肺癌、乳癌に脳転移がよくみられる。拍動性頭痛、けいれん、進行する意識障害など。
脊髄圧迫による腰痛・背部痛、神経根痛、対麻痺などは、骨転移を起こす癌(肺癌、乳癌、前立腺癌、腎癌、悪性リンパ腫)でみられる。
いずれの場合も診断がついたら、デキサメタゾンの静注の適応。
肺癌、悪性リンパ腫等の場合、上大静脈症候群が出現することがある。顔面、頚部の浮腫、表在血管拡張と呼吸困難で発症する。胸部XPで確認。
肺癌、悪性リンパ腫、胃癌、白血病等で心タンポナーデを生じることがある。胸痛、呼吸困難、脈圧低下、頚静脈怒張などから診断。
副腎不全と高カルシウム血症を忘れないこと。両方とも不定愁訴(悪心、嘔吐)、起立性低血圧、腹痛、食思不振などで発症する。
SIADHも、よくみられる。脱力、意識傷害。血清浸透圧の低下と、尿ナトリウムの上昇が見られる。肺癌、悪性リンパ腫等で生じる。
癌患者は細胞性免疫機能が低下している。このためリステリア、ノカルジア、マイコプラズマ、カリニといった細胞内寄生性の近に感染を生じやすい。これらに対しては、ST合剤がしばしば奏効する。
化学療法などで顆粒球減少を生じている患者さんの場合は、好気性のグラム陰性桿菌の感染の可能性が極めて高い。緑膿菌をカバーし得る抗生剤の選択が必要。
類粒球減少の患者では、肺炎があっても痰が作られない。症状も一切出ないことが多いので、発熱したら反射的に抗生剤を使用すること。