欧米でも本邦でも、安全な気管挿管の手技は必須になった。
現在の気管挿管は、挿管チューブの位置を胸部単純写真で行う。 これでは写真が出来上がってくるまで挿管チューブの位置確認が出来ず、正しい換気が行われている保障が得られるまで 時間がかかってしまう。
気管支鏡を用いた気管挿管は、
あらかじめ挿管チューブを通した気管支鏡を用い、経口、あるいは経鼻的にファイバーを気管内に挿入、 気管内にファイバーが入ったことを確認してから、今度はそれをガイドワイヤー代わりにして、挿管チューブを気管内に進める。
図2.15のように口から挿管する場合、よほど腰の強い気管支鏡でないと、図のとおりの挿管は出来ない。
挿管チューブが気管支鏡ごとたわんでしまって、咽頭後壁のあたりから、それ以上チューブを進めることが出来なくなってしまうことがある。
スムーズな挿管を行おうと思ったら、気管支鏡を用いて挿管を行う際にも、 肩枕を用いて、患者の頭を挿管しやすい位置に持っていく必要がある。場合によっては喉頭鏡を併用して、 口腔と喉頭とを「直線」に保つようにしないと、挿管チューブが入っていかないこともある。
経鼻挿管を行う際には、あらかじめ挿管チューブを鼻咽頭まで進めておく2.3ことで、比較的簡単にファイバー挿管ができる。
最近は気管挿管専用のファイバースコープも発売されており、30万円前後と値段も安価。