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: 2.14 胸が苦しい
: 2. 症状別の対処法
: 2.12 点滴が詰まった、抜かれた
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36歳の、糖尿病の男性。10日前より37℃台の微熱、左半分の頭痛を主訴に来院。
首は硬くはない。顔面の圧痛がある。CTを撮ったが異常は無く、痛み止めのみで帰宅。しかし症状は軽快せず、
38度の発熱、軽度の意識障害を生じて帰ってきた。最終診断は、副鼻腔炎。最初に撮ったCTに、しっかり証拠が写っていた。
幸い、いい人だったので、何のトラブルも無く帰宅。しかし、外来でトラブっていたら、こちらに全面的に
非があるケースであった。なまじ画像診断を行ってしまうと、時として自分に不利な証拠が残ることにもなる。
- くも膜下出血
- 髄膜炎
- 副鼻腔炎
- 片頭痛、筋緊張性頭痛、緑内障、CO中毒
- まずは問診。急激な発症で、ひどい頭痛ならSAHの可能性はある。
- 嘔吐や吐き気の有無、意識の状態が不自然でないかどうか(髄膜炎・脳炎の可能性)。血圧と体温は必須。
- 問診で出血、髄膜炎を疑ったならCTを取る。
- 飲食店での発症や、酸欠の環境因子があった場合、血液ガスはとってみること(CO中毒が見つかることがある)。
- リスクが低そうなら、鎮痛薬内服のみでかまわない。
忙しい外来業務中に頭痛の人がきた場合、問題になるのがCTを施行するかどうかである。
病院によってはCTはすぐに施行できなかったり、あるいは緊急のオーダーを嫌がるところがあったりするが、
基本的なスタンスは"迷ったらCT"である。
特に、脳出血を見逃して帰すと大問題になるため、
たとえ重篤感のない患者であっても本人が"重篤"であると訴えた場合はCTを施行せざるを得ないと思う。
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admin
平成16年11月12日