ホームページに戻る
: 4 血行動態に与える影響
: IABPに関する話題
: 2 IABPの適応疾患
目次
心筋は冠動脈からの血流で栄養されるが、心臓が収縮する関係上、血液は心臓の拡張期に流れる。
図 1:
心筋が収縮しているとき(上円)は血管はつぶれており血液は流れない。
心臓が拡張期に入ると(下円)血管も元の形に戻り、心筋に血液が流れる。
|
何らかの原因で心筋への血液供給が十分でなくなると、胸痛や血圧低下、
梗塞といった心筋虚血に伴うさまざまな症状が出現する。
これを解決するには、大きく3つの方法がある。
- 冠動脈に狭窄がある場合、それをもとに戻す。CABGやPTCAがこれにあたる。
- 脈拍数を下げること拡張時間は延長(図2)し、心筋血流は増える。
狭心症の遮断薬の効果はこれである。
- 拡張期血圧を上昇させればそのぶん冠動脈血流は増える。ただし、強心剤を用いると心筋酸素需要も増えてしまう。
図 2:
脈拍数に関係なく、心臓の収縮時間は大きな変化をしない。このため、心拍数が早い状態(下)に
比べて、心拍数が減少した状態(上)では拡張期の時間が増え、心筋への血液供給は増加する。
|
IABPは主に3番目の作用を利用して、心筋への血液供給を上昇させている。
血圧の上昇はバルーンによる機械的なものなので、血圧は上がるにもかかわらず、心筋酸素消費量は
むしろ低下する。
ホームページに戻る
: 4 血行動態に与える影響
: IABPに関する話題
: 2 IABPの適応疾患
目次
admin
平成17年3月19日