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: 3.7 人工換気の長期予後 : 3. COPDに対する慢性期の非侵襲的換気 : 3.5 肺気種の非侵襲的人工換気に必要な道具   目次


3.6 肺気種に対する非侵襲的人工換気のリコメンデーション

肺気種の患者で、長期の人工呼吸管理の対象となるのは以下の患者である。

3.6.0.1 適応患者はかなり絞られる

いくつかのランダマイズドトライアルで、適応のある患者には人工換気は有効であることは確実になりつつある。 夜間の高二酸化炭素血症が改善される患者なら、この治療は良い効果を上げる可能性がある。

在宅で呼吸器を用いるならば、入院での夜間の呼吸モニターは行なったほうが良い。

3.6.0.2 開始には入院が必要

非侵襲的人工換気を始めるにあたっては当初は入院させて呼吸器の装着を行なった方がコンプライアンスは高くなる。 鼻マスクによるトラブルに早期に対処することで、コンプライアンスの改善が得られるため、注意深い観察が必要である。

また、ある種の患者では内因性のPEEPが強く、普通の設定では呼吸器とあわないこともある。 更に、病気の進行に合わせ、呼吸器の設定はたびたび変える必要がある。

3.6.0.3 今のところBiPAPでは予後はかえられない

人工呼吸換気が肺気腫の自然歴を変えられるかについては、まだ全く分かっていない。

在宅酸素療法は確かに患者の生命を伸ばすが、結局は患者は低酸素血症で死亡する。 これを防ぐには夜間の致命的な低換気を早期から人工換気で治療する必要があるが、 一方では非侵襲的人工換気は肺気種の急性増悪期にこそ有用だとする研究もいくつもあり、今後の究明が待たれる。


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admin 平成16年11月12日