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2007.01.08

天秤の反対側に企業が乗る日

今年は皮膚科大人気。某大学の皮膚科医局には30人以上の入局希望が殺到して、 半分近くを断ったとか。景気のいい話。

内科は悲惨。外科はもっと悲惨。

大学院生とか、定期的な収入のない医師は、当直のアルバイトをして収入を得る。 割りのいいアルバイトは取りあいになったりしたものだけれど、今は逆。

大学に人がいなくなってしまって、それでもOBが作った病院とか、断るわけにはいかない 「アルバイト」だけが残って、みんな「お金はいらないから寝かせて下さい…」と 悲鳴をあげる毎日。

医局サイドもいろいろ考えてはいるみたいだけれど、名案なんかない。

忙しいこと、リスクが高いこと、 眠れないことそれ自体がメジャー科の「売り」だったんだから、 いまさらそれに人気がなくなったからといって、捨てるわけにはいかない。

新卒の医学生は、自分の進路を天秤にかける。

  • 臨床と研究
  • やりがいと自分の時間
  • 大学病院と市中病院

いろんな選択。「大学の内科」がぶら下がる天秤の、反対側にぶら下がる相手もいろいろ。

今のところ、天秤は反対側に傾きっぱなし。内科や外科は、天秤からずり落ちる寸前。 産科や小児科は、もはや天秤に乗っかる以前の問題。

いろんな相手。まだまだ少ないけれど、天秤棒をへし折るぐらいに 破壊的な力を持っているのが、「白衣を着ない医者」という選択肢。

白衣を着ない医者

昔は厚生労働省の医系技官。

基礎だろうが臨床だろうが、どの科に進んでも「白衣を着る」という言いかたをしたものだけれど、 唯一の例外が官僚になる道だった。

この方向に進むのは、本当に数年に一人。臨床はやらないで、医療行政にかかわる仕事。 病院に進む進路と、厚生省に入るのと、 両方を経験した人なんていないから、その分野が果たして「いい」のかなんて、誰にも分からない。

最近話題になっているのが、民間企業やマスコミ方面への就職。

いわゆる「大手企業」の中のいくつかは「医師枠」というのを設定していて、 医学部を出た新卒が、他の学部の新卒と一緒に就職するらしい。医師免許を持っていると、 他の学部に比べて就職が有利だったり、一般企業の中でもいろいろ便利なときがあるのだとか。

医学部を出たのに病院に就職しないで、一般企業に就職する

自分達の世代の感覚ではありえないし、今の世代の人達に聞いても「都市伝説では?」というぐらいに 少数派らしいけれど、こういう人がわずかずつ出てきているらしい。で、この分野に進む人が これから増えて、医学部の中でも優秀どころがこちらに動くと、たぶんすごいことになる。

そもそも研究は趣味

もともとが、研究職なんて趣味人の遊びみたいなものだった。

寺田寅彦あたりが現役だったときの「教授」なんて、自宅に弟子を何人も住ませていたり、 ポケットマネーで誰かを留学させてみたり、もともとが大金持ちの人ばかり。

林望のエッセイにも出てきたけれど、大学教授がスーツを作るときは、銀座の「英国屋」が定番。 一着30万円近く。こんなのを年に何着か新調するのが昔は当たり前だったとか。

自分が小学生だった頃の年始回りもそんなかんじ。

当時はまだ、父親みたいな「普通の人」が研究方面に進むのは例外中の例外。

うちは2間のアパートだったけれど、年始回り先は、どこも東京の真ん中、 「屋敷」といったほうがいいぐらいの大きな家ばかり。 やたらと毛足の長い絨毯とか、ジャングルみたいに大きな木の生えた庭の真ん中に、 巨大な池があったりとか、そんな断片を覚えている。

最近のオーバードクターの問題とか、ポスドクの問題とか、本当に深刻だけれど、 日本ではそもそも「研究で食べていく」ことなんて想定されていなかったんじゃないかとも思う。

優秀な人は実業を目指す

アカデミックポストの暮しむきは相当に悪い。

うちの実家は、その地区半分ぐらいが「元○○大学教授」の地域で、 地域のの平均学歴みたいな統計を取ったらすごいことになるんじゃないかと思うけれど、 これも土地が安くて、みんなそこしか買えなかったから。今はよくなったけれど、 昔は台風がくるたびに地域が水没したりして、大変だった。

研究職についても経済的には幸福になれないのは、洋の東西を通じて同じ。 数学とか、物理の研究者の人も、3年ごとにポスドクの仕事を転々として、 成果を出せなければ「次」がない世界。

貧すれば貪す。論文データを捏造してみたり、基礎系の成果の「産学共同プロジェクト」の産物が、 「○大の先生ご推薦の健康ドリンク」だったり、なんだかグダグダ。

アカデミズムの世界が苦しい一方で、「実業」の世界は華やか。 優秀な人達は、最近は金融方面に進出したり、google みたいな新興企業に応募してみたり、 流れが変わってきているらしい。

医学部だって一応理系の端っこだし、 東大や慶應、京都大学あたりの医学部生は超絶に頭いい人ばっかりだから、 こんな流れがきたっておかしくないはず。

「外」を伝える大人の存在

自分達の学年にも10人ぐらいいた、「大人」の人達。

外の企業を出てきたり、薬学部を卒業してから医学部に入りなおしたり。

学部卒の人達というのは経験があって、時間の大切さを知っていて、 新卒の連中が馬鹿をやるのを生暖かく見守る、そんな存在。

高校を出て医学部経由で病院に入ってしまうと、他の人達がどんな働きかたをしているのかとか、 「外」の話なんか全く聞こえない。大人達からいろんな話を聞いたり、彼らが「やっぱり臨床をしたくて」 みたいなことを言うのを聞いて、「やっぱり俺ら、正しいんだ」なんて安心したり。

自分達の世代の「大人」というのは、白衣を着て病院に就職する流れを補強する存在だった。

でも、もっといろんな大人がいてもいいはず。

たとえば一般企業に就職して、 「ここで医師免許があれば、わざわざ医者に頭下げたりしなくても簡単なんだけど」 なんていう場面が何回かあったとして。

海外留学してMBA を取る企業人が増えているけれど、あんなのを受験するぐらいの実力があれば、 同じ4年間で医師免許を取るのだって不可能ではないはず。

企業側にそうした需要があって、「医師免許を取る」のがゴールではなくて、 それを単なる通過点としか思っていない「大人」がどこかの医学部にいて、 その人が新卒に対して「外」を語ったら、我々の世代とは相当異なった印象を受けるだろう。

  • 厳しいけれど華やかそうな、外の世界。同級生にそれを体験してきた人がいる
  • 厳しい上に危なそうな、病院世界。ネットの情報は悲惨だし、上級生はみんな疲労困憊

こんな「天秤」を想定している医学生がどこかにいて、そのうち優秀どころが研究職じゃなくて、 企業への就職を考えるようになったりしたら、相当おもしろいことになる。

レッドオーシャンに残されるもの

優秀な人たちがタコツボ化した業界内での苛酷な競争を放り投げて、競争相手のいない 「ブルーオーシャン」に乗り出していった後は悲惨だ。

ブルーオーシャン戦略のひどいところは、成功した「ブルー」側がもてはやされる影で、 苦労しまくっていた「レッド」側が笑いものになってしまうところ。 最近だと、任天堂にこれを仕掛けられたソニーとか、ソニーとか、ソニーとか。

進路の天秤に乗っかる相手に「外の企業」という選択肢が当たり前になる日がくると、 今まで大学でがんばってきた人達の立場が無くなる。

  • 優秀な人は、企業で全然違う仕事についたり、「マネージャー」として現場に戻ってきたり
  • 「医療界で競争する」というのは、しょせんはトップになれなかった人達の小さな世界での競争

医師を取り巻く世界観がこんなふうに変化すると、たぶん現場の医師の心は折れる。

医師免許というのは、企業から見れば「30兆円市場に参入するためのパスポート」みたいな ものだから、たぶんそれなりに使いようはあって、「使いこなし」の競争を仕掛けられたら、 しょせんは中小企業の集まりにしか過ぎない病院なんて、絶対勝てない。田舎の商店街が、 ダイエーやジャスコと競争するようなもの。

「ブルーオーシャン戦略」の怖いところは、旧来の「レッド」側にできることがほとんど無いこと。

「企業に就職する医師」というのが選択肢として考えられるようになって、 いろんな企業が本格的にこの業界に参入するようになって、伝統的な病院は「グループ」として 企業に買い上げられて、「社員」となった医師が、企業主導で地域に再配置される。

こんな未来図を考えている個人とか、大企業が世界のどこかにあったとして、 それに対して自分達の世代ができることはほとんどない。

今の医療界はそれはそれで、お互いの競争に必死。法律に追いつかないと 病院潰れるし、勉強しないと取り残される。

「医者らしく生きたい」とか「白衣を着る夢を実現したい」とか、そういう感覚が当然なんじゃなくて、 それを「馬鹿じゃないの?」と言い切る感覚。それは自分達の世代からみると 明らかにずるくて不都合で悪いことだけれど、今はそんな感覚の方が「古い」といわれる。

「企業に就職する医師」の夢は、若い人達の独壇場。

あとは「向こう側」に移るために必要な資質と、「パイの大きさ」の査定。

未知の大陸が測量されて地図ができて、そこで生きていくための知恵が蓄積されてしまえば、 そこはもはや新大陸なんかじゃなくて単なる新興住宅地。お金のない、優秀な人たちは 嫌でもそこに殺到する。

最初のうちは、毎年のように水没したりするだろうけれど。

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Comment & Trackback

昔から農学部あたりでは文系就職は普通にあったわけで、それが医学部にも波及してきたんでしょうか。医師不足のご時勢に困った話ですね。

また医師免許があれば、いつでもこっちに戻ってこられるから、向こう側に挑戦してみたくもなるでしょう。

こういう人たちに対抗するには、バカ呼ばわりされても、己の専門性を高めるか流動性を高めるかしかないと思います。

私個人といたしましては、今年が厚労省医系技官はラストチャンスなので悩んでいるところであります。

時々ROMさせていただいています。有難うございます。 消火器外科医さまにならいますと、私個人といたしましては、専門医(とできれば博士号)を取得したあとで、MBAも視野に入れつつ民間企業での研鑽を考えねばならないかと悩んでいるところであります。 理由の一つは勤務医、開業医とも、楽しい未来ではなさそうである、という気分であり、もう一つは、システムそのものを変えることに携わる方が、医療界そのものに貢献できるのではないかという希望からです。 難しい問題は色々ありますが・・・

新卒1年目です。 医師国家試験、医師メン取得は単なる通過点に過ぎなく、 その先に一般企業を選ぶ人は実際に出てきています。 頭のいい、先見のの目のある人です。もしかして彼のような人間の独断場となる世界が開けるかもしれません。

僕は医者が到底向いているとは言えませんが、僕は医者を選びます。職業としての医者はこれからいい方向へ向かうか甚だ疑問ですが、「地域に貢献する」「職人のような」職業はなんだかんだいっても一生楽しむことは出来そうな気がするからです。

医者の仕事は、宮大工の西岡氏の言葉のような「一生かけてやっと一つの作品が完成するような」仕事の一つだと考えている僕はまだ現実が見えていないのでしょうか?

何の薬だったか忘れましたが、オーストラリアで、その副作用を告発する側にいたリーダー的な医者が、その薬のメーカーの副社長に華麗に?転進しましたね、その昔。 これまでの日本だとひんしゅくを買いそうな行動が、どんどんOKになっていくことでしょう。 しかし、MDを持ってることの、一般企業でのメリットっていうのは、意外とない。 最大のメリットは、病院クリニックの開設管理者になれることかなあ。・・あまり使えない。だから、MD持ってるから特に高給優遇してもらえる、ってことは無いと思う。 それよりも、優秀な人が医者をやりながら、サイドビジネスみたいにまったく別のことを起業して発展させていく、っていうのは多くなるんじゃないかなあ。 リスクの多い医者の現場仕事はほどほどにして、そこでの出世とか成功とかは考えず、その分の労力をまったく他に使って成功する人が増えると思う。 その一方で現場に残るのは、1)本当に医者であることが好きで好きでたまらない人(これが結構いるんだ、世界的にも)と、2)MDは取ったが、それを取った時点で能力を使い果たして余力の無い人たちでしょう。 どちらも買い叩かれるよね・・ 今、皮膚科に入るのはお勧めしないです。一時的なシェルターにはなるでしょうが、将来性は無いと思う。既にgeneralistとしての一通りの技術を習得したと思ったあとならいいかも。なるべく地雷を踏まないようほどほどに仕事をしながら、何か第二のまったく違うビジネスに挑戦してみるのが、夢があっていいんじゃないだろうか。 言い換えると、今医療の現場には、若い人を誘う夢は無さそう、ってことですが。

そうだ、今思いついたんですが、若い人たちは、卒後研修から明確な責任のかかって来ない数年間を、自衛隊に入ったと思って過ごせばいいんじゃないかなあ。 自衛隊ってのは色々兵器扱わせてもらえるし、特殊車両の運転免許とか、いろいろ資格取らせてもらえるらしいです。 しかし、そこで一生を終える人は少ないよね。よほどの自衛隊好きでない限り「夢」が無いから。 だけど、戦車や小銃扱える経験なんて、外の世界に出たら二度と無いだろうしさ。

今年で技官を辞める者です。 厚労省の技官自体もバッシングの嵐のなかで心が折れていますので、おすすめしません。医療政策の本道に取り組める人などほんの一部ですよ。

主な仕事は国会答弁の想定問答の回答作りですよね?技官の仕事。「国民に奉仕する」=「国会議員に奉仕する」ですから。 徹夜で作っても、使われないこと多くて、まったく役にたたずにポイ。 本省だと東大出てないと局長まで行くのも難しい。凄い学閥社会と聞きます。人間関係も医者社会の比じゃない。 上に行くほどポスト少なくなる世界だし。 ストレス・腹いせは地方・県衛生部からの出向の連中(これも医師)に向けられ、彼らのストレスはさらに大変。 元々縦社会、役人に向いてるキャラの人なら務まるだろうけど、そういう人は医学部じゃなくて東大文一選んでそう。

想定問答を書くのは主として法令ラインの仕事です(医系も書きますが)。医系がやるのはもっと血なまぐさいことです。原爆訴訟や水俣病対策、アスベストや薬害の処理といった果てのない仕事。おすすめしません。

ちなみに東大よりも慶應の方が結束も固く、出世する人も多いです。マッキンゼーでは医者コンサルを募集していますが、外国でレジデンシーを終えた慶應卒が多いそうです。

駅弁大学から民間企業にいくとしても国内製薬企業どまりでしょうね。

レスありがとうございます。そうなんですか、勉強になりました。 法案作成、っていうのはどんなレベルの人たちが関わるんでしょうか?外部諮問機関とかの影響が強いですか?それとも内部からの発案? 自分たちの企画した法案が通ったときは、気分最高でしょうね。それで国が動くわけですから。

米国で昨年、Donald Baimという循環器の大物がBoston Scientificへ移籍し話題になりました。他にもCampbell RogersがCordisへ移籍しています。医学部を卒業してそのまま創薬やデバイス開発のスタートアップカンパニーに行く人も少なからずいるようです。ただ医療とまったく関係ない金融などへ行く人は変わり者で極少数でFreaksではないでしょうか。

Creativeな医者は臨床や大学で研究するよりもむしろ製薬企業やデバイスカンパニーへ行ってもらってもらったほうがいいと思います。

現代医療はEBMです。EBMとは新しいことをするな、過去の経験の通りせよ、という概念です。臨床医に独創性はいりません。仮に”彼の治療は本当に独創的だよ”と言われる医者はかなりやばいです。でも研究や開発では”独創的”であることこそが最善です。

医者で優秀な人はどんどん製薬企業やデバイスカンパニーへ行くべきです。それは必ず日本の医療にとってプラスになります、というか日本の医療を好転させる唯一の原動力になるのではないでしょうか。偏見かもしれませんが、日本の医者は私立大学出身の裕福な家系のお坊ちゃん、お嬢ちゃんか国立出身の受験秀才が大多数です。医学部を選ぶという時点でよくもわるくも保守的な人間が大多数です。新しいことをしよう、冒険をしようという人間は少数で、これは医局講座制などの前近代的なシステムが長期間存続できた理由の1つではないでしょうか。医者の相対的な地位の低下によって、一般企業などへスピンアウトするものがでてくると面白くなるでしょうね。

ただ病院を離れて一般企業へ行ってもそこは絶対にブルーオーシャンではないです。ハイリターンかも知れませんが、ハイリスクなレッドオーシャンでしょう。

アルバイト専門の医者、コンタクトレンズ専門の医者、健診専門の医者、などがブルーオーシャンだと思います。臨床医のほとんど全てが、体面を捨てればそこへ行くことができるうちは臨床もまだレッドオーシャンではないのではないでしょうか。

法案や政省令を書くのは法令キャリアであっても、大学や有識者の先生の力を借りて審議会や検討会を運営し、事務局として議論をひとつにまとめていくのが医系の仕事です。官僚が意のままに国を動かしているなんてだれが言い始めたのでしょうか。まったくの誤解です。

ネゴや根回しといった作業はたいへんですが、どこの組織もそうだと思います。臨床からドロッポした先生にとっては役所もつらいですよ。

サービス残業、布団もない会議室に雑魚寝、国民からの苦情電話、下がる一方の安月給と。華やかさはどこにもありません。

なんだか、全方位的に刀折れ矢尽きてますね…。 年始早々、大戦末期の硫黄島みたいな。

「レッド」と「ブルー」の話なんですが、私は「レッド」は ローリスクだけれど競争が激しくて、やがて衰退する業界、 「ブルー」はハイリスクハイリターンだけれど競争相手がまだ 存在しない業界みたいに解釈していました。

どちらにしても、一番楽しいことがたぶん正解なんだと思いますが。

なんだか、全方位的に刀折れ矢尽きてますね…。

そんなこと無いと思いますよ? 前にも書きましたが、昔の医療界というのは護衛船団に守られていてリッチな共産主義みたいだったです。 今はノールールで自由度高くなりました。

自分は、昨年、香港に日本の医師向けに医療用デバイス輸出する会社作ってみました。と言ってもペーパーカンパニーで指示は全て日本から出しますが・・ 初年度ですが何百万円かの黒字。単純作業面倒で飽きてきたんで他の人に譲る予定ですが。 医者であることを基盤において、色々新しいことを試してみるには面白い時代だと思います。

あ、すみません。これ私です。名前入れ忘れました。 ↓

医系技官先生、  臨床でも基礎でもない 役所仕事というのも大変そうですね。 「原爆訴訟や水俣病対策、アスベストや薬害の処理」なんてというのは、やはり過去の負の遺産をずっとひきずっているんですね。補償の問題は なかなか後を引くということでしょうか。金と政治が絡むと 非常に厄介そうですね。 お辞めになって、臨床に付かれるのでしょうか。経験が生かされると良いのですが。。。

 慶應などの私学に比べて とくに東大などでは 学会などでも むしろ内部の者同士のほうが 論争を始め 大激論に発展することが しばしばありますね。外部の人の発表には遠慮もして あまり言わないのですが、同じ大学出身者には遠慮する必要がないとでもいうのかな、結束は基本的には存在しないのではないか とも思います。   関東地方の国立病院でも 慶應で固めている病院は多かったのですが、東大で固めるなんていう病院は基本的にはありませんでしたね。

留学中の同業者先生、  コンタクトレンズは 基本的には 保険診療では もうダメでしょう。業者側は、いろいろな抜け道を探しているようですが。  健診は、たまに役立つことはあるのですが、ほとんど当てにならないものとしてしか 認識していないのですが、 現状では このままだと たぶんダメではないですかね。 ただ、産業医の資格は 持とうと努力している先生が最近 増えてきたように思います。  バイト専門が まだ稼いでいる現状でしょう。ただ、バイトでしか来手がいない ということから 高給が成立していますが、いつまでこの現状が続くでしょうか。基本的に 常勤医の給与よりも バイトの方が 時給が高い というのは この業界以外でも普通でしょうか。  それから  Experience-basedのEBMなら たしかに経験に基づく医療ですね。いろいろなEBMがあるというのは BMJに昔 出たような。

moto先生、  手広く いろいろな取り組みをなされているんですね。華麗なる転身 という感じでしょうか。

ぺー先生 「地域に貢献する」「職人のような」 いずれも 大切ですね。そのような人は 常に必要ですね。 ただ  雑用が多い ある意味では 何でも屋の仕事が 臨床医のように思っていました。独創というか独走というかはできませんし しない方が患者さんのためでもありますが、臨床では 応用は大切ですね。

 西岡常一の教えは 目指すところが違うので、どこまで医者に通用するかはわかりませんが、たいへん勉強になりますね。 なにしろ宮大工は 千年持たせようというのだから、 医者は ふつうは数ヶ月、数週間、数日とかが多く、せいぜい数十年、でも小児科医なら もう少し長いかな。

私も、数年前、このままでは医療はダメになる、と危機感を覚えました。現場を知る者が内部から声を上げねば、と医療行政の道に入りました。 当時は、まだ臨床研修が必修化になる前でしたが、既に医療体制は大きく軋み、悲鳴の様な音を上げていました。

国に入り厚生労働省技官になるか、都道府県に所属し衛生部門に配属されるか、迷いましたが、国ともなると変革も一筋縄では行かないだろうと、出身県の県庁に入り、たまたま医療行政を扱う部門に配属されました。

私はその時、大きな考え違いをしていました。 医療や病院を扱うような条例や政策的決定であれば、臨床を経験している医師の言う事も少しは聞いてもらえるだろうと。

現実は大きく違いました。 都道府県でも、医学部教授などが議長を務める審議会を経て、様々な決定が為されるのですが、決定を為すのは、審議会委員でも議長でもありません。当然、事務局のペーペーの医師でもありません。

既に審議会が始まる前から、方針は決まっているのです。事務方トップと議員の間で。行政医師の仕事は、非医師の上司と議員が決めた方針を審議会議長に事前に連絡し、なだめたりすかしたりして認めさせる事でした。

我々は資料を作りましたが、それは医療をより良い方向に変えるためのものではなく、現在の県内の病床規模であったり、ある疾患を非医療従事者の上司に分かりやすく説明するためのものであったりしました。

その資料を見て、非医師の上司が閃いた妄想に、医療的な辻褄を無理やり括り付けたりするのがメインの仕事でした。

あまりの遣り甲斐の無さにもう辞めましたが、この体制が続く限り、医療はより悪くなる事はあれ、良くなる事など無いでしょう。

内部から医師が声を上げても掻き消されます。 「ダメ医系技官」さん(ダメじゃないと思いますが)のような行政内部の医師免許保持者が政策立案からどんどん携わっていくような制度を、医療界全体が要求していかねば、医療政策は変わっていかないのではないかと思います。

medtoolzさんへ ブルーオーシャン、などの意味を良く理解していませんでした。誤解を招いて申しわけないです。

勤務医ですさんへ、 EBMはもちろんEvidence based medicineの意味で使っていました。ただやや不適切な表現でした。申し訳ないです。

医師免許保持者が政策立案からどんどん携わっていくような制度を、医療界全体が要求していかねば、医療政策は変わっていかないのではないかと思います。

これ、すごーーーく大事なことで、そういう「法案」をこういうネットとかブログとかで、みんなの集合知で作っていけないかと思うんですけどね。ウィキペディアみたいな書き換え方式で。 技官や行政医経験者がいらっしゃれば、草案文言の書き方にも慣れていらっしゃるだろうし。

主宰者のmedtoolzさんは、そういう法律とか行政とかに立ち入るのは「面白みが無い」らしいですが、もったいないですよ、これだけの面子が既に集まってるとこ他に無いですから。

かなり面白い大人の「お祭り」できそうな気がするのだけどな。。。(自分、こういうことに鼻は利くんです)

いや、やはり止めときましょう。人様のブログに注文めいた書き込みして、ろくな結果になったためしが無い。 まあ、だけど、私のアイデアそのものは、悪くないでしょう? 議員さんにしたって、省庁にしたって、最初から「法案」の形で提案されていれば、すごく楽。 法律ってのは、社会を動かすプログラムですからさ。そこを具体的に攻めていかないと結局何も変わらないわけよ。

>ぺーさん 間違いなく、一生楽しめます。うまくいけば、ある患者さん達とは一生つきあえます。 知り合いで、医者で一生を終えた人を何人か知っていますが、うらやましい人生ですた。 >motoさん 自衛隊はやばいっす。上官が便所掃除の見本をした後で,大便器の中の水をすくって飲むようなとこですから。日本最大のアウトドアスクールというのは否定しません。大型特殊免許も取り放題です。 >医系技官さま 自分は治験のあたりまでしかイメージできなかったですが、汚れ役もありですか。 外資はハードみたいですね。TOEIC800-900点くらいって、想像できないっす。

>自分の資質と向こう側のパイの大きさ それが素直に分かれば、勝負をためらう事も悩む事もないんでしょうけど。チーズを探さないと餓死するのは目に見えているし、チーズは手に入ったものの、食う前に過労死しそうだし。

新天地では、うまくチーズを探さないと餓死するのは目に見えているし、勤務医は確実にチーズは手にできそうだけど、食う前に過労死しそうだし。

私は若く不真面目な臨床医ではあったが、それなりに良い臨床医であったつもり。私の周囲の同期やオーベンのほとんどが真面目な良い臨床医だった。そんな人たちがバカを見るこのご時世が許せないという思いから医系技官をやってみようかなあと思っているが、皆さん夢を砕いてくれてありがとうございます。

でも、このブログの主宰者に先生のように、みなが勝手に面白いことをやって、結果として世の中が変われば楽しいという、ドゥルーズ=ガタリ的なリゾームが好きでもあります。医学部の学生が臨床医以外の道を模索するのもその点からは好ましく思います。ニューアカに乗り遅れた世代の勘違いかもしれません。

話の流れを切ってしまいそうですが… 歴史上、大きな変革はトップダウンばかりだったと思います。 フランス革命はナポレオンが軍政を握ってからですし、 ロシア革命もレーニンが政権の中枢に入ってからの出来事です。 ナチス第三帝国も合法的に選挙で政権を取っています。 そういう点から見ますと、医療行政へもホンモノの医療従事者が 食い込んでおかねばならないのかもしれません。

みなさまコメントありがとうございます。 トップダウン狙うかボトムアップでグダグダやるか、という問題は けっこう根深くて、トップダウンを狙おうとすると鳩山由紀夫の怪しい ホームページみたいになっちゃいますし、個人的にはちょっと…。

別途エントリーにまとめました。

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