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: 2.3 頭が痛い
: 2. 神経の問題
: 2.1 意識がおかしい
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2.2 痙攣している
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酸素マスクをつける
どんな痙攣発作のケースでも、まずは酸素を投与する。
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血糖を測る
もし測定できなかったら、50%ブドウ糖40mlとサイアミン100mgを静注1。
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- 1 低血糖がけいれんの原因になることはめったにないが、見逃すと一生後悔する。
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点滴ラインを確保する
フェニトインを使うことがあるので、生食でラインキープ。
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心電図モニターをつける
この時点で致命的な不整脈の無いことを確認しておく。
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セルシンの静注を行う
1Aをワンショットで静注する。痙攣が止まるまで何回でも使う1。呼吸が止まっても、挿管すればそれですむのでためらう必要は無い。
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- 1 通常は1Aで止まる。
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採血検査を出す1
以下を提出し、補正する。
- 低血糖/高血糖
- Na、K、Ca、Mgの低下
痙攣域値が下がる
- 炎症反応
腰椎穿刺
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- 1 けいれん中は非常に危ないので、血ガスを取るにしてもけいれんを止めてから。
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気管内挿管の適応
- 痙攣を止めてもすぐに再発する場合
挿管してからドルミカム/ディプリパンを持続静注
- 舌根沈下が見られる
はっきり目覚めるまでは挿管
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アレビアチン1の静注を行う
- セルシン静注後もけいれんが再発するとき
- 初診のけいれん発作の患者全員2
アレビアチン250mg/1A+生食100mlを50mg/分以下のスピードで点滴3する。血管痛がすごいので注意。低血圧や不整脈が出るので、必ず心電図モニター下で静注する。
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- 1 教科書ではフェノバルビタールが第2選択だが、日本だと筋注用しかなく使いにくいと思う。
- 2 はっきりしているなら経口でも可。
- 3 筆者は初回は2Aと習った。でも1Aから開始する病院のほうが多い。
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ドルミカムの持続静注の適応
- フェニトインの静注を行ってもすぐに痙攣が再発する場合に考慮する
1。
- ドルミカム5A+生食40mlを2ml/hから開始する。使用量は、痙攣が止まるまで増量2。
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- 1 呼吸停止必発なので、気管内挿管を前提に用いたほうが無難である。
- 2 この濃度で、10ml/h以上使ったことは無いが…。
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CTスキャンをとる
- 脳出血
すぐに降圧/グリセリン静注
- 脳溝の狭小化/脳室の狭小化
脳圧亢進
脳炎の可能性
- CT正常
初発のてんかん/脳炎/髄膜炎
CT室に搬送中に痙攣を再発する可能性がある。シリンジにセルシン1Aを吸って携帯していく。
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腰椎穿刺の適応
- 初発の痙攣発作全例
- 発熱しているけいれんの患者
- 意識障害が継続しているケース
通常の培養以外に、抗酸菌PCRとHSV-PCRも提出。
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けいれん患者は心臓は大丈夫でも、治療が遅れると容易に脳障害を残す。
痙攣発作が止まった後の患者は元気ではあるが、初発の痙攣発作は全例入院、
特に夜間帯に緊急入院になったケースは、ICUで経過を観察したほうが安全である。
一般病棟で痙攣された場合、救急外来以上に対処は難しくなり、
脳を保護するタイミングを逃しかねない。
2.2.2.1 初発のけいれん発作
- けいれんは全般性か、局所性か?
- 意識は保たれていたか?
- 全身の発作で意識がなくなる--全般発作
- 体の一部の発作2.2で意識がおかしくなる--複雑部分発作
- 体の一部分の発作で意識は保たれる--単純発作
- 頭蓋内疾患の除外のため頭CT
- 血液生化、特にCa、Mg、K濃度
- 血液ガスは通常代謝性アシドーシス2.3
- けいれん中に母趾の背屈2.4を生じる患者は、真のけいれん発作でない可能性が高いらしい。
- 本当のけいれん発作は尿失禁、舌の傷を伴うが、精神疾患に伴うものはこうした所見を生じない。
- ヒステリーなどとの鑑別方法として、真のけいれん発作患者はけいれん30分後の血清プロラクチン濃度が著増することを利用する方法が紹介されている。
- 全般発作を初めとして万能薬的に用いられるのはバルプロ酸、フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン。
- 若い人にはカルバマゼピンが最も眠気を生じにくく、好まれる。
- 他の発作に対する特異的な治療については専門家の判断を仰ぐ。
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admin
平成16年8月9日