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: 2.6 気管支鏡を使った気管挿管
: 2. 気管挿管の方法
: 2.4 口腔内の風景
目次
パッケージから出したばかりの挿管チューブは弓状に曲がっているけれど、
そのままだと曲がりが大きすぎて、口腔内での取り回しが悪い。スタイレットを使って、
図2.11のように先端だけ曲げるようにすると挿管しやすい。
図 2.11:
上側のように、スタイレットは先端部分のみ35度に曲げる
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普通に挿管できる人なら、そもそもスタイレットなしでも挿管はできる。
上手な麻酔科医は、スタイレットなど使わずに挿管する。
どうしても声門が見えてこない場合は、スタイレットをホッケースティックのように曲げ、
盲目的挿管を試みるとうまくいくことがある(図2.12)。
図 2.12:
挿管できない場合のスタイレットの曲げかた
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この方法はスタイレットを抜くときの抵抗が激しいので注意。挿管が成功したら、
挿管チューブを抜けないようにしっかり保持して、あとは力任せにスタイレットを引き抜いてくるのがコツ。
ガムエラスティックブジーというのは、長さ50cm ぐらいの、弾力のあるプラスチックの棒。
これを挿管チューブの中に通して、先に棒だけ挿管しておいて、挿管チューブをあとから進める。
図 2.13:
GEB。右側は挿管チューブに通したところ
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うちの施設には、全病棟にこれが置いてある。原始的な道具だけれど、安価で有効。
これを使って盲目的に挿管すると、声門に挿管チューブが引っかかってしまい、それ以上進まないことがある。
こんなときには、図2.14のように挿管チューブの先進部が当たっているので、挿管チューブを
反時計まわりに90度ひねってやると、挿管できる。
図 2.14:
挿管チューブを「まっすぐ」進めると、斜めに切り欠いた先進部が声門に引っかかる。右のように反時計周りに回転を加えるとうまく入る
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