next up previous contents ホームページに戻る
: 3.3 肺気種の人工換気の初期の研究 : 3. COPDに対する慢性期の非侵襲的換気 : 3.1 COPDの低換気状態   目次


3.2 非侵襲的換気〜理論上の利益

3.2.0.1 夜間の呼吸筋の安静が目的

COPDの患者の呼吸筋は慢性的な疲労状態にあり、これを休ませることで呼吸状態が改善しうるという仮説は、前から言われていた。

陰圧式、陽圧式の呼吸器を使った研究では、肺気腫の患者にこれらを用いることで横隔膜の仕事量は減少する。 しかしながら、長期に人工換気を行なうことで呼吸筋力が強くなるかどうかを確かめた研究は存在しなかった。

間接的な証拠としては、肺気腫の患者に人工換気を夜間行なうことで日中の呼吸状態は良くなり、 二酸化炭素濃度も減少することが確かめられている。

また、夜間に人工換気を行なうことで、患者の二酸化炭素貯留に対する感受性も上昇することも確かめられている。

低酸素血症をともなったCOPDの患者は不眠を訴えるが、これらの患者に酸素を投与したときの効果はさまざまである。 ある人は良くなるのに対して、全く効果の無い人もいる。

睡眠時無呼吸を生じる人も多いが、全ての人が上気道に閉塞を生じてるわけではない。

更に、夜間に全く酸素濃度の低下を生じない人でも睡眠障害を生じる人もいる。高二酸化炭素血症は酸素の投与により悪化する。

更に、二酸化炭素の上昇は夜間の覚醒を生じ、睡眠の質を落とす。 鼻マスクによる人工換気で二酸化炭素濃度のコントロールを行なうことで睡眠の質が上がり、日中の活動性も上がる可能性がある。


next up previous contents ホームページに戻る
: 3.3 肺気種の人工換気の初期の研究 : 3. COPDに対する慢性期の非侵襲的換気 : 3.1 COPDの低換気状態   目次
admin 平成16年11月12日