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: 2.7 挿管チューブの確認 : 2. 気管挿管の方法 : 2.5 その他小技   目次


2.6 気管支鏡を使った気管挿管

2.6.0.1 今後の主流になる可能性がある

欧米でも本邦でも、安全な気管挿管の手技は必須になった。

現在の気管挿管は、挿管チューブの位置を胸部単純写真で行う。 これでは写真が出来上がってくるまで挿管チューブの位置確認が出来ず、正しい換気が行われている保障が得られるまで 時間がかかってしまう。

気管支鏡を用いた気管挿管は、

といったメリットがあり、今後はこちらが主流になるのではないだろうか2.2

2.6.0.2 具体的な方法

あらかじめ挿管チューブを通した気管支鏡を用い、経口、あるいは経鼻的にファイバーを気管内に挿入、 気管内にファイバーが入ったことを確認してから、今度はそれをガイドワイヤー代わりにして、挿管チューブを気管内に進める。

図 2.15: 気管支鏡を経口的に挿入し(左)、それをガイドにして挿管(右)する。

\includegraphics[width=.8\linewidth]{fiber.eps}

2.6.0.2.1 意外にスムーズに行かないことがあるので注意

気管支鏡を用いた挿管は万能ではないし、常に喉頭鏡を手元においておかないと危ない。

2.15のように口から挿管する場合、よほど腰の強い気管支鏡でないと、図のとおりの挿管は出来ない。

挿管チューブが気管支鏡ごとたわんでしまって、咽頭後壁のあたりから、それ以上チューブを進めることが出来なくなってしまうことがある。

スムーズな挿管を行おうと思ったら、気管支鏡を用いて挿管を行う際にも、 肩枕を用いて、患者の頭を挿管しやすい位置に持っていく必要がある。場合によっては喉頭鏡を併用して、 口腔と喉頭とを「直線」に保つようにしないと、挿管チューブが入っていかないこともある。

経鼻挿管を行う際には、あらかじめ挿管チューブを鼻咽頭まで進めておく2.3ことで、比較的簡単にファイバー挿管ができる。

最近は気管挿管専用のファイバースコープも発売されており、30万円前後と値段も安価。

図 2.16: 気管挿管専用のファイバー。光源も内蔵しており、先端を右のように曲げることが可能になっている。

\includegraphics[width=.7\linewidth]{intufiber.eps}


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