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: 4.3 PaO2は臨床症状を反映しないことがある : 4. 動脈血酸素量の評価 : 4.1 息苦しさはPaO2に比例する   目次

4.2 胸水や気胸患者の息苦しさは、酸素濃度によらない

胸水の貯留した人や、気胸の患者では、血ガスが正常でも、呼吸苦を訴える。こうした人は、 原疾患を改善したり、胸水なら胸水を除去してやると、呼吸困難がなくなる。

これを説明する、もうひとつの息苦しさの機序といわれているのが、肺と肋間筋のストレッチレセプターである。

息を吸うとき、肺と胸郭筋は引き伸ばされる。このとき、両者の伸ばされ方に差があると、息切れを感じるという。 胸水の貯留した人や、気胸の人ではいくら息を吸っても、病側の肺が大きくならない。

図 4.2: 気胸の患者は、深呼吸をしても肺は拡がらない

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このとき、肺と肋間筋のストレッチレセプターが脳に違った大きさの信号を送るため、脳は"息苦しい"と解釈するという。 こうした患者は、胸水の除去や、気胸の解除を行ってやると、血液ガスは変わらなくても症状が改善する。


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admin 平成16年11月12日