一見正常に見える患者の多くが、スパイロメトリーで測定すると重篤な状態であったり、 治療により患者の重篤さが減少しても、測定ではほとんど改善が見られない状態であったりしたことはけっしてまれではない。
FEV1.0と、ピークフローの両者は、スパイロメトリーによる気道閉塞の評価と同様に、 気道閉塞の重篤さとよく相関し、喘息の治療に対する効果の客観的な指標として用いることができる。
救急外来に来た喘息患者では、FEV1.0は通常、予測値の30〜80%程度に低下している。
NIHのガイドラインでは、中等度の喘息発作の定義として、FEV1.0が50〜80%、重篤な喘息発作の定義として、 FEV1.0が50%以下と定めている。
FEV1.0の測定は、患者の状態が以下の場合には不要である。
気道の閉塞が高度になるほどPaO2は低下するが、PaCO2が40mmHg以上に上昇してくるのは、 FEV1.0が25%以下に低下している可能性がある。