2005年1月14日

「頑張ってますね」は禁句か?

人の誉めかたには、努力の過程を誉める方法と、その結果を誉める方法との2種類がある。

「頑張っていますね」「大変ですね」という言葉は相手の努力の過程を賞賛する言葉だが、声をかけた相手は自分に比べてなにか大変な思いをしている、ということを前提にしている。

たとえば、高齢者介護を一生懸命続けているご家族に対して、外来などで「頑張っていますね」と声をかけるのは、世の中にはもっと楽をしている人が大勢いる、ということを暗に指摘してしまっている。

相手の境遇の大変さを外来のたびにいちいち確認していては、「自分たちの今の状況は大変だ」->「やっぱり病院に長期入院させてもらおう」という動機を強化するだけなのではないだろうか。

外来担当医は、「頑張っていますね」「よく続いていますね」「大変ですね」といった努力の過程を誉める言葉よりも、むしろ「すごくよくなりましたね」「○○さん元気になりましたね」という介護の結果を賞賛する声をかけたほうが、ご家族が自宅で介護を続ける動機を強化できる。


コメント

ちょっと過激な逆接的意見ですね。そこだけ抜粋してみるとすごいですよ。確かに民間の介護サービスは大手と言えば数社しかなくそこから新規参入してくる大手が少ないですね。たぶんサービスの線引きが難しいのが原因かと思いますが。

コメントありがとうございます。本当は、医師側がもっと社会制度に関する知識を持って、家族に対する公的なサービスをより早く提供できればいいのですが。

いまはどこを探してもそんな「サービス」など存在せず、介護に関する社会的なリソースは全く足りていない状況です。

逆説的ですが、民間の介護サービス会社がもっと多く参入してくれれば、彼らの資本力につけこんで社会の介護力を増すこともできるような気がします。どうせ商売にはなるわけがないので、民間大手が介護に参入->会社が潰れて介護資格をもった失業者が社会にあふれるという状況になるのを期待しています。

たとえどんな形であれ、人的なソースさえあればそれを食いちぎってくる手段はいくらでも考えられるので。

褒められたいと思い行動している人に対しては「頑張っていますね。」という言葉は有効ですが、介護など『せざるを得ない人』にとって重い言葉になりますね。介護の問題は制度も含めて難しい問題ですね。

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