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: 7.2 気道分泌物排出の異常 : 7. 非侵襲的な気道分泌物の管理 : 7. 非侵襲的な気道分泌物の管理   目次


7.1 正常な分泌物排出

正常な人の気道内分泌物の排除は

  1. 開存している気道
  2. 粘液と線毛の運動
  3. 効果的な咳
の、大きく3つの部分からなる。

大きな気道は軟骨を持ち、周囲の圧力変化に対しても潰れることなく咳による痰の排出を促す。 一方小さな気道は軟骨を持たないため、これらはその気道内圧で形を保ち、 分泌物の排出は、主に線毛運動の力により行なわれる。

7.1.0.1 末梢気道では線毛運動が主役

気道は、微少な部分から上気道に至るまで粘膜に覆われており、これらは線毛を含むゾル層と、 その上をおおうゲル層とからなる。このゲル層が線毛により動かされ、吸入された異物や細菌を体外に排出する。

粘膜運動による、この異物の排出作用は粘膜エスカレーターと呼ばれ、末梢気道ほどその作用が強い。 空気の動きはほとんどこの作用に関与せず、咳が主に空気圧を利用して、異物を排出するのと対照的である。

7.1.0.2 中枢気道は咳で異物を排出

効果的な咳は、主に3つの部分に分けられる。吸気期、空気圧縮期、呼出期の3つである。

まず吸気をすることで、肺の容積が増大する。その後喉頭が閉鎖し、呼気筋が急激に収縮する。

このため胸腔内圧は急激に上昇する。呼出期に入ると喉頭は開放され、胸腔内圧は大気圧と同じ値にまで下がり、 空気が呼出される。この時の空気のスピードは、実に音速の3/4にも達する。

この力は、単に分泌物を口のほうへ運び出すだけでなく、分泌物を気道から引き剥がすのにも役に立つ。

これら粘液エスカレーターの力と、咳の力とで痰は排出されるが、これらのバランスが崩れると、 分泌物排出の力は落ちてくる。


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admin 平成16年11月12日