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9 DCカルディオバージョン
心肺蘇生の手段がいろいろ開発されている現在であっても、適切なタイミングで行われる
DCカルディオバージョンは最も効果的で、また患者への侵襲も少ない治療手段である。
心肺蘇生のガイドラインでは、除細動が救命的な効果がある不整脈の患者29に対しては、可能な限り早く除細動を行うことを勧めている。
この理由としては、以下のようなことが挙げられている。
- Vf発症直後なら、除細動による救命率は90%程度と非常に高い
- 除細動が1分遅れるごとに救命率は7-10%ずつ低下していく
逆に、心室細動になってから4分間以上たった患者の場合、
3分以上の心臓マッサージを行ってから除細動を行ったほうが、
すぐに除細動を行うよりも成功率が高かった30という報告もある。
9.2 除細動のしかた
- パドルに電導ゼリーをつけた後、パドルを患者の胸に押し当てる。パドルの位置は、図15のように患者の心臓をはさむように当てる。
- 患者の不整脈に応じて、除細動のエネルギーレベル、同期をかけるかどうかを決める。成人では、心肺蘇生時には200、300、360Jのどれかしか用いない。
- 除細動器を充電する
- パドルの位置を確認し、大体10kg程度の力で患者の胸に押し当てる。こうすることで、パドルと皮膚との抵抗を下げることができる。
- "みんな離れて"と叫び、同時に患者周囲から他の人が離れたことを確認する。
- パドルの放電ボタンを左右同時に押し、除細動をかける。
- 患者の状態を見る。まだ波形が心室細動、あるいは心室頻拍であったならば、即座にエネルギーレベルを上げて再度除細動を行う。波形がはっきりしなかった場合は、まずは患者の脈拍を触れてみる。
図 15:
パドルの当てかたの例。心臓をパドルではさむように当てられれば、どんな格好でもよい。
図のような当てかた以外にも、前胸部と背中で当てる方法もある。その方がより効果的といわれている。
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心肺蘇生においては、除細動器のエネルギー設定は以下のとおり。
- 成人;200-300-360J。以降360J。
- 小児;2-4-4J/kg。以降4J/kg。
9.2.3 同期のモード
除細動器のモードについては同期モード、非同期モードの2種類があるが、
心室細動以外の不整脈では、心電図同期(QRSに合わせて通電)をかけた上で除細動を行う。
同期はR on TによるVT、VFの誘発を防ぐために必要となる。
しかし、心室細動の患者を同期モードで除細動しようとすると、どうやっても除細動がオンにならない。よく言われているミスではあるが、慌てているとやはりやってしまうので注意。
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admin
平成16年8月5日