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2004.11.30

フェニトインによる褥瘡治療

抗けいれん薬であるフェニトインは、長期間の投与で歯肉の増殖の副作用があることが知られている。

この作用は、病理学的には膠原線維と線維芽細胞の増加によるものといわれているが、このことを利用して、フェニトインを創傷治癒を促進させる薬剤として用いることができないかという試みがある。

フェニトインの薬理作用

フェニトインの本来の作用部位は脳皮質の運動野であるが、この作用を発揮するためのフェニトインの量は、通常1日300mg程度である。

経口摂取を開始してから、大体7縲鰀10日で抗痙攣効果が期待できる血中濃度に達する。このフェニトインの代謝産物が、歯肉の線維芽細胞の増殖を刺激し、その結果歯肉の増殖が生じるといわれている。

歯肉の増殖の副作用は、大体患者の半数で生じ、その発生率には人種差がある。 フェニトインの代謝は、本来は肝臓で生じるが、肝臓以外の細胞、例えば歯肉や皮膚の細胞にも、フェニトインの代謝能力があることが分かってきた。

フェニトインが、特に歯肉の増生を促すのは、フェニトインが血液中以外に唾液中にも移行し、局所の濃度が上昇すること、歯垢がフェニトインを吸収し、リザーバーとしての役割を果たしうることなどが、その理由としてして指摘されている。

歯科領域でのフェニトインの使用

フェニトインの創傷治癒の最初の報告は、1958年の歯科領域の報告であった。

これは、手術前にフェニトインを内服してもらうと歯科口腔領域の手術後の治癒が早まり、さらに歯肉の炎症が減少し、痛みがより少ないというものであった。

この報告を受け、フェニトインはまずは歯科領域で用いられるようになり、全身投与するだけではなく、局所の投与で効果があることが分かってきた。 1970年代には歯科領域で用いるためのフェニトインクリームが市販されている。

皮膚の外傷でのトライアル

フェニトインを外傷で用いたトライアルはまだ少なく、いくつかの小さなトライアルと、ケースレポートが報告されているだけであるが、これらの報告の中で、次のような疾患での効果が報告されている。好ましい効果があったのは、下肢静脈血栓による皮膚潰瘍、褥瘡、糖尿病による下肢壊疽、巨大な膿瘍に伴う膿瘍腔の閉鎖、熱傷、手術後の創傷治癒、そして、皮膚移植後の供皮部位等である。

フェニトインを創傷に用いることで得られたメリットは、以下のようなものであった。

創傷治癒の早期化と、肉芽増殖の早期化 創傷部位の炎症の消滞と、滲出液の減少 組織のバクテリア量の減少 痛みの減少 他の方法に比べての、低いコスト

フェニトインの創部に対する作用

フェニトインを創部に用いたトライアルで、用いた薬剤の量を報告しているものはほとんどない。フェニトインを多く用いても、局所投与を行った場合には全身への吸収がほとんど生じないことも報告されている。

フェニトインの局所吸収は、創面の状態、感染の程度、といったさまざまな因子で影響されるため、どの程度の量を用いるのが最適なのかははっきりしないが、常識的な範囲で使用するぶんには中毒の心配はほとんどなさそうである。

フェニトインの創面に対する薬理作用

創傷治癒は、その過程の中でいろいろな細胞が参加する。代表的なものとしては、ケラチノサイト、線維芽細胞、内皮細胞、そして炎症の際に参加する白血球やリンパ球が、互いに連絡を取り合いながら創傷治癒を行う。

外傷が生じるとまずそこには血餅ができるが、しばらくするとその中にマクロファージや肉芽細胞が入ってくる。これらの細胞は、創面を清潔にするとともにさまざまな成長因子を分泌し、血餅はそのリザーバーとしても作用する。

こうした創面にフェニトインを塗布すると、炎症反応は早期に消退し、滲出液は減少し、創部の浮腫が減少する。さらに、フェニトインは創部のバクテリアの量を減少させる作用もある。フェニトインは黄色ブドウ球菌、大腸菌、クレブシエラ、緑膿菌に対して、塗布後7縲鰀10日で抗菌効果が出現する。

この作用は、フェニトインの直接作用なのか、あるいは炎症細胞の活性化を介した間接的な作用なのかははっきりしていない。フェニトインを塗布した創面には、抗体を産生するLangerhans細胞が増殖している、という観察もあるからである。

フェニトインにより治療された創部の生検標本の観察では、通常の治療を行ったものに比べて早期の単球の増殖、線維芽細胞の増殖、コラーゲンの沈着の促進、再上皮化の促進が観察されている。

さらに、フェニトインを用いることで、創部の痛みがより早く減少することが観察されている。この作用はフェニトインの局所麻酔作用によるものといわれ、全身投与のフェニトインも、さまざまな痛みの治療に応用されている。

フェニトイン治療の今後

現在、スプレーで局所に投与するタイプの、皮膚成長因子が市販され、用いられている。こうした薬剤は高価であり、また、市販されてからはまだ日が浅い。

フェニトインは、こうしたものに比べて圧倒的に安価であり、また人体に用いるようになってから、70年近い歴史がある。この治療は安価で、確実に効果が期待できるものとして、もっと用いられてもいいように思う。

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2004.11.29

保健所とのつきあいかた

以前、某地方の病院で一人内科に飛ばされていたときの話。近所の老健からどう見ても結核にしか見えない患者さんが搬送されてきて、調べてみたらやっぱりガフキー7号。

すぐに近くの結核治療可能な病院に搬送を…と保健所に問い合わせてみたものの、「すぐに受け入れ可能かどうか調べてみます」の一言の後、何の連絡も来ない。夕方になっても返事が無いので問い合わせると、「5時以後は守衛しか残っておりませんので、明日また連絡を」との返事。

ふざけるなと思いながらも一晩経過し、翌日問い合わせなおすとやっぱり何の話の進展もなし。いろいろと問い合わせてはいるんですが、との担当者の弁も、しょせん5時までの努力かと思うと怒りが込み上げるばかり。

自分は専門家でもなければ結核患者を多く見た経験も無い、せめて感染隔離の方法が今のままで合っているのかどうか、何かもっと正しい方法があるのかどうかのアドバイスがほしいので一度病院まで指導にきてくれませんかとお願いすると、そちらはすぐ手配できますとのこと。

実際のところ隔離室も無い、結核患者を継続させて入院させたことも無い、自分だってこの病院にきてまだ2週間程度しかたっていないというような状況でこうした患者を受け持つと、自分がいかに感染症治療に対して無知であったか痛感する。

このときは個室が空いていたが、空調はこの病院の配管どおりでいいのか、看護にあたる病院職員はどう選別すればいいのか、手洗い場所は同じナースルームのそれを共有してもいいのか、病衣やオムツの捨て場所は他の患者さんと一緒でもいいのか、紫外線灯などもちろん無い状況で、代わりに何か使えるものがあるのかなどなど。専門的な知識があればたぶんあたりまえのことなのだろうが、自分には何一つ確信を持って返事ができる問題など無かった。

結局、報告から5日たっても転院可能な病院は見つからず、50も過ぎていそうな「専門家」の先生がやってきてくれたが、何を聞いても「難しいですね」の返事のみ、ついには「先生はよく勉強しているから、多分大丈夫ですよ」と。結局患者も診てくれず、何かやたらとそわそわしはじめたので時計を見ると5時だった。怒る気力も失せたところで、専門家は帰宅。

その後も病院は見つからず、2週間経って「もう感染はしないから転院させなくても大丈夫でしょう」とのコメントが転院させたかった病院の医師から届き、この騒動は終了したがまったく納得がいかなかった。

後日、食中毒で外科の先生が診ていたらしい患者について、同じ保健所の職員がわざわざ来院。なぜか、連絡もしていないのに保健所から細菌検査室に問い合わせがあったようで、細菌検査室から保健所のほうに便培養の情報を入れていてくれたらしい。

で、用件はその患者さんがあたったすし屋が、保健所職員の家族だとのこと。「すしは生ものですし、その後はそうした問題も起きていません。先生が今回の件は正式に報告するにあたらない、と判断していただけるなら、保健所としてもわざわざ動く必要は無いんですが。」だと。

要は、「もみ消せ。」ということですね。と念を押すと「そのとおりです」との返答。

こうした経験から得た自分なりの結論。

保健所の人は、病気に関する仕事は5時までに報告しないと絶対動いてくれない。 5時までに相談しても、これから働くと5時を過ぎそうなことは絶対に親身に聞いてくれない。 保健所の人が本気を出すと、その組織力、情報収集力はものすごい。ただし、その力が身内以外の人に対して使われることはめったに無い。

2004.11.28

せん妄の対策

A practical program for preventing delirium in hospitalized elderly patients

せん妄患者の予防と対策のためのガイド。

入院中にせん妄を生じる患者は予想以上に多く、統計により全入院患者の14%から56%と報告されている。特に高齢者の多い病院、手術後の患者、集中治療室といった施設で患者がせん妄を生じる割合は増える傾向にある。

せん妄を生じた患者はそうでない患者に比べて死亡率が上昇する。せん妄患者の死亡率は10%から65%と報告にはばらつきがあるが、同じ病気の重症度であっても、せん妄を生じた患者の死亡率はそうでない患者に比べて2倍以上に達する。

せん妄の発症の仕方には活動性のせん妄と非活動性のせん妄との2種類がある。前者は発見が容易であるが、後者については見逃されていることが多く、これが臨床の現場での印象と統計で報告されるせん妄患者の高い割合との乖離につながっている。

ある報告では、非活動性のせん妄患者のほうが、活動性のせん妄患者に比べて予後が悪いとしている。これは単に発見が遅いというだけではなく、誤嚥や肺塞栓、褥瘡の発生といった合併症の頻度を生じる割合がより高くなるためであるという。

せん妄の発生原因はいくつかの仮説があるが、脳波を取ってみるとせん妄の患者の脳波は全体に徐波化しており、これは皮質活動が全域にわたって抑制されているためだと考えられている。ある研究者は、せん妄状態というのは色々な病気の最終共通経路として脳全体の酸素代謝が抑制された状態であると考えている。また、脳の活動を支配するニューロトランスミッターに関しては、せん妄患者はコリン作動性ニューロンの活動が抑制され、ドーパミン作動性ニューロンの活動が活発になっているという。

せん妄の危険因子には以下のようながある。

痴呆状態がある患者は、やはりせん妄に陥る可能性が高い。電解質異常、特に低Na血症や高Ca血症がある患者でもせん妄を生じうる。また、酸素濃度が低下している患者、特にパルスオキシメーターの普及に伴ないCO2の蓄積を生じる患者が見逃されていることがしばしばある。その他潜在的な感染症、糖尿病、副腎不全、甲状腺機能異常といったものでせん妄が引き起こされることがある。

薬剤はせん妄の原因として最も高頻度なものであるが、その中でも特に長時間作用型のベンゾジアゼピン、メペリジン、H2ブロッカー、アトロピン、ステロイドといったものに注意が必要である。

せん妄は容易に見逃される。

せん妄の見逃しを防ぐために、The confusion assessment method が考案されたがこの方法で感度94%、特異度90%以上でせん妄患者を発見することができるという。他の方法としてはdigit span test(3-6-2などと任意の数字の順序を復唱してもらい、短期記憶の評価をするテスト)の有効性が報告されており、これは痴呆の患者でもある程度保たれているにもかかわらず、せん妄の患者では困難になることを利用している。

せん妄の患者に薬物を用いるのは極力避けなくては成らない。薬物療法以外に推薦されている方法として、5分間患者の背中をさする、暖かいカフェインの入っていない飲み物を飲んでもらう、リラックスできる音楽をかけるといった方法が紹介され、その有効率は74%に達したという。

ハロペリドールによる沈静は最終手段として考慮する。ハロペリドールは0.5mgずつ経口するか、筋注するかで用いる。静注した場合は半減期が短すぎ、せん妄の治療に用いるには不足になる。鎮静効果は30分おきに評価し、薬物の追加を行うかどうかを判断するが、ハロペリドールは5mg/24時間以上用いてもそれ以上の効果が期待できない。これはハロペリドールを5mg投与した場合、脳内のD2レセプターは24時間後でも90%近く抑制されていたという観察にもとづくもので、5mg以上を用いても副作用を多くするだけなので、他の方法を考えなくてはならない。

今は余裕のある施設にいるのでせん妄の患者は少なくなったが、以前はもう夜間は動物園の様相を呈することもめずらしくなかった。実際問題、救急患者を多くとる日本の救急病院では夜勤帯の人数も限られ、「5分背中をさする」時間などどうやっても作れそうに無い。

欧米のせん妄の対策を読むに連れ、日本とは根本的に人的な余裕が違うなあとうらやましくなる。忙しい病院でできるせん妄対策など、ラインをとってコントミン静注、呼吸が止まらないように3分だけ観察するのがせいぜいだろう。

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2004.11.27

ガイドラインどおりの抗生物質治療は肺炎の予後を改善する

研修医のころ、当院では抗生物質の使い方についてはかなり厳しくしつけられた。前日当直中に入院した肺炎の患者さんに日和ってパンスポリンなど落としていようものなら、翌日のチーフレジデントから厳しい突っ込みが入る。

「どういう経過から肺炎を疑ったの?」 「グラム染色はした?」 「何でグラム陽性菌しか見えないのにパンスポリン?」 「アンピシリンじゃだめな根拠は?」

などなど。終いには「先生、患者さんに興味ないの?」とか、「患者さん、直したいの壊したいのどっち?」などと止めを刺されて沈没したこと数知れず。レジデントの立場で第3世代セフェム、カルベペネムなど処方しようものならもう内科中を敵に回したも同然で、「あいつ、チエナム処方したらしいよ」という言葉は「あいつ、最近援助交際がばれて取り調べられたらしいよ」と同じぐらい恥ずかしい行為と考えられていた。

そんな中で患者さんが発熱すると大変で、深夜であろうと熱源精査のための全身所見を取り直し、血液培養2セット、点滴ラインは当然入れ替え、考えられる感染検体のグラム染色を行ってからでないともちろん抗生物質の処方は許されず(例外は敗血症性ショックと髄膜炎を疑ったとき)、当直帯に病棟の患者さんが発熱したら2時間は眠れなかった。そのうちこうした行為に慣れてくると、30分もあればすべて終了できたが。

こうした考え方は別に特殊なものではなく、だいたいサンフォードガイドにそのまま従ったものであったと思うが、当時はこうした訓練をする研修病院は珍しかったように思う。

当時肺炎を疑った際にはまずは診察を行ってからグラム染色を行い、顕微鏡を見ながら細菌性肺炎か非定型肺炎かを考え、後者であればさらにヒメネス染色まで行ってから抗生物質に何を使うか考え、その上でスタッフドクターと相談してどういった治療を行うか決定した。

抗生物質の選択はなるべく抗菌スペクトルの狭いもの、グラム染色で肺炎球菌を同定してペニシリンを使って治療したら周囲からすごい奴といわれ、熱源が本当に肺炎か確信がもてないまま「どこでも効く」とばかりにクラビットの内服を処方したことが後でばれると、チーフレジデントから呼び出しを受けて説教を受ける、そんな世界。

こうした行為自体はそれまでの肺炎治療の教科書どおりの方法論を踏襲したものであったと思うが、2001年のATS肺炎治療ガイドラインの発表は衝撃的だった。内容は現物を読むのが一番だが、意訳すると「肺炎の治療にもう頭を使うのは止めましょう。病歴を聞いて重症度を決めたら、何も考えないで広スペクトルの抗菌薬治療をはじめましょう。」とでもいうもの。

Effects of guideline-concordant antimicrobial therapy on mortality among patients with community-acquired pneumonia

pneumonia.jpg

これは後ろ向き研究であるが、実際にガイドラインどおりに治療を行った人と、そうでない人とで30日後の死亡率がどう変わったかを検討したもの。ガイドラインどおりの治療を受けられなかった人には救急外来から入院した人、入院後6時間以上経ってから抗生物質投与が開始された人などが多い傾向があり、重症度を一致させても必ずしも公平なスタディにはなっていないが、30日目の死亡率はガイドラインに従った患者さんで6.2%、そうでない患者さんで21.7%と有意差が出たという。

2000年を過ぎてから、欧米のいろいろな団体が手のひらを返したように広域の抗生物質治療を推薦するようになった。

当時こうした新しいガイドラインを読んで、初回から強力な爆弾を落とすようなこうした治療を「日本風の」治療と呼んで軽蔑し、アメリカ人の感染症治療戦略を信じ、頑なにグラム染色の伝統を守ってきた自分たちはいったいなんだったんだと相当打ちのめされた。

2001年以後当院からは顕微鏡をのぞくレジデントは消滅した。

2004.11.26

一般内科というしごと

いろいろな科の医者がいる中で、一般内科医という職種は車でいうと軽トラックのような存在です。F1マシンのように特定の目的に特化した専門医とは違い、一般内科は汎用性があり、小回りが利き、どんな病院でも活躍できる自由さがあり、そして価格が安い(泣)…。

自分は一般内科医で、またあまり友達がいなかったためなのか一人で地方の病院に飛ばされたことが何回かありました。

一人内科医の生活は結構大変です。外来は当然毎日、受け持ち患者は50人近くになることもあり、当全外来中の病棟バックアップはなし。救急車は来るし、当直もこなさなくてはならないしでストレスはたまり、その日のうちに家に帰れたとしても自宅で酒びたり。だいたい3ヶ月もこうした暮らしをしていると、(主にアルコールによる肝障害で)気分が悪くて本当に投げ出したくなります。

忙しさに比例して患者さんやその家族からのクレームは増え、訴訟リスクは増し、自分の生活時間をすべてなくすのはデフォルトにしてもそれでも患者さんを見る時間はまったく足りません。

24時間から外来の時間、検査の時間、最低限の自分の睡眠時間を引き(食事は幸い、病院内には経管栄養食だけは売るほどあるので何とかなる)、残った時間の中で最低限確保しなくてはならないのは患者さんとその家族への説明の時間です。世の中に頭が空っぽで口は達者な医者と、頭はよくても寡黙な医者の2種類しかいないとしたら、前者のほうが絶対に患者さん受けはよく、たぶん病院内のトラブルも少なくなるはずです。私は前者の医者を目指しました。

土日や休日、夜中にいきなりナースルームに現れて「今どうなっているのか教えてください」と説明を求める家族にちらっとでもいやな顔をしようものなら、大変なことになります。また、そうした人たちに今の時間に来ることがいかに間違っているか、たとえ1時間かけてお話ししたとしても、家族の怒りに火に油を注ぐだけでしょう。そうしたことをして怒り出さないような家族は、そもそもこちらが対応できないような時間に来たりしません。

限られた時間の中でリップサービスの時間を最大限確保するには後の時間を削るしかありません。患者さんの治療について考える時間と、理学所見を取る時間です。

ベテランのドクターは午前中3時間の間に70人から100人近くの患者さんを診察して涼しい顔をしていますが、あれはあの人たちが特別なオーラをはなって患者さんとの会話を最小限にしているからで、駆け出しの人間が同じまねをしたらお客さんからブン殴られます。

3時間で50人診察をしようと思ったら、文字通り3分診療です。患者さんをコールしてから外来に入ってくるまでが早くて30秒、患者さんとの会話を最大限早口で済ませたころにはもう2分30秒が過ぎ、処方箋とカルテを書くのにも15秒はかかります。15秒間で済ませた聴診と理学所見に信用がおけるでしょうか?だいたいこの間、頭は隣に積まれたカルテの山を低くすることばかり考えていて、病気のことなんか考える余裕はありません。

こんな状況で何とか事故なく外来を終了するには、頭と所見取りの部分をほかの人たちに代わってもらう意外にありません。外来で唯一まっとうにやったことは患者さんのお話しを聞いたことだけ。ここで「危ない」と思ったらとにかく検査にまわし、あとからもう一度話しを聞きなおします。幸い、検査室や放射線部の人たちは、外来の医者の頭が空だということを分かってくれているので、「先生なら見逃すと思って、CTのスライス追加しておきました」とか、「血液生化でGOT上がってますけど、心電図とってもいいですか?」とか、本当に洒落にならない人のフォローをしてくれます。

病棟でも話は同じです。病棟スタッフも医者が頼りにならないと分かっているので、危なそうな患者さんについてはベッドサイドまで引きずってでも連れて行かれますが、そうでないひとは毎日の患者さんの状態を教えてくれるので、ほとんど会話だけで治療方針が決められます。

勢い、医者の仕事は患者さんの話と他のスタッフの入れてくれる情報から処方箋を発行するだけの変換器としての役割だけになり、残った時間をすべて患者さんとその家族へのリップサービスに費やすことができるわけです。

今年のマニュアルは、そんな立場になった医者が書いています。このため理学所見についての記載は大幅に削除され、やたらと検査、検査と検査所見が重視されます。診断のフローチャートもものすごく馬鹿っぽく書いていますが、使っている自分自身がまったくといっていいほど頭を使っていないんだからしかたありません。教科書的な美しい治療には程遠く、野暮ったく不恰好な診断/治療が多くなっていますが、その分致命的な病気を見落とすことは少なく、患者さんの治療後の経過をあまり見なくても、「やりっぱなし」でも事故になる率は低いはずです。実際のところ、研修医のころから「地雷を踏んだらメモ、また地雷を踏んだらメモ」をみんなで繰り返し、自分たちの馬鹿なミスを保護してくれたスタッフドクター共々ぼろぼろになった成果物がこうしたフローチャートなのですが。

EBMに背を向け、コストを無視した野暮で安全な治療というのがこの本が目指すところなのですが、どこまで達成できているでしょうか…。

2004.11.25

BIPAPモードの設定

BIPAPモードの利点は、患者の自発換気を人工呼吸管理直後から抜管寸前までの間ずっと生かしつづけられる点につきる。このモードの利点は、ちょうど自由に換気が行えるCPAPモードと、患者の肺に愛護的に機械換気を行うことができるPCVモードとをあわせたものに相当する。この両者よりもBIPAPのほうがさらに優れている点として、BIPAP高いPEEP圧と低いPEEP圧の時間設定を自由に調節できるだけでなく、患者の吸気、呼気のタイミングに合わせて2つのPEEP圧をコントロールする優れたトリガーシステムを備えている点が挙げられる。

BIPAPの調節

挿管直後は、従来ならばIPPVやSIMVのモードが用いられる時期であるが、こうしたモードをBIPAPで代替することが可能である。従来のモードともっとも異なっているのが換気時間の設定で、従来の機械換気ではI/E比と換気回数を指定し、吸気時間と呼気時間を間接的に決定していたが、BIPAPではこの2つの時間を独立して設定することができ、これらの時間の設定の結果I/E比や換気回数が決定する。挿管直後の急性期であっても、BIPAPモードは患者の自発換気を消さないため、呼吸器の設定する換気回数やI/E比はあまり意味をもたなくなる。

また、従来型の機械換気であれば1回換気量を設定し、患者の気道内圧をモニターしていたが、BIPAPモードでは逆に気道内圧を設定し、患者の分時換気量をモニターすることになる。

具体的な設定としては以下のとおり。

  1. 通常の呼吸不全の患者でのPEEP圧と同じ圧に、低いPEEP圧を設定する。
  2. それよりも12-15cmH2O程度高い圧に、高いPEEP圧を設定(1回換気量を見ながら調節)する。
  3. 高いPEEP圧の時間は1.5-2.5秒、低いPEEP圧の時間は3.5-2.5秒程度から開始し調節する。
  4. 酸素化が悪ければ高いPEEP圧の時間を延長し、CO2の貯留があるようならそれぞれの時間を短く調節して換気回数を増加させる。

BIPAPのウィーニング

BIPAPモードは、ウィーニング中も同じモードを継続して使用できる。方法は以下のとおり。

  1. 状態が落ち着き、FiO2を50%以下まで下げられたらウィーニング開始。
  2. まずは高いPEEP時間を徐々に減らし、I/E比を1:1から1:3程度まで徐々に増加させる。
  3. この間、患者の吸気、呼気にあわせて機械がタイミングを変更するので同調は気にしなくても大丈夫。I/E比を調節していくと、そのうちに作動はプレッシャーサポート換気とまったく同じになる。
  4. 最後に高いほうのPEEP圧を徐々に減少していき、高いPEEP圧と低いPEEP圧が同じになると、CPAPと同じ動作波形が得られる。
  5. これで問題なければ抜管を考慮する。

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2004.11.24

エビタのBIPAPモード

BIPAPモードは1985年にはじめて紹介された。このモードの発表以前に存在した同じような換気様式にはAPRVがあり、またBIPAPを開発したグループは、このモードはプレッシャーコントロールベンチレーションの改良型で、いつでも患者の好むときに呼吸ができるものであると紹介している。

従来、換気様式は挿管直後はIPPV、自発呼吸が出てきたらSIMV、ウィーニング期に入ってきたらプレッシャーサポートを加え、抜管寸前にはCPAPモードで様子を見るといったことが行われてきたが、BIPAPならばこうしたモードをすべてBIPAPのみでコントロールすることができる。このため、病期ごとの呼吸器のモードの変更は不要になり、同じモード内での調節だけで挿管直後から抜管までを管理することができ、患者のストレスを減らすことができる。

このモードの開発のきっかけになったのは、患者の重症度に応じて呼吸器のモードがいちいち使い分けられ、呼吸器による機械換気と患者自身の自発呼吸との割合がそのモードごとに異なり、患者はしばしば機械換気にうまく同調することができなくなるのが問題になったためであった。

IPPVとBIPAP

挿管されて人工呼吸器に接続されたばかりの患者においては、従来はIPPVによる換気が選択されることが多かった。このモードは呼吸のすべてが人工呼吸器による機械換気で、患者の自発呼吸はすべて制限される。このため、筋弛緩薬や大量の鎮静剤は不可欠になる。一方、BIPAPでもIPPVと同じような圧波形を供給することはできるが、患者は機械換気の最中であっても、どのタイミングでも自分の呼吸を行うことができる(機械換気が吸気中であっても、患者が息を吐きたいと思えば吐ける)ので、筋弛緩薬や鎮静剤の量を減らすことができる。さらに、機械換気中であっても患者自身の呼吸量が加わるために換気量をその分減らすことができ、結果としてピーク気道内圧をより少なくすることもできる。

PCVとBIPAP

気道内圧波形を見比べただけでは、PCVとBIPAPは区別がつかないぐらいによく似ている。どちらも圧制御型の換気様式で、患者の吸気に同調して気道内に陽圧をかけ、それを設定された時間だけ続けようとする。

この両者でもっとも大きな違いは呼気弁の作動のしかたにある。PCVの場合、患者の吸気中は呼気弁は閉じている。このため患者が息を吐きたくなっても、設定した時間が来ないと呼気弁は開かず、この間は非常に苦しくなってしまう。BIPAPは、患者の吸気時間中であっても吸気弁を閉じることはせず、その開き具合を持続的に調節している。このため患者が息を吐きたくなった場合でもスムーズに呼吸ができ、その間も気道内圧は設定した値に保たれる。

プレッシャーサポートとBIPAP

患者にとって楽な呼吸を目指したモードとして、PSVとBIPAPとはよく比べられる。PSVは患者の吸気と呼気とをすべて患者のトリガーによって行うため、患者は非常に楽に呼吸できる。しかし、人工呼吸器のトリガーには限界があり、頻呼吸になればなるほど呼吸器の応答は悪く、患者の呼吸困難は増し、また換気の効率も悪くなる。

BIPAPもまた、患者の吸気に合わせて気道内圧を上げ、患者の呼気にあわせて気道内圧を下げる。しかし、気道内圧の変化は原則として設定した時間以内には行われないので、患者が頻呼吸になっても呼吸器の応答が保たれる。また、一定時間は患者の気道内圧は高い圧に保たれるので、品呼吸による換気効率の悪化が生じにくく、また自発換気を残したまま最低分時換気量を調節することができる。

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FFPの使いかた

Fresh frozen plasma in patients with disseminated intravascular coagulation or in patients with liver diseases

外科医同士の会話で「赤」といったらMAP、「白」といったらFFPだが、その使いかたreview。

FFPは主に凝固因子を補充するために用いるが、これを1%上昇させるのに必要なFFPの量は、体重あたり1mlを要する。この法則はワーファリン過剰時などにPTを正常化させる際にも当てはまり、たとえばPTが40%であった75kgの体重の患者のPTを60%まで回復させようとする場合、75掛ける20で1500mlのFFPが必要になる。

FFPを投入するスピードも大切で、出血を押さえるためには最低でも毎分30ml程度の投与速度を保つ必要があるという。

PT補正の目標値としては、通常の手術前の患者ではPT-INRで通常の2倍から1.5倍程度、脳神経外科領域では正常値の80%以内への補正が求められている。

実際のところ、計算どおりのFFPをそのまま投入すると、たいていの患者で輸液過剰となってしまうため、こうした凝固因子の補充を行う際にはFFPを用いるよりも凝固因子製剤を用いたほうがよい、と推薦している文章も多い。

FFPはまた、DICの初期の過凝固期にはAT-・スの補充目的で、DIC後期の出血期には上記のような凝固因子の補充目的での効果が期待されている。しかし、いくつか行われた臨床研究では、いずれも小規模なものであったものの、FFPによるDICの予後改善効果ははっきりとは証明できなかったという。DIC治療においてFFPをどう位置付けるかはガイドラインごとに見解が異なっており、まだ一致した意見にはなっていない。ただ、明らかに出血性の合併症を生じているDIC患者についてはFFPの使用目的としては間違っていない、と書かれている。

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2004.11.23

Cheyne-Stokes呼吸と心不全

最近難治性の心不全の患者さんが何人か続いたので。

Cheyne-Stokes respiration in patients with congestive heart failure

Cheyne-Stokesと予後

Cheyne-Stokes呼吸は心不全患者によく見られる周期性の無呼吸であるが、この症状は予後悪化の危険因子にもなっている。Hanlyらの報告では、同程度の心不全患者の予後を比較した場合、2年間の追跡でCheyne-Stokesの無い患者では生存率が86%であったのに対し、Cheyne-Stokesを合併した患者では生存率は56%と低下していた。

Cheyne-Stokes呼吸を合併している心不全患者では、交感神経の緊張が増加していることがわかっている。いくつかの心不全患者の報告では、この中枢性無呼吸を治療することで交感神経の緊張が緩和し、不整脈の頻度が減ったとされている。この報告で用いられた治療手段はCPAP療法であったが、この治療を従来の心不全治療と併用することで、心移植待機中の心不全患者でLVEFの増加をみたという。

Cheyne-Stokes呼吸の原因

Cheyne-Stokes呼吸が生じる原因には大きく2説ある。ひとつは中枢のCO2濃度受容体の感受性更新によるもの、もうひとつは血液の循環時間の低下によるものである。

前者は、Cheyne-Stokes呼吸を生じている心不全患者のPaCO2が低下している観察から考えられた説で(対照的に閉塞性無呼吸の患者はPaCO2が増加していることが多い)ことから、左室拡張末期圧の増加により慢性的な肺のうっ血を生じ、このことがわずかなPaCO2の変動で実際の呼吸周期を大きく変動させてしまうと考えられている。また慢性的に生じた過呼吸の影響で、体内のCO2ストアが減少し、バッファーとして働く重炭酸の量が減ってしまうため、わずかなCO2の変動が容易に体液pHを変動させてしまうこともCheyne-Stokes 呼吸を招くという。

後者の説は犬の内頸動脈に細いプラスチックの管を挿入し、血液の循環時間を延長させたところCheyne-Stokes呼吸を再現できたという報告から生まれた説で、心機能の低下から患者の血液循環時間に遅延が生じ、このためCheyne-Stokes呼吸が出現するとされている。しかし、近年患者の血液循環時間とCheyne-Stokes 呼吸の発生とに必ずしも相関が無いことなどが報告され、Cheyne-Stokesの発生原因としては前者のほうがより有力になっている。

Cheyne-Stokes呼吸の頻度

心不全患者での報告ではCheyne-Stokesの合併頻度は55%から33%程度と幅がある。男性、血ガスでのPaCO2が38mmHg 以下、心房細動の合併、60歳以上といったものが危険因子となる。

この呼吸の出現頻度は夜間が多く、同じ患者群で日中のCheyne-Stokes呼吸の頻度は28%であったのに対し、夜間の頻度は71%であったという。

Cheyne-Stokesの治療

ベースに存在する心不全の治療が第一であるが、それらを十分に行ってもなお無呼吸が生じた患者に対する治療として提案されているものはCPAP、酸素投与、テオフィリンの内服、3%CO2の吸入、さらに心房ペーシングなどがある。

これらのうち、テオフィリン内服は不整脈の頻度の増加の副左葉があり、CO2吸入も睡眠の質の低下、脳浮腫の危険といった問題点がある。心房ペーシングは比較的新しい治療手段として紹介されているが、予後に与える影響などはまだまだこれから論じられる段階である。

CPAP療法は中枢性の無呼吸の患者であっても有効な治療手段として用いられてきたが、なぜこれにより無呼吸の改善が見られるのかはよくわかっていない。CPAPが心不全自体に与える好ましい効果はいくつもあるが、同程度の心機能の患者であっても、Cheyne-Stokes呼吸のない患者においてはCPAPは予後を改善しなかった。

この治療手段の有効率は40%から60%程度で、慢性期にはコンプライアンスが問題になる。また、心房細動を合併した患者にCPAPを行うと心拍出量が減少することが報告されており、注意が必要である。BiPAPの使用はCPAPに比べて患者の認容性が増すが、血行動態や予後に与える影響はCPAPとの差は無かった。

酸素投与は、患者の呼吸ドライブを減少させることで周期性呼吸を改善させると考えられている。量としては2-4l程度で有効といわれている。

CPAPと酸素投与との比較では、有効率、交感神経緊張を緩和させる作用ともCPAPと酸素投与は同等であったという。

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2004.11.22

備忘録

aaaCafeからXREAに引越しをした際の備忘録。

aaaCafeは無料サーバーで200Mもの容量を貸してもらえ、CGIの設置も事前に用意してあるものであればクリックひとつで可能であるなどありがたい面が非常に多かったが、容量の大きなファイルに転送制限がかかるのが問題だった。

自分のサイトはPDFファイルを配るのが主な目的であったので、今まで作ってきたPDFファイルの半数近くがaaaCafeの容量制限に引っかかってしまい、事実上ダウンロードできなくなってしまっていた。本来はPDFを見直し、より軽量なものを作ればいいのだろうがいまさら画像を小さく作り変える根性も時間もあるわけが無い。

ちょうど、今まで使っていた掲示板(Wiki)が再び荒れ模様になってきたこと、鯖缶がライブドアに移行してから文字コードがおかしくなったのか、表示が変なままになったページがいくつか出てきたことなどをきっかけに引っ越すことにした。

自分のページは総容量120M程度、転送量が1日に200M前後ともはや無料サーバーを借りて運営するにはサーバーに負担をかけすぎているため、前回使わせていただいて快適だったXREAの有料スペースを申請。

htmlのファイル、PDFファイルはそのまま移動、掲示板スクリプトは以前使っていたPukiWikiが個人での使用にはいくつか問題があったため、新しいスクリプトを探すことにする。

Wikiは簡単にページを作れ、CMSとしても掲示板としても自由に使えるとても便利なものなのだが、一方で荒らされるとまったく無力であること、自分以外に書き手がいないとかなり寂しいこと、URLが非常に長くなってしまうことなど自分には不満足だった部分があり、今回は普通の掲示板を用い、自分が適当に書き散らしたいことにはblogを用いてみることにする。

掲示板

過去にも掲示板を荒らされた経験があるので(自分が悪いのは承知していますが…)、ある程度荒らしに強そうな掲示板を探したところ以下のようなものを見つけることができた。

-Force264 -Smart Board -あじのたたき -おやつBBS -室町式掲示板

今回は設置が簡単そう、という理由だけでSmart Boardというスクリプトを使わせていただいた。いくつかの荒らし書き込みに対する対策がほどこしてあり、そんなに書き込みの多くない個人の掲示板で使うには機能も十分だと思う。くずはすくりぷとRNS Remixといった、より高機能な掲示板スクリプトにも興味があったが、そこまで人がくるような場所でもないのでたぶんその機能を生かすことはできないだろう。

blog

blogを提供しているサービスはたくさんあり、毎日見に行っているblogもいくつかあったので、以前から便利そうだな、とは思っていた。最初はどこかのblogサービスを借りてみようと思っていたが、はてなの一件もありこれ以上個人情報を漏らしたくないので中止。blogスクリプトの中で一番定評のあったMovable Typeを導入した。xreaでの導入についてはχ[kai] フリーでいろいろコソコソとの中のXREAとMovable Type3.1というエントリーに従うことで、ほとんど問題なく設置可能だった。ただ、mt.cfgの編集でいくつか#を消去しないといけないのを忘れ、何度かエラーを出した。

blogは、一人でいろいろ書き散らしてもCGI側でまとめてくれたり、インデックスを作ってくれたりを勝手にやってくれるほか、書き込みをしてくれた人のコメントを管理者サイドである程度コントロール可能であったりと、Wikiよりも便利な部分が多い。反面、誰でも好きなページを作れる自由はなくなるわけだが。

その他

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2004.11.21

新しいスライディングスケールの考えかた

Hospital management of diabetes:Beyond the sliding scale

米国の統計では、入院患者の12.4%は糖尿病を合併しているという。実際現場で働いていて、入院した患者さんの血糖が高値であることはよく目にするが、従来こうした人の血糖値をとりあえず下げる方法として、スライディングスケールによりレギュラーインスリンを皮下注するほうがよく用いられてきた。

自分が研修医であったころは、入院患者の血糖値の目標は200-250以下、スライディングスケールもあまり厳しく設定すると低血糖の合併のほうが恐ろしいのであまり血糖を下げすぎないようにと教わってきた。

ところが最近になり、血糖値が高い状態は慢性的な合併症の増加だけではなく、急性期の患者の予後を少なからず左右しうることが報告され、抗ストレスホルモンとしてのインスリンの効果が注目されている。

入院直後から厳格な血糖コントロールを行うことで、たとえば急性心筋梗塞(DIGAMI study)、外科手術後の重症患者、心臓手術後の患者、脳卒中患者の予後、敗血症患者の予後といったものが改善することが報告されている。

こうした結果を受け、American Association of Clinical Endocrinologists では以下のような目標値を設定している。

-ICU入室患者の血糖値は、110mg/dl以下 -その他の入院患者の食前血糖値は、110mg/dl以下 -入院患者の食後血糖値は、180mg/dl以下

この値を達成するのには、従来のスライディングスケールではまったく役不足で、単にスケールを厳しくしただけでは低血糖発作が頻発してしまう。

このため、このreviewでは重症患者においてはレギュラーインスリンの持続静注を積極的に行うべきだとし、インスリンの持続静注を開始した上で2-4時間ごとに血糖チェックを行うアルゴリズムを提唱している。

インスリンの皮下注を行っている患者については、各食前(大体30分前)に血糖チェックを行い、あらかじめ設定した基礎インスリン量(持続型インスリンの皮下注)に加えてそれらをレギュラーインスリンで補充するとされている。

基礎インスリン量の決定は、1日に必要な総インスリン量(持続静注した総量から決定する場合)がたとえば24単位であった場合、持続型インスリンを朝夕6単位ずつ、さらにレギュラーインスリンを各しょくぜん単位ずつ皮下注するところから開始し、これに食前血糖値に応じてレギュラーインスリンを補充する。

プロトコールはかなり複雑で、そのまますぐに病院で実行することは困難かとも思うが、厳格な血糖コントロールによる予後の改善効果は馬鹿に出来ないほど大きく、何よりも身近にある薬剤で実行可能なところがありがたい。

重症患者の急性期からステロイド、バソプレシン、インスリンの3つを少量ずつ補充する「急性期ホルモン補充療法」の効果を以前から信じ、点滴ラインを増やしては周囲から「治療を無駄に複雑にしやがって」「馬鹿じゃないの?」と罵られることしばしばであったが、こうしたreviewが出てくると少しは味方が増えるかもしれない。

2004.11.20

編集者心得

立花隆秘書日記から。

知らないと言ってはいけない。話を聞いておいて、知らないことは後で調べる。 できないと言ってはいけない。とにかくやってみる。 世間話をしてはいけない。用件が終わればさっさと引き上げる。 資料を指示されたら、手に入らないと言ってはいけない。 苦労して手に入れた資料が使われなくても文句を言ってはいけない。 資料はすべて使われるとは限らない。 それくらい近づいてほしいという距離ではなく、それくらい離れていてほしいという距離を保つ。

研修医と上級医との関係は、作家と編集者との関係とはまったく違うものではあるが、人間関係のあり方としては参考になる部分も多いと思う。

2004.11.19

皮膚消毒にはクロルヘキシジンとイソジンの併用が有効?

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Combined skin disinfection with chlorhexidine/propanol and aqueous povidone-iodine reduces bacterial colonisation of central venous catheters

CVライン挿入時などの皮膚の消毒には、クロルヘキシジンのほうがポピドンヨード、アルコールに比べてより有効であるという報告がいくつかある。これはクロルヘキシジンのほうが、ほかの薬剤に比べてグラム陽性球菌に対する殺菌力がより強力だかららしいのだが、この論文では両者を併用したほうがより感染の頻度が減ったと報告している。

筆者らは140回CVラインを挿入した際、その皮膚消毒にクロルヘキジン単独、ポピドンヨード単独、両者を1分ずつ併用の3種類の消毒法を試み、カテを抜去後の培養で菌が生える頻度を比較している。

結果、消毒薬をどちらか1種類ずつ用いた際には従来どおりクロルヘキシジンのほうが感染頻度は少ない傾向にあったが、消毒時間の合計(2分間)を一致させても、どちらか片方の消毒薬よりはクロルヘキシジンとポピドンヨードとを併用したほうがより感染頻度が少なかったという(平均感染率20%に対して、消毒薬併用で感染率4.7%)。

カテーテル感染症の原因には皮膚からの細菌の進入以外に三方活栓からの細菌の進入が挙げられており、個人的にはそちらのほうの関与が大きいのではないかと考えていた。

皮膚の汚染が十分に除去されているならば、消毒という行為自体が無意味という意見を読んだこともあり、そうした意見にも結構説得力を感じていたが、やはり清潔操作の前には手洗いと消毒はまじめにやったほうがいいなあと感じた次第。カテ屋をやっていると、そのあたりは意外にいいかげんなので。手技時間が十分に短いならばそれでも大丈夫なのだろうが、自分にはそこまでの腕はない。

肺保護的な換気様式

伝統的な人工換気は、1回換気量を10縲鰀15ml/kgに設定する。この値で換気を行うことで、患者のPaO、PaCOを正常範囲に保つことが出来る。一方、急性肺障害の患者においては、この1回換気量の設定値ではピーク気道内圧が非常に高くなり、肺胞の過伸展を生じてしまう。

急性肺障害の患者の肺は決して均一ではなく、正常に近い部分と病的に虚脱している部分とが混在している。このため過大な気道内圧、過大な1回換気量によるストレスは正常に近い肺胞に集中してしまい、結果として肺全体の換気能力を悪くしてしまう。この現象は、特にPEEP圧が低く、1回換気量が大きい呼吸器のセッティングで顕著に見られる。

肺保護的な換気の目的は、1回換気量をより少なくすることで肺胞の過伸展を減らし、また高いPEEP圧を用いることで末梢の小さな気道を開くことにある。

どの程度の1回換気量なら許容範囲なのかについては、まだ一定した見解が無い。

現在いわれているのは、人工呼吸器モニター上の圧-容量曲線で、気道内圧が upper inflection point を超えた場合は明らかに1回換気量が過大だということである。Roupieらの報告では、1回換気量を10ml/kg以下に設定した場合、 85%の患者でupper inflection point を超えなかったという。

臨床試験

少ない1回換気量のトライアルは1990年代に2つ行われ、ともに死亡率の低下を見ている。 この結果を受け、虚脱した肺胞を再度呼吸に参加させ、その状態で安定化させることでARDSの病態を改善させうるということは古くから示唆されてきた。いくつかの動物実験、臨床試験では、こうした”open-lung”の考え方を用いた呼吸管理手法はARDSの予後を改善させ、ICUの滞在期間を短縮させた。

1959年に、Meadらは犬を用いた実験を行い、人工換気を長期間施行すると肺のコンプライアンスは進行性に低くなり、またこうした変化は肺のサーファクタントシステムの変化によりもたらされると報告した。

人工換気による肺サーファクタントの欠乏は、以下の機序により発生するといわれている。

機械換気は肺胞のI I型上皮細胞の働きを刺激し、肺サーファクタントの産生を促す。こうして作られた肺サーファクタントは、肺胞の虚脱とともに気管内に押し出されてしまい、肺胞の物質透過性が亢進してしまう。この結果、肺毛細血管から肺胞内への液体成分の漏出が生じ、肺の浮腫が生じる。

人工換気や原疾患の進行により肺サーファクタントが欠乏した肺胞は、バクテリアの進入を許し、また炎症細胞のサイトカイン放出の場となる。

高いピーク気道内圧と、低いPEEP圧はともに肺からの炎症性サイトカインの放出を促す。ピーク気道内圧を買えずに10cmHO程度のPEEPを加えるか、あるいはピーク気道内圧を下げることで、サイトカインの放出量を減少させることが出来る。

現在、肺は単なる呼吸器疾患の進行の舞台ではなく、多臓器不全の引き金を引く炎症性サイトカインの産生の場であるという認識が広がりつつある。人工呼吸器のついている患者においては、肺胞の虚脱を招くような不適切な人工呼吸器のセッティングはそれ自体が予後悪化の因子となる可能性がある。

理論上は、虚脱してしまった肺胞を再び膨らませるためには60縲鰀70cmHO の圧力が必要とされる。しかし、肺の直径が大きくなればなるほど、同じ気道内圧であれば肺の表面張力は低下する。すなわち、一度虚脱した肺胞を広げてしまえば、より少ない気道内圧の変化で換気が出来る可能性がある。

ちょうど、風船を膨らませる際、小さな直径から膨らませるときには大きな力が必要だが、一度大きく膨らませてしまった風船には意外に簡単に空気が入る。肺と風船とは完全に同じではないものの、高いPEEP圧を維持することで、肺胞へのダメージを最小限にしながら最低限必要な1回換気量を維持できる可能性が出てくる。

人工呼吸器を用いて肺胞を開くためには、従来の従量式の換気様式よりはPCVのほうが有利である。虚脱し肺胞が再度開いた際、その開存を維持するためにはより多くの空気が必要となる。

供給される空気の量があらかじめ設定されている従量式の呼吸に比べ、PCVは新たに換気量が必要となった場合は即座に呼吸器から空気が供給される。

ARDSを生じている肺は、さまざまな部位に小さな無気肺を生じている。最近のARDSのガイドラインどおりの小さな1回換気量を用いても、虚脱した肺胞のbarotrauma や炎症性サイトカインの産生を押さえることは難しい。

ARDSの人工呼吸管理において、早期から虚脱した肺胞を再動員し、またそうした肺胞を開いた状態で保ちつづけることの重要性は、十分に強調されているとは言えない。

“Open lung”という考え方は、Lachmannらが最初に提唱し、今まで多くの議論を生んできた。ここでいうOpen lung とは、肺内のほとんど全ての肺胞が呼吸に参加している状態である。こうした状態を保つことで、肺内の右左のシャントは減少し、酸素化は改善しうる。理論上は、こうした状態が保たれた場合、100%酸素吸入下ではPaOは450mmHgに達するはずである。

この考えかたどおりの呼吸管理が出来るようになったのはまだこの数年のことで、ここで用いられるのがPCVである。

具体的には、Pressure-controlled ventilation モードを用い、ピーク気道内圧を40縲鰀60mmHgとし、吸気/呼気の比を 1:1から2:1とすることで、虚脱した肺胞が再度呼吸に動員されうる。

再動員が成功したかどうかは、同じ気道内圧での1回換気量が上昇したかどうか、また血液ガスデータが改善したかどうかで評価できる。

この後、ピーク気道内圧は1回換気量が減少しない最小限の値まで下げられる。たいていの場合、一度開いた肺胞を開いた状態に保つのに必要なピーク気道内圧は、人工換気開始時の圧よりも15縲鰀30cmHO 程度低い値である。

PEEPはこの間、呼気時に肺が虚脱しないよう、10縲鰀20cmHO に維持される。

こうしたアプローチを取ることで、小規模な臨床試験では、22名のARDS患者において死亡率は10%、従来どおりの管理方法に比べて有意に多臓器不全が少なかったと報告している。

“Open lung”アプローチが優れた結果を出せた理由としては、この方法は平均気道内圧が高くなる代わりに吸気時と呼気時との気道内圧の差が少なくてすむため、barotrauma と biotrauma とが少なくすんだためと考えられている。

肺保護的な換気

肺保護的な換気モードの大規模試験としては、2000年のARDSnet の報告がある。このスタディーでは、従来の換気群の呼吸器セッティングを1回換気量12ml/kg、最高気道内圧を45縲鰀50cmHOとし、”保護的な”換気群のセッティングを 1回換気量を6ml/kg、最高気道内圧を25縲鰀30cmHO以下になるようにコントロールした。

PEEPについては、両グループともFiOに応じて(図)4縲鰀15cmHOに設定された。

患者はARDS患者861名を対象とし、結果とて有意な死亡率の低下(コントロール群39.8%、保護換気群31%)をみた。人工呼吸器装着期間、他の臓器不全を合併する頻度とも、保護換気群のほうが少なかった。

患者ごとの比較で、両群で同じPaOを得るためには保護換気群のほうがより高いPEEPを必要とし、またより高いFiOを必要とした。

barotraumaの合併頻度や、筋弛緩薬の使用の頻度については両群で変わらなかった。

このスタディについては批判もあるが、小さな1回換気量で出来る限り気道内圧を低く保つという呼吸管理方針自体は現在の主流になりつつある。

このスタディで大事なのは小さな1回換気量だけではなく、比較的高いPEEP圧が用いられている点にも注目する必要がある。1回換気量を小さくするだけでは酸素化の改善は望めず、進行する肺胞の虚脱と二酸化炭素の貯留を招いてしまう可能性がある。

実際、このスタディでの”保護換気”群では、PaOを低くするために頻呼吸にすることは認められており、保護換気群のほうが1回換気量は少なかったものの換気回数は多かった。さらに、このスタディの条件で換気を行うと内因性のPEEPが高くなってしまい、実際に設定したPEEP圧以上の圧が患者の肺にかかっていた可能性もある。逆に、このことが患者の予後を良くした原因の一つになったという指摘もある。

逆相換気(IRV)

急性肺障害に陥った肺は、正常な換気が可能な肺胞と、コンプライアンスの低い肺胞とが混在している。

このため、通常の吸気時間では病的な肺胞を十分に膨らませることが出来ず、酸素化が悪くなってしまう可能性がある。

この現象は、吸気時間を通常よりも長くすることで解決できる。IRVは、吸気/呼気の比(I:E)を1以上に保つ換気の方法であると定義される。

こうした換気の方法は、PCVで吸気時間を延長していくか、あるいは従量式の換気で吸気時間を延長し、漸減型の吸気フローに吸気時のポーズを併用することで実行することが出来る。

吸気時間を延長することで、平均気道内圧と1回換気量をもとの値に維持したままでピーク気道内圧を減少することができる。この換気モードはまた、死腔換気を減らすことで血液ガスの値を保ったままで1回換気量を減らす効果も期待できる。

こうしたIRVの効果が実際に現れるためには数時間を要し、またこうした換気モードがもっとも有効なのは虚脱した肺胞を再動員可能な急性肺障害の発症早期になる。

実際、ARDSの患者の予後を推定しうる値の一つに死腔換気率が報告されており、死腔換気を減少させるIRVはARDSの予後を改善させる可能性がある。

IRVの問題点

吸気時間を増加させると、当然呼気時間は短縮する。

呼気が十分にできないままで次の吸気が開始されると、肺胞内にエアートラッピングを生じ、気道内圧が上昇する。これは”内因性PEEP”といわれる。この現象は肺胞の過膨張を生じ、気胸の合併を増加させる可能性がある。

また、内因性PEEPの増加により平均気道内圧は上昇し、心拍出量の減少や酸素運搬量の減少を生じうる。こうした現象は、とくに吸気/呼気比を4:1以上にした際にみられる。

IRV施行中は1回換気量を減少させることが多いため、PaCO2 の上昇もしばしば見られる。一方、血液中の二酸化炭素濃度については IRVの開始によりむしろ減少する、という報告もある。

さらに、IRVは生理的な換気ではないために、患者の同調が難しい。このため換気中のセデーションの量は通常の換気よりも上昇し、しばしば筋弛緩薬が必要になる。特に、従量式の換気でIRVを行った際には患者の同調が悪いと気道内圧が極端に上昇することがあり、注意が必要である。

IRVの臨床試験

IRVの効果を裏付ける臨床試験はほとんどない。

酸素化の改善効果は、単純に内因性PEEPの増加による平均気道内圧の上昇のためであると考えられている。

このため、IRVと通常の換気モードとの直接比較はPEEPの値を正確にそろえることが難しいため、評価することが難しくなる。

いくつかの小さなスタディでは、IRVをARDSの患者に施行したが通常モードの換気に比べてIRVの優位性を証明できなかった。このスタディでは人工呼吸器が外から加えたPEEPと、内因性PEEPの合計値が両群でそろえられていたため、 IRV群でも酸素化の改善効果が得られなかったために優位性を証明できなかったと考えられている。

また、こうしたスタディでは、患者の呼吸器のモードを変えてからその効果を評価するまでの時間が30縲鰀60分程度と短く、 IRVの肺胞動員効果が証明できなかったのだという意見もある。 IRVのこうした効果が出てくるには24時間程度必要、としている初期の報告がある。

このように、IRVの効果はまだ確立してはいないが、この換気モードは比較的シンプルに実行可能な方法であるため、血行動態の安定している患者で、通常の換気モードでは十分な酸素化が得られない場合には試してみる価値がある。

2004.11.18

テノーミンには予後改善効果が無いかもしれない

Atenolol in hypertension: is it a wise choice?

ロサルタンとの予後改善効果を比較したLIFEスタディの結果を受け、そのコントロール薬であったアテノロールの効果を過去のスタディから比較研究した報告。

アテノロールはプラセボと比較して有意に血圧を下げたものの、予後の改善効果はプラセボとかわらず、また脳卒中の発生頻度はプラセボに比べて高い傾向があった。実薬との比較では、アテノロールはほかの薬剤に比べて予後、合併症頻度とも高い傾向があった(有意差は出たものとそうでないものとが混在)。

一方、ほかのベータ遮断薬では、特に心不全や心筋梗塞後の患者に用いることで予後の改善や心機能の改善効果が報告されている。

アテノロールの今回の結果の原因としては、アテノロールが水溶性の薬剤で、心筋繊維化の抑制にかかわる中枢神経中の薬剤濃度が低いこと、心肥大を抑制する効果がアテノロールでは弱い(十分に証明されたスタディが存在しない)こと、いくつかの降圧薬で示されている血管内皮細胞機能の改善効果がアテノロールでは証明されていないことなどが挙げられている。

うろ覚えだが以前にも、心不全で効果のあったベータ遮断薬(メトプロロール、ビソプロロール、カルベジロール)はいずれも脂溶性なのに対し、心不全のトライアルで予後改善効果を証明できなかったベータ遮断薬(ソタロール、ブシンドロール、ザモテロール、ナドロールがあげられていた)はいずれも水溶性のものであったというreviewがあった。

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