"平常心"になっている人間は、ほとんどといっていいほどエラーを作りません。 医療過誤が問題になるケースでは、主治医に何らかの形でプレッシャーがかかっている事が多いものです。
個人のエラーを防ぐには、とにかく医師にかかるプレッシャーを減らすことにつきます。 具体的には、外来患者数の削減、患者との面談時間の制限、書類書き等の、不必要な業務の削減、 医師をいらつかせるコンピューターオーダーシステム導入などもってのほかです。
こうしたことは、現在の医師に求められている資質にことごとく反します。 医療行政の現場から求められている医師の資質は、 より多くの患者をさばき、より多く患者とコミュニケーションを取り、厚生労働省や保険組合との関係を良好に保つものです。
これだけ矛盾した要求を、個人の力で解決するのは無理です。でも、何人かのチームで問題にあたれば、 医療事故を減らすことが出来るかもしれません。
現代の医療の主流であるチーム医療は、安全性と効率とを両立しうる可能性を持っています。
一方、チームで患者さんを診ることは、一方でチーム自体による問題点を生じてしまっています。