1つのグループは睡眠時無呼吸用のBiPAPを用い、他のグループは普通の呼吸器にマスクを付け、研究している。
この3つのグループでの成功率は、それぞれ75%、65%、50%と似たようなものである。
約10%の患者がマスクによる圧迫感に耐えられず、研究から外されている。また、主 な合併症は、顔面の皮膚損傷、胃の膨満であった。
陰圧式人工呼吸器も、鉄の肺からニューモスーツ、さらには胸と腹のみを覆うものまでと進歩してきている。
手術後の患者に対する陰圧式換気装置の効果を論じた研究はないが、潜在的可能性はある。
陰圧式呼吸器を用いているときには、上気道には何も着けなくても良い。胸郭を陰圧にすることで肺が陰圧で引っ張られ、 その結果空気が入ってくる。
陰圧式呼吸器の大きな欠点として報じられているのが、無呼吸の患者での上気道の閉塞である。これは、 患者の吸気筋と人工呼吸器が同調しないために生じ、陰圧式人工呼吸器の作用は吸気筋の肩代わりをするために、 この作用が強く出る。
気道の閉塞と呼吸器の不同調は、神経筋疾患の患者で大きな問題となっており、手術後の意識のはっきりした患者では、 それほど問題にはならないと思われる。
陰圧式人工呼吸器の効果は、陽圧式換気装置のちょうど逆である。静脈環流は増加し、アフターロードも増加する。
陽圧式換気装置が心機能に悪影響を与えるような状況では、陰圧式人工呼吸器は有効かもしれないが、逆もまた真なりである。
胸のみを覆う型の陰圧式人工換気装置の欠点は、これが、胸、腹の手術跡にストレスをかけることである。
この型の呼吸器は、100%有効に働けば、タンク式の陰圧換気装置と同じような効果を出すが、 普通は胸の一部のみが過大に動いてしまい、十分な効果を得られにくい。