救急外来に、45歳の下壁梗塞の人が搬送された。
ショック状態であり、血圧は80台。にもかかわらず、脈拍数も40しかない。
アトロピンやカテコラミンを開始すれば、心臓の負担を増してしまうかもしれず、心原性のショックに対して、 生食全開を行っていいものなのかも分からない。かといって、このまま放っておくわけにもいかない。
"行くも引くも医療過誤だ"と目の前が暗くなったが、今から思えばやることは決まっていた。
要は、循環器科が来るまでの間、バイタルを正常な状態に保っておけばいいだけのこと。たとえ水を入れすぎ、 肺水腫になっても、一時挿管、IABPになったとしても、心機能が回復すればすぐに必要無くなる2.11。むしろ、ERで何もせずに放置し、血管内の血栓を成長させてしまうほうが後々やっかいである。
徐脈の治療はペースメーカー、薬物の両者があるが、心電図上以下があった場合は、緊急の治療の適応がある。
薬物による治療はあくまでも一時的なものであり、また禁忌も多いため注意。