ホームページに戻る
:
2 腹が痛い
:
消化器疾患
:
目次
目次
索引
1.0.0.1 吐血の原因疾患
1.1 とりあえずの対処
1.2 吐血を生じる疾患
1.2.1 Mallory-Weiss 症候群
1.2.1.1 治療
1.2.2 出血性消化管潰瘍
1.2.2.1 治療
1.2.2.2 除菌治療
1.2.3 食道静脈瘤破裂
1.2.3.1 治療
1 吐血した
1.0.0.1 吐血の原因疾患
消化管潰瘍がほとんど。
十二指腸潰瘍
24%
胃炎
24%
胃潰瘍
21%
静脈瘤破裂
10%
Mallory-Weiss症候群
7.2%
食道炎
6.3%
悪性腫瘍
2.9%
1.1 とりあえずの対処
バイタルを測る
臥位で脈拍が100/分以上
臥位で血圧が95mmHg以下
起座で脈拍が30以上増加するか、めまいがある
1
眼瞼結膜が白い
すぐ輸血を準備する。
1
起立性低血圧はあまり当てにならないといわれるようになった。
点滴ラインをとる
後から輸血をするかもしれないので、20G以上の太い点滴針で。 ラクテックや生食を全開で点滴開始。
採血する
CBC、生化、PT/APTT、肝炎マーカーとクロスマッチを。
BUNの上昇
消化管出血
PT/APTTに異常
食道静脈瘤破裂
肝炎マーカー陽性
肝硬変/食道静脈瘤
血液型、クロスマッチは必ず取っておく
胃洗浄を行う
温めた水を用い、
大体2000ml
行う。食道静脈瘤が疑われるケースであっても、 ていねいに行えば出血を助長することは無い。
緊急内視鏡を行う
ショックの患者の場合、落ち着くまでは救急外来から出してはいけない。 ショックが遷延しているなら、ポータブルのモニター、SpO2モニターも一緒に内視鏡室に持っていく。
1.2 吐血を生じる疾患
1.2.1 Mallory-Weiss 症候群
鮮紅色の吐血を生じる。
アルコール中毒、妊娠している患者に多い。
GIF上は食道に粘膜の裂傷を生じている。
1.2.1.1 治療
通常は投薬無しで経過観察。
出血のコントロールがつかない際は内視鏡的な止血を行うこともある。
1.2.2 出血性消化管潰瘍
上腹部不定愁訴は患者の90%近くに見られるが、非特異的
1
。
NSAID潰瘍の患者の60%近くは無症状。
急性期であっても、便潜血は1/3の患者で陽性になる。
1.2.2.1 治療
バイタルを安定させたらとりあえず緊急内視鏡で診断をつける。
露出血管を認める場合には内視鏡的処置
2
を行う。
H2受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬の静注
ガスター注(20mg) 1回20mg 1日2回 静注
オメプラール注(20mg) 1回20mg 1日2回静注
内視鏡まで時間がかかるなら、その間ソマトスタチンの静注
3
を考慮する。食道静脈瘤以外の出血でも再出血を予防する効果が確認されている。
1.2.2.2 除菌治療
特に十二指腸潰瘍の場合、H. pylori感染が原因の90-95%を占める。 除菌を行い、投与終了4週以降に除菌判定を行う。
タケプロン(30mg)2C/2X
サワシリン(250mg)6C/2X
クラリシッド(200mg)2T/2X
1.2.3 食道静脈瘤破裂
吐血を生じた患者で、肝硬変や肝不全の診断を受けたことがある
大量の吐血
来院時に腹水やクモ状血管腫、末梢の浮腫などを合併している
緊急内視鏡により確定診断
1.2.3.1 治療
まず輸液、輸血を行いショックの状態を安定させる。ショック状態のまま内視鏡室へ行ってはならない。
PT-INRが2を超える患者に対しては、FFP 20ml/kgの静注、その後6時間ごとに10ml/kgの静注を行い凝固因子を補充する。
すぐに内視鏡ができないなら、サンドスタチン50
gを静注後、25-50
g/hで持続静注。 同様にバソプレシン0.2U/minを持続静注することもある。
両方とも効果は一時的なもので、内視鏡やバルーンによる止血が必要。
緊急内視鏡を行い、食道静脈瘤結紮術などにより止血する。
来院時に難治性のショック、意識障害などを認める場合はS-B tubeで圧迫止血をはかる。
内視鏡治療後、アミノレバン点滴静注、ラクツロース内服といった肝不全に対する治療を並行して行う。
ホームページに戻る
:
2 腹が痛い
:
消化器疾患
:
目次
目次
索引
admin 平成16年12月9日