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2006.09.23

道具バトン

Dan さんから受け取った道具バトンなるものを書いてみます。

医者の仕事場というのは、たぶん想像されている以上にモバイル要素が強くて、 一箇所にとどまって何かするということがほとんどありません。

そんなわけで、普段使っている道具というのも白衣に収まるものばかりです。

1. 万能バサミ

研修医の頃にもらった、ごっついハサミをまだ持ち歩いています。

本来の用途は、心臓が止まった人の衣服を切り裂くためのもので、 厚い生地などでも4~5枚、まとめて一息に切れます。 どこのホームセンターにも売っていて、大体500円程度。

丈夫で良く切れる」が表の意味、「安くていつでも取替えがきく」というのが 裏の意味で、病院に就職したとき、研修医という存在の象徴として、 病院長からこのハサミをもらったのです。

亡くなった人の服からお菓子の袋まで、みんなこれで切っていました。

研修期間を終了すると、修了記念として、メッツェンバウム筅刀という、 繊細で高価なハサミをもらえます。

2. ボールペン

医師の仕事の半分ぐらいは、カルテや書類などの「記録」に費やされます。

複写の書類が多いので、筆記具はほぼ100% ボールペンです。

軽くないと仕事にならないので、100円程度の使い捨てのやつを 何本も持ち歩きます。最低3本。

たとえば、外来をやりながら隣で包帯交換を するときなど、やりかけのカルテにボールペンを挟んでおいて、 一度に2つ3つの仕事を並行してこなしていくわけです。

ノック式の3色ボールペンは、患者さんに絵を描いて説明する時の必需品。

バイアグラとか、オメガシン(抗生物質)なんかの「強そうな」名前の入った 製薬会社のボールペンが人気なのは、この業界がまだまだ男社会だからでしょうか。

メモは使いません。ほとんどは暗記。

研修医は、ボールペンで左手の甲にメモを取ります。ボールペンのインクは、 病院にはどこにでもあるアルコール綿で消せるので、ホワイトボード感覚で 自分の手を汚します。

3. Palm

Tungusten|c に薬の本と、抗生物質の使用ガイド、英語の辞書を入れて使用中。

これを使うようになって、白衣が劇的に軽量化されました。

その場しのぎを繰り返す仕事なので、PIM機能はほとんど 使っていません。

昔はとりつかれたように palmware を探しては入れて遊んでいましたが、 今使っているのはメモ帳だけに落ち着きました。

Treo700 が日本で使えるようになるといいのですが。

4. 聴診器

代表的な医師の仕事道具ですが、いまだに現役。

ハイテクの医療機器が次々出ていますが、「立ち上げ時間ゼロ」という、 この道具のメリットを凌駕できるものはいまだにありません。

昔は循環器用の高性能なものを使っていましたが、 重いので、いまは汎用品。

5. 蛍光色鉛筆

教科書を読むときには、必ず線を引きます。

洋書は安いのですが、装丁も紙質も悪いものが多いので、 蛍光マーカーを使うとにじんだりします。

蛍光色鉛筆は文字どおり鉛筆なのですが、銘柄によっては 蛍光マーカーとまったく同じ発色が得られます。

LYRA のFLUORLINER99 というのがとてもよかったのですが、 今は手に入らなくなってしまい、今はSANFORD のPRISMACOLORの ネオンイエローを使っています。

番外:デバイダー

科によっては、自分の所属を象徴する道具があります。

神経内科なら打鍵器、眼科なら眼底鏡など。持ち歩ける大きさで、 その科しか使わない道具。

循環器科は心電図を読むので、不整脈の診断をするのに デバイダーを使います。

今はもう、自分は循環器ではなくなってしまったのですが、 出自に対する思いを忘れないよう、今でも必ず持ち歩いているのです。

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Comment & Trackback

個人的には あと 経皮的パルスオキシメーターは必須アイテムです。 腕時計をはめなくなったので、脈拍も数えず、この機械に頼るようになってしまいましたけど。 時々消毒しますけど 頻度を上げるべきかな。

院内PHSでストップウオッチの機能もあると良いのだけれど。呼吸数数えるのをついついさぼりがちなので。

たとえ神経内科でも 患者さんの生死に関わるので 打鍵器や音叉よりも まずは 経皮的パルスオキシメーターだと個人的には思います。

ペンライトや眼底鏡・耳鏡などは 落としても壊れないものがあると良いのですけど、ご存じですか。割れたりして 使用不能になるものが多いので、 落とさずに済む構造になるのか 落としても壊れない構造か どうしても必要です。自分にとっては。

そうだ あと外来中に 声が枯れてきたときのために のど飴ですね。

ボールペンは 使った場所のあちこちに置いてきてしまうので何本も必要ですが、いつの間にかに在庫切れになります。 爪楊枝、アイスキャンディの棒(舌圧子)、綿棒は できるなら切らしたくはないのですが、よく補充し忘れ 困ったことになります。

ちなみに 自分は はさみ も palmも 色鉛筆も持ち合わせておりません。 はさみは 先がとがっていないものなら 大丈夫ですか。

爪楊枝、アイスキャンディの棒(舌圧子)、綿棒

神経内科医の必須アイテムですね…。

ペンライトについては、最近売られているLED の奴で、 落としても絶対に壊れなさそうなのが売ってるみたいです。 恐ろしくまぶしいですが。

パルスオキシメーターとか、ペンライトとかは、私は いつも看護婦さんに借りていたりします。

久しぶりに先生のブログを見ました。やっぱりおもろいなあ。 私はナースですが、確かに時計持たない先生増えましたね。 死亡診断するのに「時計かして」と何度いわれたことか… 最近は院内PHSの時計で死亡診断してるのを見ます。 おいおい、その時計はほんとに時間があってるのかい、と思いますが、死亡診断のタイミング自体いい加減なもんだから、どうでもいいことなんでしょう。 ところで、私も昔は左手の甲によくメモ書きをしていました。でもさんざん手を洗って消えていくのがわかるので、最近はしません。 手にいっぱい書いてる研修医はよく見ます。「その手は何時洗ったんだー!」と思います。 でもとっさに手に書きたくなる気持ちもよくわかります。 そんな私は手にサージカルテープを貼り付けて、その上にメモをします。消えずに残るし、すぐ捨てられるし、他のどこかに貼り付けもできるし、おすすめです。

院内PHSの時計で死亡診断 私もやってます…。時刻は一応合わせていますが。 腕時計、小学校の時以降、つけたことないんですよね…。

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