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6 気道の確保の方法

6.0.1 下顎前方引出し法による気道確保

状態の悪い患者、特に意識障害のある患者では、舌根が沈下して気道がふさがっている(図1)。

図 1: 意識障害時の舌根沈下

\includegraphics[width=.4\linewidth]{comakidou.eps}

こうした患者を発見した場合、まず下顎前方引出し法による気道確保(図2) を行うことが勧められている。頸椎に与える負担が小さく、マスク換気がすぐにできるからである。

図 2: 下顎引出しによる気道確保。左右の下顎角に指をあてがい、下顎を前方に引き出す。

\includegraphics[width=.3\linewidth]{jawtrust.eps}

頸椎損傷の恐れが無ければ、頭部後屈-下顎挙上による気道の確保を行ってもかまわない。

図 3: 下顎挙上による気道確保。片方の手を患者の前額部に当て、 頭部を後屈させるとともに下顎に指をかけ、前方に持ち上げる。

\includegraphics[width=.4\linewidth]{headtilt.eps}

この操作により舌根を引き上げ、気道を開通させる。


6.0.2 バッグ=マスク換気

気道の確保を行っても自発呼吸が無い場合、人工呼吸が行われる。

特に病院内で施行する際、口対口の人工呼吸は感染の危険が大きく、あまり勧められない。 院内であればどこでもアンビューバッグがあるため、こちらを用いた換気を施行するほうが理にかなっている。

図 4: マスクの保持と気道確保

\includegraphics[width=.4\linewidth]{bagmask.eps}

アンビューバッグとマスクを用いて換気を行う際に大事なのは、マスクと顔面の密着を図ることと同時に、 気道をしっかりと確保することである。マスクの保持と同時に気道を確保するのは意外に難しい。

基本は写真4のとおりであり、片手で下顎引き出し法を行いつつマスクを保持する。

手の小さな人では両方をいっぺんにやるのは難しく、こうした際には術者の顎を用いてマスクを押さえるか、 マスクの保持とバッグもみを2人で分担するとうまくいく。


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admin 平成16年8月5日