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: 4 脈が速い
: 循環器疾患
: 2 胸が苦しい
目次
索引
3 失神した
迷走神経反射と不整脈が多い。
- 嘔気/嘔吐を伴う失神は迷走神経性のものが多い。
- 労作に伴う失神は大動脈弁狭窄、不整脈を考える。
- 舌を噛んでいたり、意識がぼんやりしていたらけいれん発作。
- 来院時にCKの上昇がみられたらけいれん発作/虚血性心疾患を考慮。
表 2:
失神の原因疾患
心室頻拍 |
11% |
洞不全症候群 |
3% |
高度房室ブロック |
3% |
上室性頻脈 |
2% |
大動脈弁狭窄 |
2% |
TIA |
2% |
迷走神経失神 |
15% |
起立性低血圧 |
10% |
薬剤性失神 |
2% |
その他 |
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失神を生じる疾患で致命的なものは以下のとおり。
- 心室性不整脈/心筋虚血
- 初発のてんかん発作
- 消化管出血による起立性低血圧
- 肺塞栓
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心電図モニター/12誘導
- QT時間延長
不整脈による失神
- ST変化
虚血性心疾患
- 心室性期外収縮
不整脈
- 著明なLVH
AS/肥大型心筋症
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血液ガスをとる
- 低酸素血症
肺塞栓
- アシドーシス
痙攣発作
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採血をとる
- CK上昇
心筋梗塞/痙攣発作
- K、Ca、Mgの低下
不整脈/痙攣
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頭部単純CTをとる
- 頭蓋内出血、特にクモ膜下出血
- 腰椎穿刺前の頭蓋内圧亢進の評価
- 急性期の脳梗塞の診断1
痙攣や嘔吐の可能性があるので、必ず患者と一緒にCT室に入る。
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- 1 慣れるとできる
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- 原因のはっきりしない失神発作の患者は、虚血性心疾患の可能性を念頭において運動負荷心電図を。
- 失神患者に対するティルト試験や運動負荷心電図は、言い換えれば致命的な不整脈の誘発試験である。
検査に対しては必ず医師がつくこと。
3.2.1 迷走神経反射性失神
- 失神の原因の中で最も多い。
- 嘔気/嘔吐を伴う失神は迷走神経性のものが多い。
- ティルトテストは多くの患者で偽陽性になり、診断精度は必ずしも高くない。
- 無加療で経過をみるだけでも再発しない人も多い。
遮断薬が第一選択。
- 効果が無いか、服薬に耐えられない患者はパロキセチンの内服を行う。
3.2.2 大動脈弁狭窄症
- 先天性の2尖弁か、正常大動脈弁の進行性の石灰化により生じる。
- 労作時の息切れ、狭心症症状、失神発作を生じるようになったら手術の絶対適応。
- 心エコーで確定診断できるが、無症状の患者であっても圧較差が60mmHg以上あったら手術適応。
- 適応のある患者は手術。
- 利尿薬、ACE阻害薬による保存的な加療は多少有効だが、血行動態をかえって悪化させる可能性もあるため少量から行う。
- 経皮的大動脈弁形成術は一時的な効果しかなく、緊急時以外は推薦されない。
3.2.3 僧帽弁狭窄症
- リウマチ熱に伴い生じてくるケースがほとんど。
- 呼吸困難を初めとする心不全症状で顕在化する。
- ほとんどの患者に心房細動を合併する。
- 心エコーで診断確定。
- 弁口面積が1.2cm
以下の症例は手術適応。
- 感染性心内膜炎の予防が必要。
3.2.4.1 洞不全症候群
QRS間隔が突然あく状態。洞調律の患者なら3秒間、心房細動の患者なら5秒間の心停止期間があれば
ペースメーカー治療の適応になる。
3.2.4.2 MobitzI I 型房室ブロック
PQ間隔延長などの前触れなしに、突然QRSが脱落するもの。
見た目以上に危険な不整脈であり、ペースメーカー治療の適応になる。
3.2.4.3 QT延長症候群
失神を生じた患者では、ST変化や不整脈だけでなくQT時間にも注目する。
特に虚血性心疾患に合併したケースや、PVCが頻発しているケースにQT延長が合併すると危険である。原因として、虚血性心疾患や薬剤15、低Mg血症など。
3.2.4.4 Burugada症候群
図 5:
Burugada症候群。左3つはcoved 型、右はsaddle-back型という。
|
特徴的な心電図を生じる疾患で、失神や突然死のリスクが高いためICD植え込みの適応になる。
無症状の患者で、図5のような特徴的なV1の波形
を見た際は循環器コンサルトが必要になる。サンリズム負荷などを行い確定診断する。
p.
参照。
ページ参照。
- 肺塞栓のうち10%が失神を生じる。
- 肺塞栓の心電図を知っていないと、"主訴失神"では見逃すことがある。
- P.
参照。
- 失神回復後も30分ほど意識がぼんやりとしているのが特徴。
- けいれんは嫌気運動なので、代謝性アシドーシスを生じたり、CKの上昇を生じたりしている。
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admin
平成16年8月5日