ホームページに戻る
: 8 V-V ECMOからの離脱
: V-V ECMO について
: 6 生じうる合併症
目次
V-V ECMO開始後は、血液検査データや血行動態パラメーターが以下の範囲を保つよう努力する。
- ヘモグロビン12以上
- 血小板数8万以上
- AST、ALT、LDHおよびビリルビンが正常値
- 体温正常
- APTT 50〜80秒
- SaO2 88〜90以上
- 平均動脈圧 70mmHg以上
- 中心静脈圧 10〜12mmHg
人工肺を回していると、溶血が徐々に進んでいく。全身への酸素の運搬を考えた場合、Hb12以上はなるべく保つ必要があり、
積極的な輸血16を考慮する。
また、肝酵素が急に上昇した場合、溶血を生じている可能性がある。送血、脱血カテーテルの位置の調節、酸素化を下げない範囲での
人工肺のフローの減量を考慮する必要がある。
- 胸部単純写真 1日1回
- 血液検査 1日1回
- 血液ガス 時間を決めて1日3〜4回
- 凝固検査 1日3回17
特にARDSの患者を管理するためにV-V ECMOを施行した場合、心機能が許す範囲で高めのPEEPをかけ、少ない1回換気量を
維持することで人工呼吸器による肺障害を避けるようにする。具体的な設定例は、以下のとおり。
- PEEP 10〜15cmH2O
- 換気回数 6〜8回/分
- 1回換気量 6ml/kg
- 最高気道内圧 30cmH2O以下
- FiO2 0.6以下
腸管の動きがあるならば経腸栄養を、そうでないなら経静脈栄養を可能な限り早く始める。
この際、供給する栄養の中に脂質を入れないように勧めている人もいる。
これは、おそらくは以下のような理由からであるが、
回路内に脂質輸液製剤を直接注入する18ようなまねさえしなければ、特に問題にはならないように思う。
- 現在の経静脈脂肪製剤は長鎖脂肪酸であり、代謝されるとロイコトリエンを産生し、肺血管抵抗が上昇する。
- 敗血症患者に脂肪乳剤を供給すると、炎症性サイトカイン濃度が上昇しうる。
ホームページに戻る
: 8 V-V ECMOからの離脱
: V-V ECMO について
: 6 生じうる合併症
目次
admin
平成16年11月12日