ホームページに戻る
: 7 血圧が高い
: 循環器疾患
: 5 肺うっ血を生じた
目次
索引
6 浮腫がある
6.1.1 ネフローゼ症候群
- 1日尿蛋白が3.5g以上
- 血清総蛋白6.0以下、あるいはアルブミン3.0以下。
- 血清総コレステロール250mg/dl以上。
- 全身の浮腫を認める。
- 尿沈渣上多数の卵円形脂肪体を認める。
- BUN/CRE/電解質は通常正常。
- 成人の原発性ネフローゼは、微小変化型が40%、IgA腎症などの糸球体腎炎、巣状糸球体硬化症がそれぞれ10%、膜性増殖性糸球体腎炎が6%を占める。
- 続発性のネフローゼとして糖尿病、SLEなどの膠原病、リンパ腫や多発性骨髄腫、肝炎ウィルス感染症などがある。抗核抗体/肝炎スクリーニングを施行する。
- 尿蛋白電気泳動は1回は提出する25。
- 塩分を3-5g/日に制限する。
- 患者はもともと血管内脱水になっている。利尿薬は用いないで様子を見るか少量から投与する。
- 血清アルブミンが2g/dL未満の患者は凝固能亢進状態となる。静脈血栓症の合併リスクが高くなるため、ワーファリンによる抗凝固療法を考慮する。
- 高脂血症に対してはスタチンの内服が有効。
- ACE阻害薬26はタンパク尿を軽減するが、BUN/CREが上昇するため少量から漸増する。
- P.参照
- ラシックス抵抗性の浮腫の患者に1-2mg程度のフルイトラン27を処方すると、劇的に尿量が増えることがある。電解質異常必発なので注意。
6.1.3 収縮性心膜炎
- 全身の浮腫、腹水、呼吸困難があり、心収縮力は正常。
- 頻脈、Kussmaul徴候、肝腫大を生じ、しばしば肝不全に伴う浮腫と誤診される。
- 心エコーで診断はつくが、スクリーニング的な検査では"正常"として見逃される。
- 胸CT上心膜が肥厚していることが多いが、正常な患者も存在する。
- 確定診断は両室カテーテル検査で左右心室の拡張期圧が同じことを証明する。
- 心室圧曲線では、特徴的なdip and plateauパターンを生じる。
- 外科的な心膜切除が第一選択。
- 利尿薬/ACE阻害薬等の心不全治療薬は、血圧が急激に下がる可能性があるためごく少量より使用する。
- P.参照
- アルブミンの補充と利尿薬を考慮する。
- 低アルブミン環境ではループ利尿薬やサイアザイドは効果が無い。
- アルダクトンはアルブミン非依存性なのでこうした場合にも効果が期待できる。
6.1.5 甲状腺機能低下症
- 寒気やだるさ、non-pitting edemaなどを生じて来院。
- うつ病と誤診されることがある。
- 非常にまれではあるが、意識障害を生じて搬送されることもある。
- 橋本病が原因のことが多い。
- スクリーニング採血ではCKとコレステロールの上昇を見る。
- F-T、F-T、TSHを測定して確定診断。
チラージンの内服を行う。TSHの正常化を目標に。
ホームページに戻る
: 7 血圧が高い
: 循環器疾患
: 5 肺うっ血を生じた
目次
索引
admin
平成16年8月5日