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: 2.7 めまい/ふらつき
: 2. 神経の問題
: 2.5 構語障害/構音障害
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2.6 力が入らない
2.6.1.1 ギランバレー症候群
- 上気道炎症状、下痢などの症状に続いて1-3週後に発症することが多いが原因不明の脱力を主訴に来院することも多い。
- 四肢の腱反射は低下。膀胱直腸障害を生じることもある。
- 腰椎穿刺を行い、髄液中の蛋白の増加、同時に単核球が10/mm
以下であることを証明する。
- 入院したら、神経伝達速度測定、抗ガングリオシド抗体2.15測定。
免疫グロブリン大量療法が中心。
- 免疫グロブリン製剤を0.4g/kg静注を5日間施行。
- ステロイドは効果がないとされる。
- 可能な施設なら、免疫吸着を考慮する。
- 呼吸筋の麻痺が来る。唾液の誤嚥が強くなったり、呼吸苦を訴えたり、SpO2の維持が困難になったら挿管を考慮。気道の保護ができないのでBiPAPは困難。
- 症状は大体3-4週間で回復に向かう。
2.6.1.2 ALS
- 嚥下障害に加え、四肢筋力の低下、線維束攣縮などを伴う。
- 深部腱反射は亢進し、バビンスキー陽性になる。
- 経過がはっきりしないことが多く、"難治性のCOPD"として治療されていることがある。
- 疑った場合、筋電図検査で確定診断。
2.6.1.3 重症筋無力症
- 眼瞼下垂と複視はほぼ必発。
- 夕方になると増悪する四肢脱力、呼吸筋麻痺。
- 胸腺腫の合併が多く、診断を疑ったら胸造影CTで確認する。
- テンシロン試験2.16陽性、筋電図検査で反復刺激に対する反応の減弱を生じる。
- 抗Achレセプター抗体が陽性になる。
胸腺摘出術とステロイドによる免疫抑制が基本。補助的に抗コリンエステラーゼ薬。呼吸筋抑制のため挿管を要する人も珍しくは無い。
- 抗コリンエステラーゼ薬としてメスチノン3T/3X内服、ワゴスチグミン1A筋注8時間ごとなど。
- 緊急時は吸着カラムによる免疫吸着を行う。
- 根治的には胸腺摘出術。
- 手術後プレドニンを10-20mg/日から開始し効果が得られるまで漸増する。
- ギランバレーと同様、悪化すると嚥下困難から誤嚥を生じて急変するので注意。
- アミノグリコシド系抗生物質は重症筋無力症を悪化させるので注意。
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admin
平成16年8月9日