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10 心肺蘇生

10.1 CPRの大まかな流れ

\includegraphics[width=.7\linewidth]{jawtrust.eps}

気道を確保する
アンビューバッグで人工換気を行う。

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\includegraphics[width=.9\linewidth]{cpr1.eps}

心臓マッサージを開始
  • 呼びかけに応答しない
  • 自発呼吸が無い
$\longrightarrow $心臓マッサージを開始する。

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\includegraphics[width=.9\linewidth]{hakei.eps}

モニター心電図をつける
  • \includegraphics[width=.9\linewidth]{vf.eps}

    心室細動なら、除細動
     
  • \includegraphics[width=.9\linewidth]{pea_.eps}

    PEA1あるいは心停止なら、挿管
     

1 無脈性電気活動

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\includegraphics[width=.9\linewidth]{dc.eps}

直流除細動
  • モニター上Vfのあったときのみ行う
  • 200J $ \Rightarrow $ 300J $ \Rightarrow $ 360Jと3回
  • 以後は薬物療法の後に360Jで繰り返す

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\includegraphics[width=.9\linewidth]{soukan.eps}

気管内挿管する
  • 必ず聴診以外の方法で気管に入っていることを確認する。
  • 気管内挿管が困難な症例では、他の方法1で気道確保を行い、心マの継続を優先する。
1 マスク保持を続けるか、コンビチューブなどを使う。

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\includegraphics[width=.9\linewidth]{pneumo.eps}

胸部単純写真をとる
  • 挿管チューブの位置を確認
  • 緊張性気胸 $\longrightarrow $脱気
  • CTR拡大 $\longrightarrow $心不全/心タンポナーデ

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点滴ラインを確保する
生食を全開で用いる。モニターの波型に応じて薬剤を開始する。

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\includegraphics[width=.8\linewidth]{ucg.eps}

エコーを行う。
  • 心のう水 $\longrightarrow $心タンポナーデ
  • 右室拡大 $\longrightarrow $肺塞栓
  • 左室内のもやもやエコー $\longrightarrow $かなり時間の立った心停止患者

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\includegraphics[width=.9\linewidth]{abgs.eps}

血液ガスと採血
  • アシドーシス $\longrightarrow $メイロン投与
  • 低酸素血症 $\longrightarrow $食道挿管
  • 高K血症 $\longrightarrow $メイロン投与

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薬物治療を考える
ボスミンの定期的な投与を続けつつ、次の薬剤を考慮する。

10.1.1 もっとも大事なのは心マ

Vfの患者を除細動できても、血圧が下がり冠循環が悪化すれば、結局心停止に戻ってしまう。 たとえモニター上正常波形が出ていても、拍動が触れないほど弱い脈拍であれば心マを継続する。

これで冠循環が回復させ、血圧が戻ってくることを期待する。


10.1.2 メイロン投与のしかた

その有効性についてはいまだに議論があるが、ACLS2000になっても生き残っている。以下の場合に有効と 考えられている。

以下の量で$ HCO_{3}^{-} $の必要量を計算し、点滴静注後に血ガスで確認する。

\begin{displaymath}HCO_{3}^{-} 不足分 = 0.25 \times 体重(Kg) \times (-base excess:BE) \end{displaymath}

10.1.3 蘇生をやめるタイミング

家族の雰囲気にもよるが、Vfならば30分から1時間、心停止ならば機械的に30分31でやめることが多い。若い人や、末期ガンの人などは、この限りではない。


10.2 ACLSガイドライン2000のフローチャート

病棟でCPRを行う場合、必ずしもこの流れのとおりに行うわけではありません。 CPR中に喧嘩をしても、迷惑するのは心臓の止まっている患者さんですので、 まずはリーダーの意見に従って速やかに行動してください。

図 16: 心肺蘇生の全体の流れ。フローチャートが複雑になっているが、要は評価をしながら心肺蘇生を続けましょう、ということ。

\includegraphics[width=.9\linewidth]{mega_acls.eps}

図 17: 心室細動の治療の流れ。薬剤の投与の順番が指定されなくなった。

\includegraphics[width=.9\linewidth]{vf_acls.eps}

図 18: PEAの治療の流れ。心臓マッサージとエピネフリン/硫アトで時間を稼いで原因疾患の発見/治療を行う。

\includegraphics[width=.9\linewidth]{pea_acls.eps}

図 19: 心停止状態の治療の流れ。プロトコールの中に"DNRの有無の確認"が追加されている。
\includegraphics[width=.9\linewidth]{asys_acls.eps}


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admin 平成16年8月5日