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3.3 肺気種の人工換気の初期の研究

3.3.0.1 初期の研究は効果を証明できなかった

1983年に、肺気腫の患者985人に日中30分だけ間欠的陽圧呼吸を行なった研究があったが、 何の効果も見いだせなかった。この対象となった患者の平均二酸化炭素濃度は37.1と低く、 更に人工換気は夜間に行なわれていなかった。

陰圧式人工換気装置は神経筋疾患の患者や、胸郭変形のある患者では有効であったが、肺気種ではそうではなかった。

これは患者が呼吸器に耐えられなかったことによるところが大きい。胸部不快感が主な患者の訴えであり、 また上部気道の狭窄による合併症も多かった。陰圧式人工呼吸器と、 従来通りの呼吸器を用いない肺気種の治療を行なった比較研究では、人工呼吸器の効果は全く無かった。 人工呼吸器群の患者は一日平均4時間しか呼吸器を用いておらず、これはあまりに少ない。

中等度の高二酸化炭素血症のある肺気種の患者に、入院中に陰圧式の人工換気装置を用いた研究もあったが、 やはり効果が証明できなかった。陰圧式の呼吸器を用いて血液ガスの改善を証明したものもあったが、 それらは非常に小規模なものであり、また患者は高二酸化炭素血症をともなっていた。


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admin 平成16年11月12日