2007.06.06
診断画像の読みかたについて
今の就職先での身分は「一般内科」だから、心臓だけというわけにもいかなくて。
悪性腫瘍の患者さんは外科の先生が診てくださるけれど、あとは脳梗塞とか肺炎とか、 腹痛精査とか、不明熱やら体重減少の精査やら。
CT スキャンとか自分で読まなくなって久しくて、今勉強やり直し中。
時間もないので日本語の教科書を10冊ぐらい適当に買いこんで。 片端から読んでいるのに、やっぱり実力なんてつかない。
脳の「帯域」が広い人
残念ながら、教科書を書いているのは専門の先生がた。
画像診断の専門家と、今さら画像を勉強し始めた10年目とでは、たぶん見えているものが全く違う。
教科書はどれも、病名ごとに画像が提示されていて、 添えられた写真には、「最初からそこに病変があったかのように」、矢印が添えられて。
虫垂炎の画像診断。
典型的な画像診断の教科書では、骨盤のCT 断面画像が提示されていて、 「こんなふうに変化を生じていたら虫垂炎と診断する」というコメントが書かれていたり、 虫垂炎の治療方針なんかが書かれていたり。
ところが一般内科が知りたいのはそんなことじゃなくて、 「莫大なCT画像の中から、そもそもどうやって病気を発見したのか?」という方法論。
当院のCT フィルムには、1枚あたり、断面画像が20枚。腹部CTなんかでは、 フィルムは4枚組みで出力されるから、読まなくてはならない画像は80枚近く。 どの断面一つとっても、単純写真以上の情報量があるから、処理するのはとても大変。
将棋の羽生名人は、盤面を暗記するのに4秒ぐらいしかかからないのだそうだ。
- 名人は、一目で盤面を全部暗記して、それから戦略を考える
- アマチュアの人達は、「一目」あたりの情報量がもっと少なくて、 盤面全体を把握するのに数分かかるし、そもそも「全てを把握する」ことが難しい
プロ棋士の人達はブロードバンド。盤面を「画像」としてダウンロードして、 あとは頭の中で戦略を練る。試行錯誤の速度が圧倒的に速いから、 アマチュアはやっぱり、プロには勝てない。
今売られている画像診断の教科書は、みんな「帯域幅が広い人」が書いていて、 ナローバンドの人間にはちょっと荷が重い。
帯域が狭い人達のやりかた
普通の人は、盤面を文章として把握する。 「盤面に残っている歩が○枚、一番左に飛車があって、 その下にまだ桂馬が残っていて…」みたいなやりかた。
これは面の情報を線として読むやりかた。幾何学の問題を解くとき、補助線を引くのと同じ。
数学オリンピックに出る子供とか、数学者になるような人達が幾何の問題を解くときは、 問題用紙が「きれい」なのだそうだ。彼らは補助線を引かない。
「補助線を引く」というのは、広すぎて把握できない幾何の問題を、 理解できる大きさに切り分ける行為。
数学が得意な人達は、イメージできる画像の量が莫大で、補助線無しで答えが出せたり、 あるいは頭の中で補助線を引いてしまうから、問題用紙を汚す必要がないのだという。
研修医の頃習ったのが、「国立がんセンター方式」の胸部単純写真の読みかた。 がんセンターの先生が本当にこんなことをやってるのかは知らない。
- 胸膜と縦隔の輪郭を指でなぞる
- 肋骨を1本ずつ指で押さえて、末梢まで追っていく
- 横隔膜のラインを追って、胸水の有無を検討する
- 肺門部から肺動脈を追って、縦隔リンパ節を見る
- ここまでやってから、はじめて肺野を検討する
まじめにやるとものすごく時間がかかる。これなんかもたぶん、 「ブロードバンドな人達」はワンアクションで済ませてしまうんだろう。
ナローバンドな医師にとって、「画像の読みかた」というのは、 帯域を上手に制限するやりかた。放射線診断の専門家が書いた教科書には、 こんなやりかたは、あんまり出てこない。
少ない帯域から多くを取り出す
交響楽団の人達は、音楽を聞くのにラジカセで十分なのだそうだ。
「オーディオ」という新興宗教に狂ってた頃、オーケストラに入っていた先輩がたは、 みんなラジカセ。楽譜を片手に「悪い音」を聞いて、頭の中でそれを補間する。
楽器の音が日常になっている人達にとっては、楽器の揃いかたとか音の強弱、 指揮の振りかたさえ分かれば、あとは楽譜を見れば、音を作れるらしい。
プロの演奏家でも、絶対音感を持っている人は、案外少ない。
絶対音感を持っている人は、そうでない人に比べて「帯域が広い」のだろうけれど、 プロは帯域の狭さを経験で補間する。
無圧縮の動画をネット配信するのは重いけれど、flash アニメなんかは、 驚くほど少ない容量で、多くの情報を送信できる。発信側と受信側、 知識として共有できる情報量が十分に多いなら、 あるいは帯域の狭さを克服できるのかもしれない。
自分達の業界でいくならば、患者さんの症状とか、解剖学の知識とか。
外科の先生なんかは、腹腔内を「膜の集合」として本能で理解していて、 炎症が波及する向きとか、ヘルニアの入り方とか、画像を読むというよりは、 手術の知識で確率論的に予測しているときがある。
誤り訂正符号で帯域を生かす
ナイキスト・レートのいっぱいまで頑張ったところで、 しょせんは雑音だらけのナローバンド脳。
速く読んだらミスも増えるし、「全部」が一度に見えるわけじゃないから、 読影の真実性を保証できないし。
クロード・シャノンはノイズ脳の味方。誤り訂正の概念を作った数学者。
ノイズが乗っかった通信で正しい情報を送るには、 情報と一緒に「誤り訂正符号」を送ることで、情報の真実性を担保できる。 画像の読影も同じ。
やっぱり研修医の頃に習ったのが、「聖路加国際病院方式」の胸部側面画像の読みかた。 自分のいた病院は、こんなのばっかり。
- まず何となく読む
- 心臓の上方に「黒い扇型」を確認する。ここには何もない
- 脊髄を上からたどって、それが白=>黒のグラデーションになっていることを確認する。上の脊椎は、 下の脊椎に比べると絶対に「白い」
- 心臓の背中側に、「黒い三角形」を確認する。ここにも何もない
- 全てが正しければ、この胸部側面写真は「正常」と読んでよい
- どこかに異常があれば、その領域に病変がある
聖路加方式は、「読む」という概念もなければ、解剖の知識も必要ない。 その代わり、比較的シンプルなやりかたで「正しい」を定義していて、 読みかたについては規則を作らない。
とてもいいやりかただと思うんだけれど、習ったのは胸部側面写真だけ。 聖路加本拠地には、きっと頭部単純写真編とか、腹部正面写真編とか、いろいろあるんだろう。
ナローな脳でCT を読む
単純写真ならまだ何とかなった読影も、CT とかMRI とか、「ブロードバンド」の時代になって、 自分の脳なんてもう限界。
今までの棲家だった循環器内科は、心電図とか血管造影とか。 シングルタスクのナローバンド世界。
久しぶりに一般内科に戻ってみれば、時代はもうブロードバンド。今さら頭の帯域広げようったって無理。
CT の本でも、例えばありがたいのはこんなやりかた。
- 上行結腸を骨盤側にたどれば必ず虫垂が見つかる
- 鼠径靭帯のスライスを見れば、動脈と静脈が絶対並んで走行しているから、血管はそこからたどる
- 腹部CT で、腸管膜脂肪が白黒入り混じっている像があったら、その近くに炎症がある
1 万円近くする本買って、「当たり」を1 行引ける本が、2冊に1冊。もう涙目。
誰か「馬鹿でも分かるCTスキャン」書いてくれませんか…?
こんばんは。64列MDCT以後の時代になると、スライス厚が無茶苦茶薄くなり枚数は無茶苦茶増えて放射線科ドクターも大変だそうです。 もはや80枚ごときの焼いた写真では読影できず、ワークステーションがないとちゃんと読影できないとか。真ん中ボタンのコロコロスクロールですめばまだしも、連続的静止画を繋げて動画にして読むとか??(ガクガクではなく、スムースな動画になるのがすごいです。)
Posted at 2007.06.7 12:01 AM by 匿名
馬鹿でも分かるCTスキャン。。。たぶん誰でも簡単に
コツはCTを二次元画像だと思わないこと。
CTの画面一つには沢山の情報が詰まりすぎ。 特に素人さんは、CTをザクッと見て判断しようとし過ぎ(笑)
玄人になると逆に、一つ一つを追いかけて行きます 腹部なら肝臓は?胆嚢は?総胆管は?膵は?脾は?副腎は?腎は?尿管は?脈管は?リンパ節は?腸管は?骨盤臓器は? 次々に一つづつクリアーして、次に忘れずに骨は?脊椎管は?腹壁は?とやる訳です。 (この間、十数秒・・・・笑。5回位、同じことをして所見へ) 胸部CTなら甲状腺、乳房、腋窩も忘れずに読むのがプロです
一つ一つの臓器を追いかけるのに良い教科書と言えば、解剖の本ですよね。
正常=全く異常がない(=どの一つも異常でない) Normal = No Abnormality
ということですから、見えるはずのものを一つ一つ潰して行くしか方法はないのですよ。 外来診療で画像診断を直接行うことのリスクがここにあります 潰しきれなくて、パッと見える所見だけで安心してしまう…
因みにエコーも二次元画像と思わずに点で読むことを後輩には指導しています。
CTなんて、大したartifactもないので、見たままです。 所見さえ拾えれば、後はゆっくり教科書広げて考えれば良いのです。見逃しさえなければ、だいたい正解に辿り付けます もちろん、CTでの正解とは画像診断の不確実性を含んだ正解で、病理・解剖の正解を必ずしも意味しません。 今のCTで確定的に言える範囲を知るのが、経験かもしれませんね。
虫垂や、○○動脈を●●静脈、◎◎リンパ節を探すのに、最初からCTを見ずに、解剖学のカラー・アトラス見ることをお勧めします。 虫垂を捜すのに大動脈から追ったりしませんよね。
これはできれば急性腹症の開腹手術や剖検を見せてもらったら永久に頭に残ります。 きれいな組織と、炎症でひどい組織とが肉眼で鑑別できます。
同じことが肝腫瘍でも、HCCと転移癌は、割面で区別できます
CTって、マクロ病理、解剖と同じなんですよ。
もう一つ、指摘しておきたい誤解があるとすると、単純XpはCTより格段に読影が難しいということ。 いつも先生が言っておられる身体所見を取れるベテラン vs 検査に頼る研修医と同じ理屈です。
胸部CTで左房、右房、Coronary Sinus等がすらっとチェックでき、冠動脈3枝の石灰化に目が留まり、気管支を右B1~B10、左B1+2~B10まで何となく全てチェックする習慣が付くまで、単純Xpは難しい限りです。
CTはXpと違って重なりがありません。 あるものはある。ないものはない。と大きさだけで言い切ることができます。 沢山のXpで3cmの肺ガンを見落とさないかと言われると自信がありませんが、CTだと3cmの肺ガンを見落とす方がどうかしています
どこまでが断言できて、どこからは断言できないのかが、分かるようになってくると、 初心者脱却です。
今では、解剖の本しか殆ど手にすることはないです。 未だに、何とか筋とかは、アトラスを手にしないと不正確です(笑)
ちなみに時間が余り無くて、ほとんど大丈夫と言うときは、筋肉、皮下脂肪織はさらっと流して、 No Apparent Abnormality と返答しちゃいます(笑)
速く読むには、読む単位を小さくして、読む順番を予め決めて、寄り道しないことも一つの工夫です。
是非、後輩を放射線科に譲ってやってください。 人材募集中です!(ハぁと)
長くなりますが、64列CTで放射線診断医が困っていることは、スライス厚が細かくなったからではありません。 Scan範囲が広くなったためです。 理由はさっきから述べたとおり、異常なしというためには全てのチェックポイントを通らねばなりません。 検査時間が半分になって、読影範囲が倍になれば、単純計算で検査量は4倍になります。 検査が高度化されるほど放射線科医が潰される理由がここにあります。
またまたついでになりますが、クルクル診断では、CT画像を読むのに胸部で肺野条件、縦隔条件、骨条件の最低3つ、腹部では、脂肪条件、カリカリ条件を加えて変えて読んでます。 (Function Keyで切り替えて、瞬間移動できます) フィルム診断では、放射線科医とClientの情報量は同じですが、クルクル診断では情報量が数倍違ってます。 各画像の大きさも、モニター一杯に拡大してクルクルです 撮像範囲さえ狭ければ、フィルムより読影時間は短く、正確で、連続性に悩むこともありまぜん。 64列クラスになると、Sagittal,Coronal、Axial、Oblique見やすい画面での確認も放射線科内部ではやっています。
縁の下の力持ちと呼んでやると、放射線科医は皆喜びます。 上手に使ってやってください。
Posted at 2007.06.7 2:05 AM by Rad_Onc
皆様コメントありがとうございます。
Posted at 2007.06.7 1:06 PM by medtoolz
将棋の私の例ですが、中盤の良くある戦形からの変化形の場合は比較的速く読めますね。
これは自分の覚えてる局面からこの部分とこの部分が違う。 と言う風に覚えることが出来るから。 羽生名人も無茶苦茶に駒を置いただけの盤面なら瞬間記憶はできない…と思う、たぶん。
なんか製品の外観検査を思い出す、あれもきついです。 何がきついってほとんどが良品なので頭が流してしまいそうになるんですよ。 でもベテランさんは良品の山の中から突然「ピタッ!」と怪しい物の所で止まるからすごい。真似できませんでした。
Posted at 2007.06.7 2:41 PM by mastacos
脳PETに関わっている自分が通りますよ…
曼荼羅画像とか画像がシャープじゃないとか言うなよ。 ・゜・(ノД`;)・゜・
Posted at 2007.06.7 7:47 PM by m
はじめまして.色々な分野の話と関連させた話題の語りにいつも感心しております. 情報の取り入れ方や解釈の仕方と言う観点では,羽生さん他のプロ棋士は一目で「暗記」はしていないようです.ラジカセで十分な音楽家の例と同様,ナローバンドの情報から補完,再現が可能なのではないかと思います.ランダムな局面,つまり対局ではありえないような駒の配置ではプロ棋士の記憶力は初心者と大して違いがないという実験結果が同時に行なわれています.(海外ではチェスでも同じような結果が報告されています)
Posted at 2007.06.8 12:21 AM by YAO
Posted at 2007.06.8 8:05 AM by medtoolz
「ヒカルの碁」の中で搭矢アキラが下級生と目隠し碁をするシーンがあるのですが、うまいひとにはあっさり勝つのに初心者(ヘボ)とすると盤面が読めなくなって苦戦していました。
あくまで私(ヘボの)の例ですが頭の中に将棋盤の初期配置があって、そこから指手をずっと進めていく感じです。 で、よくある戦形だとその場面からの手数で済むので楽なんです。
中盤くらいまでなら目隠しでも結構出来る人いると思いますよ。
話は変わりますが現在将棋ソフトで最強はBonanzaと言われています。(フリーソフトです) これは今までのソフトが人間の思考パターンを再現しようとしていたのに対して、現在の盤面で指せる手全てに対し、計算させて指し手を決めるようになっています。 また過去の超膨大な戦形データが使えるようになっています。 PCのマシンパワーを利用した力技ですが逆にそうすることで人間の指し手に近くなったそうです。 このソフトの作者は超初心者だそうですが逆にそれで新しい発想が出来たのでしょう。
MRIの自動識別ソフトも同じように全く違う視点からマシンパワーを利用した方法が必要なのでしょうね。
Posted at 2007.06.8 11:19 AM by mastacos
これ、deep Blue と対戦したカスパロフも同じようなコメント出してましたが、面白いですよね。 人間の考えかたをなぞった戦略ではいつまで経ってもAIができてこないのに、単なるデータの 集積の先には人間みたいな「何か」が出来上がってくるという。
Posted at 2007.06.10 5:05 PM by medtoolz
人間のしていることを大量に集めたら そりゃ、人間に近づくのでは? と単純に思ってしまう。 なんだか攻殻の人形遣いみたいだ
Posted at 2007.06.10 8:43 PM by hal
それでも実際問題、人間みたいな機械を作ろうとして、2007年の現在になっても、 いまだに「HAL」は誕生していないわけで。 従来型のアプローチがうまくいっていない横で、そもそも人工知能なんて全く目指して いない、どちらかというとデータベースソフトに近いものに知性を見出す人がいるのは、 面白いと思いませんか?
Posted at 2007.06.11 12:22 AM by medtoolz
羽生名人は3秒で盤面を画像として記憶… いわゆるカメラアイというやつらしいです。 詳細は以下です。
http://www.1101.com/kasoken/2003-07-18.html
Posted at 2007.06.16 11:43 PM by はおはお
Posted at 2007.06.17 5:43 PM by medtoolz
半年以上も時間が経過しており、申し訳ございません。胸写側面像の聖路加方式は目からウロコでした。早速試してみたのですが、ナローな私には非常に有用でした。ありがとうございます。
私は、胸写正面像は佐藤雅史先生の「小三J」読影法で行っています。視線を「小=気管→両肺尖部」、「三=上肺野→中肺野および肺門→下肺野」、「J=上縦隔→下行大動脈→左横隔膜に重なる肺野→同右側」の三文字を書くようになぞり、一枚10秒で読むという方法です。教科書もDVD(ケアネット)も販売されています。ナローなわたしにはとってもありがたいです。胸写で名著とされている日本医師会「ABC」シリーズもナローな私には読破できませんでした。私の本棚にはこのような胸写の教科書が20冊近くありますが、唯一の例外は「フェルソン 読める!胸部X線写真」です(ふざけた名前ですが、内容は素晴らしい。学生時代に会いたかった本です)。残念ながらわが国の教科書よりもアメリカもののほうがナローな初学者向けのような気がします。
CTでお勧めしたいのは荒木力先生の「腹部CT診断120ステップ」です。画像診断の思考過程に踏み込んだ本で、内科医にはほとんど知られていませんが放射線科医には必読の入門書だそうです。私も内科医ですが読破は相当骨が折れました。しかし「形態から病気の本質に迫ろう」とか「診断の思考過程を初学者にわかりやすく教えよう」といった筆者のポリシーをひしひしと感じ、内科診断学の勉強にもなります。章末に金言がステップ1、2、・・・、120とまとめられており、これを読むだけでも相当為になります。「右副腎はおたまじゃくしの尾、左は矢頭」、私はこの本のおかげでCT上副腎が必ず見えることを知りました。荒木先生の教科書で内科医へのお勧めは他に「これで納得レジデントのためのCT診断」(私が勤務している大学の学生も持っていました)、「ここまでわかる急性腹症のCT」の二つ。
遺憾ながら内科系和書で診断の思考過程に踏み込んだ教科書を見たことがありません。唯一の例外は三森先生の「膠原病診療ノート」でしょうか。「現場で方針の分かれ道になるような違いは、技芸一般がそうであるようにしばしば細部にある」というまえがきの言葉は相当考えさせられました。
ところで、画像で「一つ一つ臓器を追いかけて行く」というのは、内科診断においても共通の思考過程と思います。「身体所見は頭のてっぺんから足の先まで」、わかってはいるのですがなかなか毎回はできません。学問に王道なし、という言葉を言い換えると、何事も基本が大事、ということなのかもしれません。
Posted at 2007.11.3 12:16 AM by KOD
ありがとうございます。
膠原病診療ノートは本当に名著ですよね。あれだけの分量を一人で書いて、教科書に 「私の経験からこう考える」を書ける勇気を持った人は、実際問題少ないですし。 無難な教科書というのは、無難ではあってもそこから何かを得ることは少なくて、貴重ですよね。
Posted at 2007.11.3 11:19 AM by medtoolz