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: 3.5 肺気種の非侵襲的人工換気に必要な道具 : 3. COPDに対する慢性期の非侵襲的換気 : 3.3 肺気種の人工換気の初期の研究   目次


3.4 鼻マスクを用いた陽圧呼吸

3.4.0.1 患者を選択すればQOLが向上する可能性はある

鼻マスクを用いた人工呼吸で神経筋疾患の患者の日中の呼吸状態が改善したことを受け、この治療が肺気種にも応用された。 初期の研究では睡眠の質も上がり、血液ガスの改善も確認された。

鼻マスクを用いた呼吸器により、初期の陰圧式呼吸器よりもはるかに優れた成果が得られたが、 残念ながら患者のコンプライアンスはあまり良くなかった。

しかし呼吸器に耐えられたものは夜間の呼吸器の装着で、日中まで含めた二酸化炭素の改善が得られている。

ストランプらはBiPAPを19人の肺気腫に用いたが、彼らは呼吸状態がそれほど重篤ではなく、またコンプライアンスも極めて悪く、 良い結果が出なかった。

3.4.0.2 二酸化炭素改善の幅が大きい人は利益がある

近年になり、ミーチャムらが在宅酸素療法中の18人の重症肺気種の患者を対象に、同様の研究を試みたが、 こちらでは有意な日中の血液ガスの改善、睡眠時間、睡眠の質の改善が証明できた。

この研究では患者はすべて入院させてから呼吸器をつけており、コンプライアンスも上げることができた。 この研究から、二酸化炭素濃度の改善の効果が最も大きい人が、人工呼吸器の恩恵をもっと設けている傾向がわかった。

肺気種が進行すると、日常の活動性が低下していく。在宅酸素療法は、QOLの改善効果は乏しい。 鼻マスクを用いた呼吸器と在宅酸素を併用することで、日中の活動性と睡眠の質の改善が得られ、 QOLスコアの改善が得られることが分かって来た。


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admin 平成16年11月12日