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2.5 その他小技

2.5.0.1 スタイレットの曲げかた

パッケージから出したばかりの挿管チューブは弓状に曲がっているけれど、 そのままだと曲がりが大きすぎて、口腔内での取り回しが悪い。スタイレットを使って、 図2.11のように先端だけ曲げるようにすると挿管しやすい。

図 2.11: 上側のように、スタイレットは先端部分のみ35度に曲げる
\includegraphics[width=.6\linewidth]{straightshape.eps}

普通に挿管できる人なら、そもそもスタイレットなしでも挿管はできる。 上手な麻酔科医は、スタイレットなど使わずに挿管する。

どうしても声門が見えてこない場合は、スタイレットをホッケースティックのように曲げ、 盲目的挿管を試みるとうまくいくことがある(図2.12)。

図 2.12: 挿管できない場合のスタイレットの曲げかた
\includegraphics[width=.6\linewidth]{hockey.eps}

この方法はスタイレットを抜くときの抵抗が激しいので注意。挿管が成功したら、 挿管チューブを抜けないようにしっかり保持して、あとは力任せにスタイレットを引き抜いてくるのがコツ。

2.5.0.2 ガムエラスティックブジーを使った挿管

ガムエラスティックブジーというのは、長さ50cm ぐらいの、弾力のあるプラスチックの棒。 これを挿管チューブの中に通して、先に棒だけ挿管しておいて、挿管チューブをあとから進める。

図 2.13: GEB。右側は挿管チューブに通したところ
\includegraphics[width=.6\linewidth]{GEB.eps}

うちの施設には、全病棟にこれが置いてある。原始的な道具だけれど、安価で有効。

これを使って盲目的に挿管すると、声門に挿管チューブが引っかかってしまい、それ以上進まないことがある。 こんなときには、図2.14のように挿管チューブの先進部が当たっているので、挿管チューブを 反時計まわりに90度ひねってやると、挿管できる。

図 2.14: 挿管チューブを「まっすぐ」進めると、斜めに切り欠いた先進部が声門に引っかかる。右のように反時計周りに回転を加えるとうまく入る
\includegraphics[width=.6\linewidth]{geb_gap.eps}


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