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4 結論

近年の脳梗塞治療、特に血栓溶解剤を初めとした血管再開通療法は、脳梗塞後の患者の機能予後と 残存した脳細胞の量とを同じ物として扱ってきた。

一方で、脳の可塑性に関する実験データは、残存する脳細胞の量と患者の機能的な予後とは 必ずしも一致しない、という結果も出している。大切なのは細胞の絶対量だけではなく、 残った細胞にどういったつながりを持たせるか、どういった機能を分担させるかなのではないだろうか。

手足の刺激、視覚刺激、薬物などを使って脳細胞の配列をより積極的に書き換えるという リハビリのアプローチはますます面白くなっている。

健側と麻痺側との神経細胞のバッティング、 中枢側と末梢側の制御の奪い合いの調節などはコンピューターのプログラミングそのものであると思う。

将来的には、機能MRIなどの画像所見をみて医師が脳梗塞患者の細胞配列の仕様書を作成、 それにあわせてPTやOTの人たちが視覚、聴覚、手足の運動などの刺激を通じて 脳を再構成(プログラミング)していくという図式が成り立つと面白い。


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admin 平成16年12月18日