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: 1.4 ワーファリンの使いかた
: 1. 血液の問題
: 1.2 血が止まらない
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1.3 ヘパリンの使いかた
- 半減期90分。網内系で代謝されるため、肝機能/腎機能の影響を受けない。
- 感染などで体内のAT-I I I濃度が低下していたり、血栓量の多い患者などでは
効きが悪くなるので注意。
1.3.0.1 ACTとAPTT
ヘパリンの効果を厳密に求めるためには、APTTの測定をしなくてはならない。APTTは正確である半面時間が
かかるため、ベッドサイドで簡便に施行できる検査としてACTが用いられるようになった。
ACTの目標値としては、200-300秒程度を目安にヘパリンの量を決める。
しかし、ACTは測定誤差が大きく、ときにまったく当てにならない患者がいる。
このため、ヘパリンが開始された患者においては、原則としてAPTTを用いたヘパリンのコントロールを行ったほうが安全だと思う。
1.3.0.2 ヘパリンノモグラム
糖尿病のスライディングスケールのように、ヘパリンの静注量を
ノモグラムを用いて機械的に決める方法がいくつか発表されている。
これらのノモグラムは、いずれもAPTTを元にヘパリンの量を決定している
1.4。
- 最初 60U/kg 静注 (最大量5000単位まで)
- 以後14U/kg/h1.5 で持続静注開始。
- 6時間後にAPTTを採血。その値を見て、表1.4に従い持続量を調節。
- 目標値は45-70秒。APTTを2回測定して、2回とも目標値であったならば、次の採血は翌朝でよい。
表 1.4:
ヘパリン調節ノモグラムの例。これは体重あたりで行うもの。
APTT |
ボーラス量 |
持続静注量 |
40秒以下 |
2000単位 |
2U/kg/h 増加 |
40-44秒 |
なし |
1U/kg/h 増加 |
45-70秒 |
なし |
そのまま |
71-80秒 |
なし |
1U/kg/h 減量 |
81-90秒 |
30分中止 |
2U/kg/h 減量 |
90秒以上 |
1時間中止 |
3U/kg/h 減量 |
|
通常病棟では、3000-5000単位をローディングドースとして静注後、1日1万-2万単位を持続静注で用いる。
ヘパリンは1万単位を生食90mlに溶解し、合計100mlとしたものを6ml/h(1日量で12000単位)で開始し調整している。
1.3.0.3 ヘパリン起因性血小板減少
P.
参照。
ヘパリンを用いている患者の3%程度に発症する。ヘパリンを開始してから5日目に血小板数を
提出し、この値が15万を切っていたら翌日再検。なおも血小板数が下がっていたら本疾患を疑い
ヘパリンを中止にする。
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admin
平成16年8月9日