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1 喘息急性期の患者の検査

1.0.0.1 とりあえずピークフローは測る

喘息発作の重篤さと、臨床症状の重さとは、しばしば相関しないということは、古くから指摘されている。

一見正常に見える患者の多くが、スパイロメトリーで測定すると重篤な状態であったり、 治療により患者の重篤さが減少しても、測定ではほとんど改善が見られない状態であったりしたことはけっしてまれではない。

FEV1.0と、ピークフローの両者は、スパイロメトリーによる気道閉塞の評価と同様に、 気道閉塞の重篤さとよく相関し、喘息の治療に対する効果の客観的な指標として用いることができる。

救急外来に来た喘息患者では、FEV1.0は通常、予測値の30〜80%程度に低下している。

NIHのガイドラインでは、中等度の喘息発作の定義として、FEV1.0が50〜80%、重篤な喘息発作の定義として、 FEV1.0が50%以下と定めている。

FEV1.0の測定は、患者の状態が以下の場合には不要である。

1.0.0.2 血液ガス

患者の血液ガスは、中等度以下の発作であれば、PaO2は正常値、PaCO2はわずかに低下している。

気道の閉塞が高度になるほどPaO2は低下するが、PaCO2が40mmHg以上に上昇してくるのは、 FEV1.0が25%以下に低下している可能性がある。

1.0.0.3 胸部単純写真

胸部単純写真の施行は、喘息発作急性期の患者においては必要は無い。 しかし、心原性の喘息発作が疑われるケースや、気胸が考えられるケースなどでは役に立つかもしれない。


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admin 平成16年11月12日