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: 4 治療方針の決定に必要な検査項目 : 肺炎の治療 : 2 患者の分類   目次

3 入院の決断

患者を分類するには、まず、患者をどこで治療するのか、具体的には入院させるのかどうかを決めなくてはならない。

入院の判断を何で行うのかは難しいが、最近では肺炎の重症度を点数化する方法(Pneumonia Severity Index)が提案されている。 この点数を評価するには、患者の病歴、バイタル、血液ガスと胸部単純写真があれば可能となっている。 詳細な理学所見、患者喀痰の評価は、こうしたインデックスの評価項目には入っていない。


表: 肺炎の重症度スコア。点数が70以下は、軽症肺炎。90以下であれば、死亡率は1%以下と予想される。点数の合計が90以上であった場合、死亡率は9%を超え、入院を考慮する。
症状 点数
年令・病歴  
男性 年令のまま
女性 年令-10
老健施設に入所 +10
悪性腫瘍を持っている +30
肝疾患を持っている +20
心不全を持っている +10
脳梗塞を持っている +10
腎不全患者 +10
理学所見  
意識障害がある +20
呼吸数30回以上 +20
収縮期血圧90以下 +20
体温40度以上あるいは35度以下 +15
脈拍125以上 +10
検査所見  
pH7.35以下 +30
胸水貯留がある +20
Na130以下 +20
血糖250以上 +10
ヘマトクリット30以下 +10
PaO2 60mmHg以下 +10
胸水貯留 +10


ICUへの入院の決定は、以下のような場合に考慮する。

これらの項目のうち、2つを満たしていた場合にはICU管理を考慮する。

以上までの評価で、患者をどの場所で治療するべきかが決まる。これが決まってしまうと、 それぞれの患者グループごとに予想される起炎菌、それに対する抗生物質が機械的に決まってしまう。


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admin 平成16年11月12日