敗血症の患者は、しばしばショック状態に陥る。敗血症性ショックの特徴は末梢血管の拡張であるが、 この状態は出血性ショックや心原性ショックなど、他の原因でショック状態が遷延すると、ショックの最終像で 共通して出現する所見でもある。
どんな原因であれ、ショック状態の回復が遅れ、末梢組織の循環が悪い状態が長く続くと末梢血管は緊張を保つことが 出来なくなり、血管は拡張してしまう。こうなると、カテコラミン等の血管収縮物質を投与しても反応は悪く、 治療効果が期待できなくなる。
こうした血管拡張型のショック状態に対する治療戦略として、以下のようなことが考えられている。
前者に対する回答としてearly goal-directed therapy [#!Sepsis:10!#] が、後者に対する回答として バソプレシンの使用がそれぞれ提唱されている。