航空機パイロットの間では、飛行の難しい部分は副操縦士に任せ、機長はオブザーバーに徹したほうが、 逆に機長がすべてやるよりも、致命的なエラーが少ないことが分かっています。
実際に決断を下す人間よりも、エラー訂正役のほうが力関係が上になったほうが、チームとしてのミスは減少します。
医療の現場でも、ある程度訓練をつんだレジデントであれば、ちょっとした手技はレジデントにやらせたほうが、 上手くいくのかもしれません。少なくともこの理屈は、経験の浅い下級生に多くの手技を学んでもらう場合、 患者さんへの言い訳には便利です。
チームリーダークラスの人でないと、まったく歯が立たない医療の問題(難しい手術など)が多いのが、医療の業界でこれをやるのを 難しくしています。幸い、こうした難易度の高い手技は成功率も低く、めったなことでは、 マスコミが飛びつくような医療過誤にはなりません。