正常では、0mmHgあるいは設定したPEEP圧から時間とともに圧が上昇、吸気末期でピーク圧になり、 呼気とともに圧力は低下。呼気終末には最初の圧と同じに戻る。
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呼吸の開始を患者自身が決定している場合、吸気の最初に気道内はわずかに陰圧になる。
この陰圧を感知して、人工呼吸器は換気の補助を開始する。
図1のAの波形は患者自身のトリガーで呼吸しており、Bの波形は完全な機械換気の波形である。
一方、Cの波形は陰圧部分が極端に大きい。これは、患者の自発呼吸を感知するトリガーの感度が低すぎる場合に見られる。
トリガー感度を上げたり、あるいはフロートリガーなどのより精密なトリガー形式に変更することで、患者の呼吸努力を 減らすことができる。
流量曲線のほうがより見やすいが、気道内圧曲線の立ち上がり方を見ても、患者がどんな呼吸管理を受けているのか 推定できる。図2の左側が従来型の人工換気、右側が気道内圧一定のPCVの波形であるが、以下のような違いが分かる。
患者の状態に対して1回換気量が多すぎた場合、肺は過剰に伸展される。
このとき、換気量がそれほど大きくならないのに、気道内圧が急速に上昇するのが観察できる。
図3のように、ピーク気道内圧の頂点が尖っている場合、1回換気量が多すぎる可能性がある。
喘息患者やARDSの患者など、気道の状態が悪い患者では吸気をいつまでも吐き出すことができず、気道内圧が測定値以上に 上昇してしまう。この状態をAUTO-PEEPというが、放置すると危険である。
気道内圧曲線や、気道内流速曲線を観察すると、解除されていないAUTO-PEEPを見つけることができる。
また、自発呼吸のない患者の場合は、患者の呼吸が終わった直後に呼吸器回路を閉鎖する(図5)と、 内因性PEEPの圧を測定することができる。