IABPに関連した合併症は、血管性、非血管性の2種に分類できる。 1996年から2000年までIABPを挿入した17,000人の患者の調査では、合併症の発生率は7%だった。
その一方で、重篤な合併症(下肢の虚血、重篤な出血、バルーンの破裂、 IABP挿入に伴うトラブル、あるいは死亡)は、2.6%で生じた。
血管穿刺部位が、大腿動脈の分枝ではなく、本幹に挿入されることは重要である。
その枝のどちらも、IABPを挿入するのに十分な太さを持っておらず、 これらにIABPが挿入された場合、下肢の虚血が生じる可能性がある。
穿刺部位があまりに末梢側であった場合、IABP挿入側の虚血を生じる可能性があり、 IABPの抜去を行わざるを得ないことがある。
血管の解離も、よく見られる合併症である。この場合、血管内に入っていなくても、IABPは正常に動作しうるため、 注意が必要である。血管のエコーを行うことで、この合併症は発見することができる。
IABPには、他にも多くの合併症がある。
抗凝固療法は、コレステロール塞栓症の場合には、かえって予後を悪くする可能性があるともいわれている。
IABPの挿入期間が7日間以内であれば、敗血症の発症は比較的まれである。
こうしたバルーンに関するトラブルは、バルーン内圧の波型をモニターすることで、回路のガス漏れと回路のキンク に関しては、予測できる。
他の合併症として、血小板減少、溶血、脊髄乏血、内臓の乏血、ニューロパチーなどが報告されている。
下記要因は、合併症の増加と関係しているという。