2005年4月11日

空気を読む

空気を読むということ

病棟の空気を読むということ
誰かの部下になるということ
上級生より早く動くということ
勧められた酒を断らないということ
従うこと
素直に頭を下げること

空気を読むということ

急変の空気を読むということ
いまモニターのアラームが鳴ったということ
いまスタッフが駆け出したということ
いま救急車の音が聞こえたということ
いま廊下をストレッチャーが走っていったということ
常に鉄火場にいるということ
病棟の信頼を得るということ

空気を読むということ

失敗の空気を読むということ
それは院内PHS
それは院外コール
それは患者さんのクレーム
それは上級生の怒声
それは婦長さんの説教
怒られたことを嘆かないということ
未来に誇りと希望をもつこと

空気を読むということ

下積みの空気を読むということ
研修医にはイエスしかないということ
医師は倒れるまで働くということ
病棟は歩くものではないということ
夜は寝るものではないということ
上級生の鉄拳の痛み
いのちがけということ

空気を読むということ

将来の空気を読むということ
最初は働けないということ
働けるようになるということ
働かされるということ
働かざるを得ないということ
一生自由などないということ

1年生の入ってこない病棟。何年ぶりかの採血と検体運び。
新入生が来るのは来週から。
そろそろと復帰。