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6.6 高圧酸素治療

通常の呼吸療法とは全く意味合いが違うが、参考までに。

高圧の環境(通常は密封タンク内)で高濃度の酸素を吸入すると、血漿や組織の酸素濃度を著しく高めることができる。

これにより、全身・局所の低酸素状態の改善(脳梗塞や閉塞性動脈硬化症など)、誤って吸入された有毒ガスの洗い出し (ガス中毒)、体内で発生した有害ガスの排除(腸閉塞、空気塞栓症)が可能になる。

図 6.17: 1人用の、高圧酸素タンクの例

\includegraphics[width=.6\linewidth]{kouatsu.eps}
通常は、高圧酸素タンクの中に横になり、2気圧で約90分間、酸素を吸入する。

昔は世界的に流行し、中には巨大な施設も作られたが、今はだいぶすたれた。6.20

図 6.18: 地上3階建ての規模の、高圧酸素施設。

\includegraphics[width=.8\linewidth]{steeldome.eps}
図 6.19: 内部の様子。食堂もあり、普通の病棟とほとんど同じ環境だった。

\includegraphics[width=.8\linewidth]{steelball.eps}

教科書的な使い方とは別に、酸素の毒性を利用する形で、ガス壊疸の治療や敗血症の治療、手術後の創感染予防に 効果があった、などの報告もある。

いずれにしても、治療をするほうも、受けるほうも命がけ。最悪、生きながらにして火葬にされるのはごめんだ。


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admin 平成16年11月12日