわない。
- 診断が確定した場合、塩モヒの皮下注射を積極的に行い、胸痛を止める。
- 血圧が高い場合は速やかに降圧。目標は動脈瘤なら120台、心筋梗塞なら140台。静注の降圧薬を用いる。ニトロール静注が使いやすいと思う。
- 心電図モニターは必ずつける。
病院によってまちまちであるが、緊急PTCAになる可能性がある患者の場合、バルーンによる治療に加えて
ステントが入ることが多くなっている。このため、PTCA前に小児用バファリン、プレタール2.18の内服を行ってもらうことも多い。
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admin
平成16年11月12日