非侵襲的陽圧換気を行なうには、さまざまな方法がある。人工呼吸器を大きく分けると、 集中治療室で使われる呼吸器、携帯型の従圧式呼吸器2.1、 携帯型の従量式呼吸器の3つに分けられる。
また、患者の顔と呼吸器をつなぐ道具にも、フルフェイスマスク、鼻マスク、マウスピース、そして鼻ピロウがある。 ここではこれらの器具の使い方、問題点について述べる。
これらの呼吸器は、携帯式の簡単なものに比べてアラームがしっかりしており、 呼吸のモニター機能が充実していたりして、利点は大きい2.3。
更に、多くの呼吸器にはバックアップ呼吸機能2.4がついている。
今は、BiPAPビジョンという、このために作られたような呼吸器2.5がある。
これらの機械は、もともと気管切開のある人のために作られていたが、非侵襲的陽圧換気にも応用できる。
こうした機械は小さく、また充電式のものが多い。この型の呼吸器を用いることで、 患者は数時間なら車椅子で外に出ることもできる。
呼吸器には供給酸素濃度を設定する機能はなく、酸素は途中から加える。このために1回換気量が変化すると、供給酸素濃度も変化してしまう。またアラームのついていない機種も多い。
これらの機械の最大の欠点は、自発呼吸がある患者では、患者の呼吸努力を増やしてしまうことである。
患者が呼吸するためには、自分で呼吸器を作動させるために2〜4cnH2Oの陰圧を作らなくてはいけない。
多くのものは非常に安価であり、また非常に軽量である。バッテリーを内蔵しているものは少なく、 アラームを持っているものも少ないか、オプションとなっている。
ほとんどの機種は2段階の圧が設定でき、それぞれIPAP(吸気時)、EPAP(呼気時)と呼ばれる。言い換えれば、 ほとんどの機種はCPAPとプレッシャーサポートが設定できる。
これらの呼吸器はその構造上、患者の呼吸努力が非常に少なくてすむ。 機種により性能は異なって2.8おり、 ある種のものは吸気時すぐに設定圧に達するが、吸気終末になってやっとその圧に達するものもある。
またこうした呼吸器は呼吸回路が1本しかなく、患者の吐いた空気は外に放出される。もしもEPAPが十分でないと、 患者の呼出した空気は回路を逆流し、二酸化炭素を再呼吸する可能性があることに注意すべきである。 PEEPを4センチ以上かけるか、 または呼気を再呼吸しないような弁2.10をつけてやればこの問題は解決する。