抗生物質による治療が確立したにもかかわらず、アメリカでは1年間の敗血症の発症患者数は75万人、 そのうち21万人が死亡する [#!Sepsis:13!#]とされている。
敗血症の定義の仕方にもよるが、敗血症の発症頻度はここ10年余りで増加している。 一方増減はあるものの、敗血症の死亡率はわずかずつ低下傾向にある [#!Sepsis:13!#](図1.1)。
この死亡率減少の原因としては、以下のようなものが考えられている。
しかしながら、これらによる死亡率の減少の幅はわずかで、十分とはいえない。 血管再開通療法の発見により、虚血性心疾患の死亡率は劇的に低下したした。敗血症治療においても、 抗生物質による治療以外に何か重要な治療が未発見のままになっている可能性がある。