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患者さんによるエラーチェック

医療従事者の自己チェックには限界がある

どんなに事故防止のチェックシステムを充実させても、医療従事者によるエラーの訂正には限界があります。

我々の医療行為のミスで、最終的に被害に会うのは患者さん自身であって、我々ではありません。 いろいろ批判もあるでしょうが、どう言い訳しても、人間"他人事"には、そう熱心に対処できるはずがありません。

また、いくらそうしようとしても、チームの中では一番立場の強い医師の下した判断を覆すのは、やはり容易ではありません。

エラーチェックにも患者さんの手を

組織の起こしたエラーを訂正する人は、本来なら組織とは別の立場の人でなくてはなりません。

病院内でも同じことで、病院のミスを見つけ、訂正できる人は、病院組織に属していない人でなくてはいけません。 病院内で、こうしたことが出来るのは、患者さん自身か、その身内の人だけです。

患者さんがはっきりしている人なら、その人に自分の受ける点滴の色、中に何が入っているのかを、確認してもらえば、 効果的に事故を防げるでしょう。意識のない人、あるいは判断力の落ちた高齢者なら、やはり患者さんの家族にきてもらい、 確認をしてもらうべきです。

ここまで締め付けられた日本の医療費の中で、安全を確保する努力には限界があります。 お金を使わずに、今以上の安全保障を患者さんが求めるならば、 日本では患者さん自身にも、その負担をしてもらうべきだと思います。

私たちは医療ミスをするかもしれません

内科号室番ベッド 氏名 様


  1. あなたの点滴は、以下のとおりです
    1. 1本目


    2. 2本目


    3. 3本目



    1. 内服薬は、以下のものを使っています



    1. 検査の日程は、以下のとおりです



ミスが起こってしまったとき、最後にそれを防げるのは、患者様自身の力だけです。 ご協力を、お願いします。
こういったパンフレットを、患者さんに配るのは無謀3.6でしょうか?まだ、試したことは無いのですが…。


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admin@WORKGROUP 平成14年11月13日