胸水の貯留した人や、気胸の患者では、血ガスが正常でも、呼吸苦を訴える。こうした人は、 原疾患を改善したり、胸水なら胸水を除去してやると、呼吸困難がなくなる。
これを説明する、もうひとつの息苦しさの機序といわれているのが、肺と肋間筋のストレッチレセプターである。
息を吸うとき、肺と胸郭筋は引き伸ばされる。このとき、両者の伸ばされ方に差があると、息切れを感じるという。 胸水の貯留した人や、気胸の人ではいくら息を吸っても、病側の肺が大きくならない。
このとき、肺と肋間筋のストレッチレセプターが脳に違った大きさの信号を送るため、脳は"息苦しい"と解釈するという。 こうした患者は、胸水の除去や、気胸の解除を行ってやると、血液ガスは変わらなくても症状が改善する。