人工換気開始後は、一回換気量450ml前後、換気回数は1分間15回前後からはじめる。
自発呼吸のない患者であれば、設定したSIMVの回数が、自発呼吸のある患者であれば、SIMVの設定回数と沈静の深さが 一分間の換気回数を決める。
病的状態になった肺は、正常肺に比べて膨らみにくく、また排気をしにくい。
一般的に、同じ分時換気量であれば、大きな一回換気量で呼吸回数が少ないほうが肺は均一に膨らみ、 一回換気量が少なく早い換気であるほど正常肺と病的肺との含気の不均一は大きくなる。
これらの妥協点を探っていくと、大体一回換気量450ml前後、換気回数は1分間15回前後に落ち着く。 この設定値は病気によってはベストなものでは決してないが、大体どんな患者であっても無難に使える。
患者の換気回数が以上に多い場合、まず考えるのは
しかし、自発呼吸がしっかりしている人で、特に必要があるわけでもないのに、呼吸回数が多いときがある。 この対策としては、プレッシャーサポートの圧を上げたり、また沈静を深くしたりする。
これでも呼吸数が減らないときには、 ケタミン、塩酸モルヒネ、フェンタネストなどの鎮痛効果の高い鎮静剤の併用を行うとうまく行く。 これら薬剤には鎮咳作用もあるため、しばしば有用である。