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2.4 手足の麻痺
:
2. 神経の問題
:
2.2 痙攣している
目次
索引
2.3.1 とりあえずの治療
2.3.2 頭痛を生じる疾患
2.3.2.1 片頭痛/筋緊張性頭痛
2.3.2.1.1 治療
2.3.2.2 脳出血/くも膜下出血
2.3.2.2.1 治療
2.3.2.3 髄膜炎
2.3.2.3.1 治療
2.3.2.4 副鼻腔炎
2.3.2.4.1 治療
2.3.2.5 側頭動脈炎
2.3.2.5.1 治療
2.3.2.6 緑内障
2.3 頭が痛い
2.3.1 とりあえずの治療
バイタルを測定する
血圧が高い
発熱がある
脳出血、髄膜炎の可能性がある。
首の硬さをみる
項部硬直
イヤイヤをするように首を左右に振る
どちらかで頭痛を生じるようなら髄膜炎の可能性がある。
CTを取る
脳出血/クモ膜下出血
脳溝/脳室が狭い
脳圧亢進
脳実質に黒く見える部分がある
脳腫瘍
1
1
単純CTでは見逃し易いので、 疑ったら脳外の先生にみてもらう。
腰椎穿刺の適応
発熱を伴ったひどい頭痛
意識障害を伴った頭痛
CTで頭蓋内圧亢進のないことを確認し、腰椎穿刺。髄液圧と細胞数、培養を提出。
鎮痛薬を服用してもらう
成人なら、
アセトアミノフェン0.5g
程度を試す。
2.3.2 頭痛を生じる疾患
2.3.2.1 片頭痛/筋緊張性頭痛
両者を同じ病気ととらえる人
2.5
もいる。
片頭痛なら前兆症状、緊張性頭痛なら後傾部痛や肩こりといった特定の症状があるが、他の見逃してはいけない頭痛を鑑別してからこの疾患を考える。
見逃してはならない頭痛の原因は、髄膜炎、くも膜下出血、緑内障、側頭動脈炎、脳腫瘍の5つである。
2.3.2.1.1 治療
頭痛の急性期には禁忌がなければ喘息/腎障害のないことを確認してNSAIDs
2.6
の内服を行う。
喘息/腎障害/胃潰瘍がある人にはアセトアミノフェン400mgの内服。
嘔気に対してはプリンペラン1Aの静注で対処。
明らかに"片頭痛"と診断されている人の重篤な嘔気に対しては、ノバミンの筋注が勧められている。
片頭痛にはトリプタンという特効薬が出ているが、慣れた医師以外が使うべきではない
2.7
と思う。
頭痛の頻度が高い人には三環系抗うつ薬、
遮断薬等の頭痛予防薬を用いる。一度専門外来を受診してもらうよう勧める。
2.3.2.2 脳出血/くも膜下出血
突然発症の頭痛で、"今までこんな痛みは初めて"という訴えがあったら必ず考慮する。
血圧は通常上昇している。
頭蓋内圧亢進のため意識障害、嘔気/嘔吐がある。
疑ったらCTスキャンを施行
頭に白いものが写ったら出血。
自分で自信がなかったら、放射線技師さんに聞けば
2.8
まず診断してくれる。
2.3.2.2.1 治療
降圧を積極的に行う施設とそうでない施設とがあるので、すぐに脳神経外科をコールして判断を仰ぐ。
すぐにグリセオール1バイアルを点滴静注。
浸透圧の低い輸液は脳圧を上昇させるので、輸液はラクテックか生食を用いる。
2.3.2.3 髄膜炎
発熱を伴った頭痛の60%は髄液細胞数が上昇しているといわれている。
ウィルス性髄膜炎は、髄膜炎全体の7.5%と決して高頻度ではない。
首が硬かったら診断可能であるが、項部硬直はない人も多い。
意識が清明で、項部硬直がなくても、発熱、頭痛に加えて、"いやいや"をするように頭を振ると頭痛が強くなれば(Jolt Accentuation)、髄膜炎を強く疑い、なければ髄膜炎が否定できる。
疑ったら、CTを撮って腰椎穿刺を。
髄液培養は細菌に加えて結核培養、PCRを提出
2.9
。
2.3.2.3.1 治療
細菌性髄膜炎の標準的な治療
2.10
は、ロセフィン2gを朝夕点滴静注、またはメロペン2gを1日3回点滴静注。
さらにデキサメタゾンを0.4mg/kg、朝夕静注を2日間行う。
MRSAの可能性のある人
2.11
なら、バンコマイシンを加えることを考慮。
性格変化や意識状態の悪化など、ウィルス脳炎
を疑った際は抗生物質に加えてアシクロビル10mg/kgを1日3回併用する。
髄液から髄膜炎菌が培養された場合、患者周囲で接触のあった人にシプロキサンを1日だけ内服
2.12
してもらう。
2.3.2.4 副鼻腔炎
上気道炎症状のあとに徐々に生じてきた頭痛で来院。
発熱に顔面痛を伴うが、頭痛のみで来院することがある。
副鼻腔単純写真で診断できるが、"原因不明の頭痛"でCTを取るときに副鼻腔をみる癖をつけておくと見逃しが減るかもしれない。
2.3.2.4.1 治療
抗生物質の内服で加療
伝統的にはオーグメンチン3T/3X内服
ニューキノロン、クラリスロマイシンでも効果がある。
2.3.2.5 側頭動脈炎
重篤な側頭部痛が持続する。さらに、肥厚した側頭動脈を触知することがある。
側頭動脈の圧痛がある
2.13
。
血液検査でESRの上昇。しかし白血球数はほぼ必ず正常値を示す。
側頭動脈の生検で確定診断
2.3.2.5.1 治療
プレドニン60mg/日より内服。漸減していく。
失明の可能性があるため、緊急疾患である。
2.3.2.6 緑内障
緊急の眼科受診が必要。
頭痛を訴える患者で、以下の症状を伴う場合に疑う。
目の痛み
視界がぼやける
角膜の曇り
瞳孔散大
嘔気/嘔吐を伴うことも珍しくない。
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admin 平成16年8月9日